第6話 異世界行ったらゾンビ出た!?
今回は結構長くなっちゃった、キャラの掘り下げとかこれからちゃんとしていきたいです
「クラーケン倒せてよかった、ガチで死ぬかと思ったよ」
オレの思考はそれで精一杯だった、そしてこういう系のストーリーの定番を忘れていた
レグルス「妙だな、本来クラーケンは温厚な種族だ」
なんか嫌な予感、
レグルス「そして懸賞金の2000ゴールドなど不要なはず」
嫌な予感的中確定演出!?
レグルス「つまり、偶然機嫌が悪かったということだ」
「いや流れ的に絶対違うだろ!」
レグルス「すまない、少し君をからかっていた」
レグルスにもそういうとこあるんだ、意外
レグルス「だが要点はそこだ、本当にそれは偶然なのか?」少し間を置いて彼は続けた
「つまり偶然ではないの?」
レグルス「ああ」
そしてレグルスは水面を見た、オレもその視線の先を見る、ぶくぶくと泡を吹きながらなにかがいくつも浮上している、手、足、頭、それらはゆっくりと浮かび上がる、
「これって…」
波間からいくつもの水死体が浮かび上がる
レグルスは静かにそれをみつめる
死体A「“この船はもうすでに終わりの航路にある”」
その声は、水死体の口から発せられていた
そして死体が一斉に船に登ろうとする
え、これまずくない?なんか詩的な表現かましてきたけど
ホラゲとかめっちゃ好きだったけど、ゾンビ系だけは苦手だったんだよ!
まって、そういえばアリシアとファルクは?
レグルス「俺も同じことを考えていた」
レグルスとともに船の後ろへ向かった
なんか霧もかかっている気がするしなんなんだ、
雰囲気作り完璧かよ、
それにしてもあいつら無事か?
アリシア「この数は、流石のわたしでも厳しい、しかもそもそも死んでるから切っても切っても復活する、ハッキリ言って倒し方がわからない」
ファルク「前言ってた必殺技とかはいけるか?体ごと消し飛ばすイメージで」
アリシア「船ごと破壊する可能性があるから無理だ」
もう既に登ってきた水死体の軍勢と交戦していた
一応無事だ、良かった、オレたちが戦ってる間もずっと戦ってたんだな、
「アリシア、ファルク!助けに来た!」
ファルク「おう!ユウキとレグルス!」
アリシア「来たか、ユウリ」
にしてもこんな数、千はいないにしろ、どうすればいいんだ、
アリシア「きっとどこかにネクロマンサーがいる、わたしはそいつを探してる」
なるほどな、そいつを倒せばってことか?
死体B「陸までこれれば、の話ですがね?」
それを聞いて死体のひとつが喋り始めた
死体B「私がそのネクロマンサーのデトラ、一度に300体まで死体を使役でき」
アリシアがその死体を念入りにオーバーキルした
死体C「話も聞けないのか!?あくまで操っている死体のひとつ、そんなことをしたって無駄だ!にしてもこんな簡単な仕事で勝手に登録したクラーケンの分も含めて4000ゴールド、ものの数分で!?」
アリシア「つまりお前は対岸にいるのか」
アリシアは剣を対岸に向かって構える
死体C「まったく、下手な真似はよした方がいい、対岸には村があるのはご存知で?」
なるほどな、死体だけ働かせて自分は安全圏、そして船内の状況は死体との感覚共有で見えるのか、全く嫌なやつだ
死体C「さて、命乞いでもしてみますか?4000ゴールド以上払えるなら見逃してやってもいいのですよ」
アリシア「そ、そうなのか?」
なんでアリシアはこの話を真面目に聞くんだ、
いや、違うな、様子が変だ
ファルク「そ、そうなのか!そりゃありがだいぜ」
ファルクも?
レグルス「そうだなそれはありがたい」
レグルスも!?棒読みだけど大丈夫か?
オレだけがこの状況呑み込めてないぞ!?
死体C「噂に聞くあの上位悪魔さえも諦めて声に力がありませんね、とてもとても、愉快です」
レグルス「天使」
ん?頭に直接?
レグルス「この船は今も動いてる」
なるほどな、船を壊さずに無尽蔵に回復する敵を復活できないよう念入りに1人ずつ潰すのは難しい、だから対岸にこの船がついて術師本体をたたく、そのために船が動いてることヤツに悟られないようにする、そういうわけだ
死体C「さぁ天使さん、あなたも降伏しなくていいんですか?特別にあなたは半額で許してあげますよ?地面に這いつくばって動物の真似でもするなら」
獣人もいるのにそれは失礼だろ
「誰がお前なんかに、」
死体C「そんな口を聞いていいんですか?ねぇ?天使さん?ですがあなたに構うより先にやることがあります、私のようにあなた達を殺しに行きまんまと仲間になった方が1人、」
何体かの死体がファルクのもとへ近づき腕をおさえ地面に固定する
死体C「さて、抵抗しないでくださいよ、ファルクさん、お仲間がどうなってもよろしくて?パキポキパキポキ、ほら指、これで1本目ですよ、?反応が?まぁいい」
くそ、術師本体にたどり着いたら全く同じことをしてやる
レグルス「天使、あと3分だ」
3分か、おおよそ曲1曲分だな「や、やめろ」
死体C「あなたの声からも力が無くなりましたねぇ、さっきまでの威勢はどうしたんですかってことよ、ドゥーユーアンダスタンドッ!」
い、痛いな、イキナリ腹蹴るな!死体のくせに、てか最後なんて?
レグルス「"理解したか"と言っていた」
なるほど、英語かな?、ありがとうレグルス
レグルス「そして天使、対岸に着いた」
ああ、オレも気づいてた、なぜって後に物語の都合上自然に無くなってそうなオレの新スキルが発動したからな、それは勝ち・確!を意味する
死体C「いいBGMですね、さてさて希望を言うなら椅子も欲しいですね、」
てかなんでお前に聞こえるんだよ
アリシア「椅子ならそこにあるが?」
アリシアっ!いやもういいのか
死体C「いやいやいや、人の温かみってやつが足りませんよ、ここにいい椅子候補が4人もいるじゃないですか、天使さんどうですか?ついでに翼でリクライニングを」
「せっかくだが、その誘い、断らせてもらう」
死体C「ほう、そうですか、ならファルクくんタイムの続きを、なっ!」
アリシア「今は死体だが、これをお前自身でやるのがわたしは楽しみだ」
切った死体の腕持ちながらそんなこと言ってアリシアキャラ崩壊してるよ!?
死体D「ならば死ぬといい!無尽蔵に起き上がる300体相手にどこまでやれ」
死体E「すぐに手を出すな話を」
死体F「おいやめろ最後まで話させてくれ」
アリシアに切られる度、次々と新しい死体でデトラは話し続けた、
よし、少しカッコつけさせてくれ
「話なら直接聞いてやるよ、お前の顔も見たいしな」
死体G「まさか、」
やっと気づいたかこのアホ、死体の視覚で見てたせいで自分の本体の目の前に船が来てることに気づけないとは
死体G「いや、まだだ死体ごと爆や、な、何ッ!うわぁ」
流石レグルス仕事が早い、もう本体を陸で見つけたのか
その後オレたちはゆっくり陸にあがらせてもらった
そこには髭を生やしてマントを羽織ったいかにも術師っぽいおじさんがいた
デトラ「や、やめてくれ、もう腕が折れてる、足だってもう暫くは歩けない、やめてくれ」
「レグルス、さすがに、」
デトラ「すまない、スキルを使わずにそのまま殴ってしまった、」うそだ、絶対わざとやってる
「てかこれだけすればもう立てないでしょ」
「いや甘い、ユウハ」とまた名前を間違えながらアリシアも剣でデトラを殴る、
死体を操り後ろから油断してるオレたちを刺そうって?すごいな、その執念、油断ならないやつだ
レグルス「ファルク」
ああそうだな、さっきの分をここで
デトラ「や、やめてくれ、違うんだ、ちょっと魔が差して」
「指パキポキだっけ?どうする?ファルク?」
デトラ「やめてくれ、いややめてください、金ならいくらでも、いや嘘全財産は厳しい」
ファルク「ユウキ、多分そういうことだな」
「ああ、オレはファルクの意志を尊重する」
デトラ「ひぃ、天使様どうかお助けを」
ファルク「いや違うぜ、いくらイライラしてても、これ以上やったら、一生残る怪我になる、さすがに道徳ってやつがなくなっちまうわけだ」
デトラ「え、」
ファルク「身体が思うように動かなくなる苦しみは嫌という程分かっているつもりだ、俺の妹がそうだからな、とにかく、傷を治して、次は真っ当に4000ゴールド稼げばいい、元気なら何度だってチャンスはある、話くらいならいつでも聞くぜ」
ファルク、
デトラ「本当に、、ファルクくん…私は…いいや、ありがとう、」
「…」
自分がやられて嫌なことは人にやらない、この言葉の意味を真に理解した、そんな気がした
だがこの時は誰もファルクの考えていたことの全貌を知らなかった、
そうして船の上でのゾンビアポカリプスは終結した、
刺客残り6人
デトラは最初に考えたバージョンだと1回死亡して死んだ後また自分の死体を操って2回戦をするって感じだったけど、それよりはちゃんと気持ちよく負けた方がって思ってこうなりました、今回も最後まで読んでくれてありがとうこざいます!




