第13話 俺と雪のスナイパー
雪の女王は出てきません、雪のスナイパーです
状況は一向に好転しない、悪くもならない、ハッタリが通用してるうちは、
それももう限界だな、
男「いいや、ハッタリだな」
こいつも気づいてきてる、
そろそろ狙撃手の攻撃も再開されるだろう
「そう思うか?」
男「…」
いやまだ確信をもてていないのか?
なら一か八か、
男「自ら足を前に出した!?諦めて自害するつもりかァ!?」
自分の火属性に足を包み、少しでも火のダメージを軽減する、足が完璧に無くならなければカリーナが治療してくれる
「ほら、無駄だろう?」
男「思いっきり足が焼けてるように見えるが、これはまさか、血の獣人が戦闘態勢に入った時のエネルギーなのか!?」うん、足の表面が焼けてるだけだ。
こいつ、刺客最後の3人にしては弱すぎないか、
爆弾ニキと同じく能力が強くても読みが甘い
いや、自分と相手を1体1でフロア・イズ・ラーバの遊びに巻き込むだと?しかも元々この遊びは地面が溶岩と仮定して地面から足を離す遊びだ、それを今自分の足が触れてる地面以外の地面が溶岩?
果たしてそんなスキルがあるのか?
その時、燃える俺の足めがけて氷魔法のかかった弾丸が打ち込まれた
男「この湯気はまさか!?ちの、」
「もういい、分かってるんじゃあないのか?」
男「ああ、そうだなお前が同じ火属性だから少し火を相殺したこと、お前はあの血の獣人じゃないこと、そして、お前の敗北は確定したこと、」てか誰だよ血の獣人、俺も聞いたことない
「お前のスキルの前置き、嘘だな、そういう内容のスキルの割にはバランス感覚がいいように見えない、さらにリアムのようにスキルがあって魔法属性がないタイプの割にはスキルに火という立派な属性がある、はなからお前の目的は、俺に火をつけることだったんじゃあないのか?」なにかしら後ろの狙撃手に関係するんだろうな
男「おいおいセリフが長いぞ!だがまぁ、そうだな、ハッキリ言って単純なスペックだと火属性しか使えずスキルがない俺は刺客の中で1番弱い、まぁあの子供でも幻覚魔法あったりするしな、」
「それで?」
男「そう結論を急ぐな、俺の火属性には厄介な特性があってな、初めて使った時に俺の体に燃え移り、水をかけるまで何をやっても燃え続けた、それでできたのがこの火傷、それが今お前の体で燃えている、そしてファルク、氷と炎の合成弾って知ってるか?」
「体ごと蒸発するような痛みってやつか?水と炎の合成弾の強化でダメージが2倍になると言われているな」
男「ああ、だがそんなものは存在しない、なぜなら炎の後に氷を打ち込むという明確な順序があるからだ、故に合成弾が作れなかった」
「だから俺の体にお前の燃え続ける炎をつけた後に、氷属性魔法の使える狙撃手に撃たせると、」
男「ご名答だな、俺はお前の体の一部に炎をつけるだけでよかった、地面にしかけたたった1ミリの炎をお前が踏みさえすれば、その賭けに俺は勝った」
やられた、水属性魔法の使えるユウキが来るまでは何も出来ないのか、
一般人A「大丈夫かい、あんた」
一般人B「あいつにやられたのか?」
一般人C「お兄ちゃん大丈夫?」
流石に火までついたら通りすがりの市場の客も気づくよな、
少女A「傷いたいの?」
小さな少女が俺にそう言った、思い出した、俺には守るべき妹がいる、守るべき仲間もな、
俺がアリシアやユウキ、そして列車の勇者のような主人公なら展開的にここで形勢逆転したのにな
一般人C「頑張れ兄ちゃん、あいつをぶちのめしてやれ」
一般人A「よく分からんが火をつけてるやつが悪役とみた」
一般人D「頑張れ!」
そうだよな、俺みたいなサブキャラはこういう声援があってこそだ、
「ありがとう!みんな!」
よし、勇気が出た、勝つ方法を実践する勇気がな、
男「まだなにかあるのか?いや断じてないな、そしてもう1発くるぞ、氷属性の弾丸」
何故この世界では武器を通して属性魔法を使用するか?それは彼の話であった通り自分もダメージを食らうからだ、だが無論、属性魔法を武器ではなく自分に付与することは可能、火の場合大量のダメージを受けるが、
男「自分に火をつけたのか!?そんなことしても氷の弾丸を食らって大ダメージを受ける範囲が拡大するだけだ、さらには自分もダメージを受けているだろう!」
そして地面には炎を放ってから氷という順番もあって、当てることの出来なかった威嚇射撃の氷属性の弾丸、空気中の水蒸気を弾丸から出た冷気が冷やし、氷塊が出来ている、そして氷を溶かすとどうなるか?
男「氷属性弾丸ではなく、氷属性弾丸に冷やされた水蒸気!あくまで冷気である氷属性ではなく!物質の氷!それを溶かすと、水!」
「消火完了だ、」
男「なんてやつだ、自分の火属性で火傷した俺の話を聞いたすぐ後に、自分に火をつけるなんて真似を、それも無策ではなく、俺の消えない炎を消すまでを考えてのこと、」
「あいにく見知らぬ小さな子供、と、見知らぬ大きなおじさん?が見てるんでな!」
男「俺は高を括って武器を持ってない、どうすれば、いや、もう一度炎を、水ごと蒸発させればいい!」
俺はとりあえずアッパーを入れた
一般人E「やったな!」
一般人B「お前の勝ちだ!」
一般人F「もっとやれ!」
まったくみんな喧嘩好きだな、
だがもう決着はついてる
「ほら、大丈夫か?」アッパー入れたのは俺だけど
男「どうしたんだ?」
「もう戦いは終わった、これ以上殴る理由はないんだ」
男「いや、まだ戦いは終わってない!」
「頑固だな、けど気持ちはわか」
その時、氷属性の弾丸は俺に着弾した
消火に使った水は逆に害になり、体は冷気で一瞬で凍りついた、
男「まだ俺が諦めてないとかそういう話じゃあないんだ!お前は立派なやつだ!さっきまで殺しにかかってた俺に手を差し伸べるなんて、まるでラノベの最初は敵だったけど仲間になるやつみたいだ、だけど俺の仲間が、あいつは任務は最後までやるタイプだ、お前が水に濡れたのを好機と考えたのだろう、」
やっぱりお前良い奴じゃないか、それを教えてくれようとしてたのか、火傷は冷やせって言うけど、過度に冷たいとヒリヒリするな、
めちゃくちゃ最後の言葉みたいな感じで言ってたけどちゃんとファルクまだ生きてます、最後まで読んでくれてありがとうございます!




