第27話 その“心“、笑ったね?
ホテルの一室で紅茶を飲む
とても穏やかなワンシーンだが俺の心は決して穏やかじゃない、俺の役割は連絡と司令塔、つまり状況整理もしないといけない、
それがややこしい、
なぜこんなにこのグレイヘイブンに色んな奴が集まっている、
まず“節制”の俺、“憤怒”のヴァレティナ、アマギ・ユウマ及びに天使ユウキは分かる、
“救恤”の白燐、“忍耐”のセツナ、“傲慢”のルイゼル、おまけになぜアリシアがいる?
それだけじゃない、ルイゼルやアリシアの他にも各国の王が何人かいる、そしてアリシアは何故か“勤勉”のスキルを持つ者と行動している、それは一体誰だ?
謎が多すぎる、ルイゼルは銅の生成を出来るスキルを探していたのではないのか?
何故ユウキ達は白燐と接触している?
とりあえずアリシア含めた皆を集結させ、、
???「ピンポーン!ごめんください!」
、?
???「留守?なわけがないですね」
普通ピンポーンは口で言わないだろう、インターホンを鳴らせばいいものを、
「なんだ?」
扉を開けると老婆が立っていた
老婆「こんにちは、このホテルに来たばっかですよね?少しスパイ対策のため、身元確認の質問がありますので」
「了解した」
それにしてもまともそうな人だな、さっきは口でピンポン言うものだから少しびっくりし、
老婆「“笑った“ね?」
「?」
老婆「その“心”、笑ったね?」
「何を言ってるのか、」
老婆「なんで私が国外からのスパイを摘出する職についてるか分かる?それは“心”を読めるからねぇ、あんた笑ったね!」
…
老婆「“…“じゃないわよ!えぇその腐った根性よ、悪いけどね私あんたなんかより長く生きてんのよ!」
150歳以上なのか、この人
老婆「生きてる長さなんでどうでもいいのよ!!」
「申し訳ない、気に触ったなら、」
老婆「うるさいのよ!!」
老婆は壁を殴る、最初は何ともなかったがいきなり亀裂が入り、壁は跡形もなく崩れていった
老婆「スキル、よォ!相手が“心”の中で“笑った”時、笑われた怒りで全ての身体能力を10倍に強化する!そしてあんたは我が国を脅かすスパイの仲間、部下なしでも私1人であんたを倒してみせる!」
なんだよそのめちゃくちゃなスキル
老婆「誰のスキルがめちゃくちゃよォ!?」
老婆が拳を振り上げるとホテルの上の階の地面が崩れてゆく、
「テンパランス」殺してはまずい、割合ダメージで削ろう
老婆「銃のエイムがクソザコか!?オートエイムかァ!?何が殺してはまずいよォ!?殺されるのはあんたのほう!!くらえ!」
力が強い、拳1つで肋骨が折れるか
老婆「ん?感触がおかしい、あんたもしや、魔族だね?いや、悪魔か、再生のスピードが違う、だが!この私のパワーの前では無意味!再びくらえ!」
貫通腹パンってこういうことか
老婆「このクソッタレ悪魔がァ!?痛いか?」
心を読めるこいつを今ここで処分しないと、ヴァレティナ達にも危険が及ぶ、
老婆「ヴァレティナ、がスパイね」
「それをおまえが今、知ったところで意味は無い、」
老婆「なっ!?腕が抜けない」
「貫通腹パンが決まったと喜んでいたか?いや違う、俺がそうするように仕向けた、お前は必ずここで行動不能にする!」
老婆「まずい、銃を」
「6発お前に打ち込ませてもらおう!テンパランスの割合ダメージ、お前の残り体力は5パーセント以下だ」
老婆「なァにィーー!?」
さて、考察の続きに戻ろう、
何故、ルイゼルはグレイヘイブンに来た?
銅を生成に該当するスキルを持つ者がここにい、
老婆「まて、」
「?」
老婆「私を殺さないのか?」
「ああ、ちょうど聞きたいことがあったからな」
老婆「嘘をつくな、私は心が読める、お前、情をかけているな、」
「いや、心が読めるなら分かるだろ?」
老婆「悪魔レグルス、国を守るために戦う歴戦の軍人である私への敬意をはらっていると、お前はスパイに向いていないな」
「そうかもな」
老婆「レグルス、ヴァレティナと言ったか、お前の思考を勝手に読ませたもらったのだが彼女はスキルで銃弾を無限に補給できるのだったな、銃弾を作れる金属はなんだ?」
「銅、なのか?」
老婆「そうだ、私の経験だと銅は使える、つまりだ」
「ルイゼルの狙いはヴァレティナ?、だがなぜ俺を助けてくれる?」
老婆「それはもちろん“敬意”だろ?」
なんてこった、ルイゼルの狙いはヴァレティナだったのか、
婆さん、ありがとう
老婆「あんたいよいよ私が心読めるのを喋らなくていい便利スキルみたいに扱ってるね、」




