第32話 演出のミス
1 最近の死人の埋葬地を調べる男がいた
2 場所を教えると彼は喜んでそこへゆく
3 彼は何故か墓を一つ一つ剣で刺す
4 男は金髪の長髪だった
白燐をいくら攻撃しても無駄、というわけでもない
アンデッドの再生速度を超える速さで大量のダメージを与えればやれる
だがそれは本人も分かっている、
そしてできない理由も分かっている、
「可能」かどうかの「できない」じゃあない、
アンデッドだとして、かつての友人を見捨てることは出来ない
白燐「いいかい、天使君、さっきも言った通り、僕は演出家さ、今危ない戦いをしているのは君たち3人だけじゃない」
白燐は自分の剣をなぞる
白燐「国の北で『憤怒』の悪魔ちゃんがどこかの『傲慢』の暴君と、国の東ではここにいる僕のダメージを肩代わりしてくれる誰かさんの妹に化けた『勤勉』が騎士王御一行様を1人ずつ狙っている、言動は本人のように調節されるから誰も気付くことはないさ」
ユウマ「やっぱり俺はこの人を知っていた、アンデッドにされているこの人を」
「そうだ、オレの仲間のファルクだ」
アンデッドの再生の特性を使ってダメージの肩代わりというスキルをフルに使っている、アンデッドになったファルクがダメージを肩代わりしたとて彼は再生する、惨いことをする、
セツナ「目的はなんなの?」
白燐「目的?それを明かすにはまだ早いさ、ただ、もったいぶってもしょうがないから1つ教えてあげよう、君たち3人はこの世界で生まれた、君たちに転生前なんてないのさ、こんなのはどうだい?」
弱音を吐くようだがオレにはファルクを痛みつけるのは出来ない、そもそも死亡したって言う話を聞いた時、オレはその事実に向き合えなかった、以前は隣にいた友人が別れたあともきちんと生きてるのは普通だったから、、
???「演出家としては満点、だけど、演出にかけすぎて、悪人のリアリティがないんじゃない?」
白燐「君か、久しぶりだね」
あれはファルクの妹、?
ルキナ「『勤勉』の方じゃないけどその認識で合ってる?」
白燐「ああ、ところで君は何をしに?」
ルキナ「兄さんを生き返らせたあなたに感謝、したいところだけど、その精神支配を解いて」
白燐「君は僕に悪人のリアリティがないって言ったね?だけどこの長話にも理由はあるさ、スキル無効化の効果時間が終了した、」
あ、それやばいな
ルキナ「え、あの、戦闘、はちょっと、あそこの3人がやってくれるのかな、、」
もはや二重人格だろ、この変わり様
けどおかげで少し気が楽になった気がする、確かに考え方の問題だ、白燐の精神支配がなければファルクが強くなって復活しただけって事だ、でもどうすれば、
その時、体に直接何かを感じた、懐かしいこの感覚、
数ヶ月前のあの時と同じ、
アストレインが来る、
だけどまぁスキルの無効化じゃ意味が、
いや、ある、それを白燐悟られなければ、
まさかルキナはアストレインと行動していたのか?
そうなると最初から全て白燐を欺くための彼女の「演出」ってことなのか、
これをオレが知ったのが吉と出るか凶と出るか、
ところでオレ途中で大事な情報逃したりしてない?
✱✱✱
地面を踏む、地面が吹き飛ぶ、足が吹き飛ぶ、足が治る、こいつの爆弾は本当にイライラする
「おいルイゼ、こんなバンバン爆発音ならして人が来るぞ、」
ルイゼル「ボクは一向にかまわないさ、それよりシドニー、いつまで持つかな?悪魔って言ったっていつかは、」
ルイぜが次の爆弾を生成しようと地面を触る、そしてなにか別のものに触れたようだ
ルイゼル「手、?誰の、、」
「私のだよ、綺麗だろ?」
ルイゼル「何のために、わざわざ、まさか、、」
「知ってるか、アイアンメイデン?」
仕組みは作動した、ルイぜの身体を丸ごとアイアンメイデン、まぁ銅で出来てるからブロンズメイデン?まぁどっちでもいいけど、に閉じ込めてやった、棺のような形をしているが中に内に向く大量のトゲがある、恐らくトゲが刺さったまま再生すれば関節が固定されて動けなくなるだろう
ルイゼル「ぐっ、、」
「悔しがるお前の顔を見たいが、そこ開けたらお前が出てくるんでやめとくとするか」
ルイゼル「し、しかしどうやって、」
「私のスキルは弾丸程度の銅を指から出す大罪、美徳のスキルのシリーズじゃ圧倒的最弱能力、そう思うだろ?私もそう思う」
ルイゼル「…なんの説明だい、それは」
「身体中トゲが刺さったまま冷静につっこまないでくれ、私は腕を切って再生させてを150回あまり繰り返した、1つの指じゃ弾丸程度の銅、だが指5本を150、750倍なら?そして一つ一つ地面に埋めておいたのさ、ここにな、お前がここに来ると思ったから、」
ルイゼル「そうか、ボクも“覚悟”が足りてなかったみたいだね、痛みに耐える覚悟が、」
その時アイアンメイデンが内側から爆発した、
「自分を爆弾に、」
ルイゼル「本気でやるさ、ボクが奪った数々のスキル、その中で1番冬国の王らしいスキルを、」
「アイアンメイデン」
まだ私の腕は変わらず埋まっている、1度抜け出したとて戦場がここである限り私の絶対的な有利は変わらない、指ひとつから小さな弾丸程度という生成量の制限の代わりに、生成する回数の制限はほぼ無いに等しい
ルイゼル「き、決めゼリフくらい言わせてもいいじゃあないか、」
なんか寒くないか
ルイゼル「今日この日に薄いTシャツ1枚でいた事を後悔するさ、ボクはここから動かなくていい」
なんかじゃあない、めちゃ寒い
ルイゼル「『ブリザード』、冬国の寒さを肌で味わうといいさ、」
全ての戦いのタイミングが被ったのは白燐が調整したんじゃなくて作者がミスったからです、けど迫力ある戦いを書くのが苦手なのでバラバラよりこっちの方が何かと都合がいい気もする、今回も最後まで読んでくれてありがとうございました!




