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奇襲後編

多分短い。ちと劣化気味

「「戦車、か」」


奇しくも同じタイミングで口をあけた2人はしかしそれぞれすぐに戦車を撃退するための方法を行う準備に出た。


「中尉!どこだ!」

こちらはフィデリオである。

彼はドールマンの言っていたバイストパトローネ―対戦車榴弾―を探していた。

「何だ、若いの!」

老人か何かのような口調のドールマンの声がぎりぎり聞こえる位置から彼は大声で呼んだ

「パトローネどこだ!」

「屯所だ屯所!」

彼はそれを聞くなり屯所へ走った。


ところ変わってここは宿屋後略の出窓である。

そこから断続的に銃声をひびかせているのはやはりアーニーだ。

彼女が狙っているのは戦車の弱点といわれる履帯やペリスコープ、キューポラのガラス面だ。

だがやはり小銃弾では効果は薄い。

履帯を撃っても足止めはできないしペリスコープにはそもそも腕の問題で当たらない。

だが運よく当たった1発がキューポラに当たりガラスにひびを入れることに成功する。

「私ができるのはせいぜい目潰し位だからさっさとやってよ。中尉。フィデリオ。」



屯所に着いたフィデリオは倉庫からそれらしき箱―縦長で頑丈―を取ると中身を確認する。

「150の筒と対戦車弾頭と対人弾頭が各5、か。」

彼が訓練で撃ったことのあるのは、新式のバイストパトローネ200だ。だが基本的には発火機構の付いた筒から榴弾をぶっ放すという至極簡単な代物だ。

「いっちょ、やりますか。」

彼は戦車のある方向へ駆け出した。そしてすぐに、

「敵、発見。」

軽戦車を見つけ、轟音を立て発砲。

着弾と同時にメタルジェットが発生、弾薬に引火し消し飛ぶ。

だがその先には大量の戦車が待ち受けていた。

彼は迷うことなく裏道経由でドールマンの所へ向かった。


ドールマンの傍には散弾銃を構えたアーニーがいた。

「来た、か。」

ドールマンは若干あきらめた口調で言い出した。

「これ以上の交戦ではここに留まる意味はない。だから今後は遊撃戦という形になる。お前らが逃げる時間ぐらいは作ってやる。さっさと消えろ。」

2人はそれが理解できなかった。

「消えろと言っているだろう!」

一喝が降る。

「そいつは、出来ねえは。中尉。俺らは元軍人で、今もこうやってる。逃げるなんざごめんだ。」

素直な意見を言う。だが、

「だから何だ!お前らは今何様だ!一般人だろうが。ここは戦場なんだ。」

「だからって、故郷を見捨てて言い訳にはならないでしょう!」

その一言でドールマンの表情が変わるが一瞬で平時の顔に戻る。

「ここでむざむざ紛争の時みたいに市民を殺されてたまるかよ……だから……だから早く行け。」

その言葉で2人は気づいた。彼がどんな覚悟なのか―たとえ死んでも国民を守るということ―を。

「中尉。死ぬなよ。」

「またどこかで、中尉さん。」

2人はそうとだけ残すと夕闇にまぎれ遮蔽を取りつつ南門へ消えた。

「貴様ら!ここから先は通さん!」

大声と共に火炎瓶を戦車へ投げ、すぐにそばの通りへ遮蔽を取り、そして味方の銃声を合図にまた一人戦車搭乗員を撃った。






「フィデリオ、中尉さん、無事かな……」

「無事を信じるしかないさ。」

 2人は歩きでそのままヒ―サ村を離れ、5キロ程度のとこにいた。

「……蛍、だ。」

先に見つけたのはアーニーだった。

「ほんとだ。」

つられて彼もその蛍を見る。

「蛍。俺らと、中尉さんと、そしてこの国を守ってくれ。」

彼は呟くように祈ると足を進めた。






短いとか言いつつ1000字以上だった。集中ってすごい。

何なら短いとか言わないと良かった。

多分ここでヒ―サ村編終了。ここからは多分召集師団編になります。多分。

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