新しい「仲間」
これまでは、AIに一章ずつ個別に執筆させていましたが、その方法では物語全体の一貫性が保てないという問題がありました。そこで今回は、複数章をまとめて生成したうえで、後から一章ずつに分割することにしました。
また、新たな章を書く前には、前章の出来事を簡潔にまとめてもらっています。章同士のつながりを意識させ、一貫性を高めるための工夫です。
第九章:
広場にて
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螺旋が、うねるように襲いかかってきた。
王国軍の数はわずか三十ほど。対する敵は、少なくとも百。三倍以上。優勢も、有利も、ありはしない。
螺旋兵たちは、一糸乱れぬ動きで突撃してくる。かつて塹壕戦で見た、あの愚かで血塗られた肉の壁——正面から突撃し、相手を引き裂き、潰し、屍を越えて進む、狂気の戦術。
ルイーザの目の前で、王国の若き歩兵が、剣を握りしめて立ち向かった。
「うおおおおおっ!!」
その叫びは勇気か、それとも恐怖の裏返しか。男の剣が一本、螺旋兵の胸を貫く。返り血が飛ぶ。
だが、螺旋兵の顔は、笑っていた。
「なっ……!」
右から、別のクローン兵が剣を振り下ろす。咄嗟に男は身をひるがえし、剣をかわし、腹を蹴り飛ばす。螺旋兵は呻き声一つ上げずに倒れ込んだ。
だが、休む間もない。第三の螺旋兵が横から突進してくる。男は地を蹴って反転し、敵の突きを紙一重で避け、逆に剣を振るう——が、刃は肉に深く食い込んだだけで止まった。
「……!」
螺旋兵は、ただ狂ったように笑う。そのまま無理やり押し返すように腕を伸ばし、男の喉元に手をかける。
「くっ……!」
振り払おうとするも、別のクローンが背後に忍び寄っていた。錆びた剣を構え、静かに、そして確実に近づいてくる。
ガシッ。
さらにもう一体のクローン兵が男の左腕を掴み、無理やり引き寄せる。
「やめろ!」
叫びもむなしく、刃は男の首を切り裂いた。
血が、広場に弧を描いて噴き出す。男の目が見開かれたまま、崩れ落ちる。
「……ッ!」
ルイーザの喉奥が焼けるように熱くなる。だが、魔導士として、彼女は己を律した。
「天より降り注ぐ光よ、我が敵を焼き尽くせ!」
彼女の叫びと共に、同じく魔導士たちが声を重ねる。
「大地よ、怒りを解き放て!」
「風よ、鋭き刃となれ!」
三重唱が、広場に轟いた。
天空から雷のような光が降り注ぎ、石畳からは鋭利な土の槍が突き出し、風の刃が螺旋兵の肉を切り裂く。
「ぐああああああッ!」
「帝国万歳……うわああああッ!」
次々と、敵が倒れる。焼かれ、貫かれ、切り裂かれ、肉の塊となって地に沈む。
「魔道士どもを先に叩け!!」一人の帝国兵の声が響く。その瞬間、カーキ色に身を包んだ帝国兵たちが、一斉に魔導士の元へ殺到した。彼らの眼中に歩兵はいない。まるで呪文詠唱の声に憑かれたように、一直線に突撃を仕掛けた。
だが、その隙を逃さなかった。
剣を携えた王国の歩兵たちが、迫り来る帝国兵を側面から斬り伏せる。一人、二人、三人と、魔導士に届く前に次々と血を噴き倒れていく。それでも、帝国兵は止まらない。胴を裂かれようが、腕を失おうが、なお前進を続ける様は、もはや人の動きではなかった。
血路を開いた数名が、ようやく魔導士の間近に迫る。その手に錆びた剣を振り上げたその瞬間——
「風よ、鋭き刃となれ!」
風が唸り声を上げるとともに、無数の透明な刃が空を舞った。
それらは正確無比に螺旋兵たちの身体へと突き刺さり、
螺旋兵の体は縦横無尽に切り裂けられ、肉片と血飛沫が宙を舞う。
焼き焦げた死体、粉砕された骨、地に刺さった剣が、まるで屍の園のように広がっていた。
敵は壊滅。残された王国兵は半数以下。
「……止まった?」
一人の剣兵がそう呟いた。
いいや、とルイーザは内心で否定する。これはまだ「始まり」にすぎない。
「……増援が来る」
彼女は魔杖を構え直す。汗が掌を湿らせていた。
敵は完全に沈黙した。狂気の合唱も、螺旋の歌も、もう響かない。
代わりに——
広場に漂うのは、奇妙な「沈黙」だった。
鳥の声も、風の音も、ない。ただ、血のにおいと、焦げた肉の煙が、空気を支配していた。
「どこだ……」
ルイーザは目を凝らした。屋敷の窓、崩れた壁、影、死体の下。どこかに、いる。カーキ色の悪魔たちが。
だが、いない。
姿も、気配も、まるで「初めから存在しなかった」かのように消えている。
広場に、ひとり、ふたりと声を潜めた兵士たちが集まり始める。
「ルイーザ長官、どうなっているんです……?」
「……静かすぎる」
「増援は?他の部隊は……?」
「来ない。いや、まだ来ていないだけか」
ルイーザの喉が乾いていた。
この静けさ。
それは、塹壕戦の夜明けに訪れる、あの「何かがおかしい」と思わせる沈黙。鼓膜を圧迫するような、重く、圧倒的な違和感。
まるで、全てが「見られている」ような——
ルイーザは上を見上げた。
そこには、空しかなかった。だが、彼女の背筋には、氷のような感触が走っていた。
「……姿を見せろ」
思わずそう呟いた。
応えるものはいなかった。
ルイーザは静寂の中心に立ち、耳を澄ましていた。遠くの風も、空を舞う鳥の羽ばたきも、何一つ聞こえない。ただ、自身の心臓の鼓動だけが、やけに大きく響いていた。
そのとき——
「うわあああああっ!!」
その叫びに、場に残っていた兵士たちは一斉に顔を上げた。
数名の王国兵が広場の外から駆け込んでくる。
金属が打ち鳴らされる音を響かせながら、必死に腕を振り回し、何かを叫んでいる。サイズが合っていないのか、彼らのヘルメットは、首元で不安定に揺れていた。走るたび、まるで首振り人形のようにカクカクと上下左右に動き、妙に滑稽だった。
「襲撃!! 敵だぁぁぁ!!」
ルイーザは前へ進み出て、静かに手を掲げた。「落ち着け。私はルイーザ。王国軍魔導部隊、長官だ」
駆け込んできた兵の一人が、ヘルメットを脱ぎ、深く礼をする。「はっ、こちらは第三小隊の残兵です!突如の襲撃を受け、部隊とはぐれました。一時的に合流を願います!」
ルイーザは一瞬だけ彼を観察した。初老の男の顔は皺に覆われていたが、妙に張りのある、若々しい肌をしていた。目元は落ち窪み、しかしその奥に灯る光は鋭く、警戒心を隠していない。
「承知した。ここにいる間は私の指揮に従え」
「感謝いたします、長官殿」
彼の背後には、さらに二人の兵が立っていた。顔はヘルメットの奥深くに隠れており、表情は見えない。しかしその身長と体格は酷似しており、まるで双子のようだった。
「三人とも、隊列の後方に下がって待機。増援の捜索を行う。全隊、準備!」
兵たちは命令に従い、それぞれの持ち場へと移動を開始した。
ルイーザは深呼吸し、杖を強く握りしめた。
広場の空気は、再び緊張に満ち始めていた。
「……始めよう。次は、こちらから動く番だ」
chat GPT + 人。
そろそろ DEEP SEEKとかGEMINI 使ってみたい。