第四十一波
テーマ: AIプロンプト作りの練習
結構プロンプトを使いましたが、AIの反応がよかった二つのプロンプトの抜粋です:
let the perspective be from a magus officer. illustrate the maniacal horror unleashed by the militias. change the opening. cut the static visual imagery, and open straight from the 41st charge, pouring out from the devious mouth of " the trench dug a kilometer away". add a brief but shocking imagery of a literal wall of militias - their sheer, incredible volume completely envelops the eastern horizon normally visible from the kingdom's trench. a frantic storm of fireballs follow - from the every corner of the trench. an equally impressive volume of fire balls mercilessly annihilate the combatants. yet, the 42nd wave immediately follows the collapse of the 41st. from here starts the repetition: the 43rd, 44th, 45th, 46th assaults are succinctly depicted, with the magus force decimating them every time. emphasize the continuous, nerve-ending, aggressive, demoralizing attacks of the empire.
good. emphasize magus panic through dialogue: include the panicked voices of the young recruits, the visceral screams of despair of the veterans. the narrator herself, feels unimaginable despair that refuses to be expressed in simple diction. they evolve to become her disgust towards the militia's horrifying tactics, and her anger towards their relentless ferocity. physical signs of trauma is suggested in discrete fashion.
プロンプトは英語じゃなくてもAIは全然反応できるのですが、私の場合、国籍上日本人で日本語はできるけど、母国語という言語が英語なので、こうなっちゃってます。
あまりにもざっくりした説明だと、プロンプトには求められていないことをAIが書いてしまうことが時々ありました。数や具体的な例を常に意識して提示して、AIにわかりやすく説明すること。なんか当然なことですが、最近気づきました。
# 第五章
王都東方戦線
第四十一波
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魔導士長ルイーザは塹壕の観測所から東を凝視していた。彼女の充血した目は、一キロメートル先の敵陣地を睨みつけていた。わずか三週間前まで、そこからは穀倉地帯の緑と朝日が昇る美しい地平線が見えたものだ。今、彼女の視界を埋めるのは死体の山と、蛇のように蜿る螺旋皇帝軍の塹壕だけだった。
「長官、敵に動きが!」
若い伝令の声が震えていた。ルイーザは疲れた目を細めた。彼女の顔には無数の皺が刻まれ、二十一日間の連続戦闘が四十歳の彼女を六十歳のように見せていた。朝食も喉を通らず、胃の中は酸だけが渦巻いていた。
東の塹壕から、一つの旗が上がった。
「また来るのか...」
彼女の掠れた声には、言葉にできない嫌悪感が滲んでいた。彼女の手元では、指先が震えていた。
「魔導士の皆、準備を!」
彼女の言葉に、塹壕内に緊迫した空気が流れた。
敵の塹壕から、まず一人が這い上がった。続いて十人、百人、千人と――
ルイーザの目が見開かれた。喉の奥が痙攣し、吐き気が込み上げてきた。敵兵の数があまりに多く、地平線そのものが人間に変わっていた。東の地平線全体が同じ顔を持つ男たちの壁となって、こちらへと迫ってきたのだ。
「神よ...あれは...」
彼女の言葉は喉の奥で凍りついた。
「あれは人間じゃない!怪物だ!」側近の魔導士が叫んだ。彼の声は裏返り、顔面は蒼白だった。
「何なんだ、あれは...」若い魔導士が呻いた。「同じ顔が、何千も...何万も...」
「気持ち悪い...吐きそう...」女性魔導士が口を押さえた。
地平線を覆い尽くすように広がる人の波。それは自然の摂理に反する光景だった。地平線の全てが動き、全てが同じ顔を持つ兵士で埋め尽くされていた。朝日は完全に遮られ、その代わりに人間の壁だけがあった。
ルイーザは唾を飲み込もうとしたが、口の中が乾ききっていた。この二十一日間、彼女は毎晩同じ夢に魘されていた。無限に増殖する同じ顔、終わりのない殺戮、決して消えない狂気の笑い声。
「分裂能力で世界を侵略しちゃうよ帝国、万歳!!!」
狂気じみた叫び声が平原を埋め尽くした。何千、何万もの同じ声が同時に叫ぶその音は、もはや人間の声ではなかった。それは自然災害のように、大地そのものが唸っているかのようだった。
「王国を粉砕せよ!王国を粉砕せよ!」「王国を粉砕せよ!王国を粉砕せよ!」「王国を粉砕せよ!王国を粉砕せよ!」「王国を粉砕せよ!王国を粉砕せよ!」「王国を粉砕せよ!王国を粉砕せよ!」「王国を粉砕せよ!王国を粉砕せよ!」「王国を粉砕せよ!王国を粉砕せよ!」「王国を粉砕せよ!王国を粉砕せよ!」「王国を粉砕せよ!王国を粉砕せよ!」「王国を粉砕せよ!王国を粉砕せよ!」「王国を粉砕せよ!王国を粉砕せよ!」「王国を粉砕せよ!王国を粉砕せよ!」
同じ顔を持つ兵士たちが新たな雄叫びを上げた。その声は雷鳴のように大地を震わせた。
「うわあああ!」若い魔導士の一人が耳を塞いだ。「頭の中に入ってくる!止めて!」
「奴らの声が、頭の中で響く...」ベテランの魔導士が呟いた。その手は制御不能に震えていた。「夢にまで出てくる...あの笑い声が...」
「気が狂いそうだ...」別の魔導士が呻いた。
ルイーザは歯を食いしばった。あの声、あの笑い。それは人間の声ではなかった。彼女はその声が何よりも憎かった。魂の奥底から湧き上がる嫌悪感。彼女の指先が杖を握りしめ、関節が白くなるほど力が入った。
「畜生...」彼女は低く唸った。「この化け物どもが...」
「全魔導士、位置について!」
ルイーザの命令が響く。彼女の腕は震え、額からは冷や汗が流れ落ちていた。魔力回路の過負荷による痛みが全身を駆け巡る。背筋を走る電流のような痛み。それでも、彼女は杖を掲げた。
王国軍の塹壕から、魔導士たちが姿を現した。彼らの顔は青ざめ、魔力の枯渇によって頬は窪み、目の下には隈ができていた。制服は汚れ、血の跡がこびりついている。
「もう...限界です...」一人の年配の魔導士が呟いた。彼の手は制御不能に震え、目には涙が浮かんでいた。
「死にたくない...家に帰りたい...」若い見習いが泣き崩れた。
「黙れ!」ルイーザは叱咤した。しかし彼女自身、内心では同じことを思っていた。それでも彼らは杖を構えた。
「四大元素よ、我が命に応えよ!」
ルイーザの詠唱が始まった。彼女の声は震え、喉は魔力の過使用で焼けるように痛んだ。舌の先が切れ、口内に血の味が広がる。
「私の声が聞こえるか!全員で!」彼女は叫んだ。「声を合わせろ!」
「天より降り注げ、炎の嵐!」
十数名の魔導士が続いて詠唱する。
「詠唱できない...」若い魔導士が呻いた。「声が...出ない...」彼は恐怖に震えていた。
「集中しろ!」ベテランの魔導士が叱咤した。しかし彼自身、詠唱の途中で血を吐いた。「くっ...」
「やめて...もうやめて...」別の魔導士が泣きながら詠唱した。「お願い...来ないで...」
「僕の魔力が...枯れる...」見習いの少年が呻いた。その顔は老人のように皺だらけになっていた。魔力の過剰使用で、彼の寿命が縮んでいた。
「母さん...痛いよ...」若い女性魔導士が泣きながら詠唱した。彼女の指先からは血が滴り落ちていた。
魔力回路の損傷は取り返しがつかないほどになっていた。それでも彼らは詠唱を続けた。
大気中に魔力が満ち、解放された瞬間、空は火の海となった。
数百の火球が、東の地平線を覆う人間の壁へと降り注いだ。爆発音が連続して響き、火の粉が舞い上がる。地獄の業火のような光景が広がった。
火球の雨は、敵の前進を止めた。人間の壁に穴が開き、黒焦げの死体が積み重なっていく。
「分裂能力で世界を侵略しちゃうよ帝国、万歳!!!」
しかし、その声は止まなかった。焼け焦げた死体の間から、新たな複製兵が湧き出るように現れた。彼らは仲間の死体を踏みつけ、前へ前へと進む。
「弱き者は滅び、強き者のみが生き残る!王国の魔法使いどもめ、覚悟はできたか!」
複製兵たちが一斉に叫んだ。その声は恐ろしいほど揃っていた。
「王国を粉砕せよ!螺旋皇帝陛下に栄光あれ!」
「王国を粉砕せよ!「王国を粉砕せよ!「王国を粉砕せよ!「王国を粉砕せよ!「王国を粉砕せよ!「王国を粉砕せよ!「王国を粉砕せよ!「王国を粉砕せよ!「王国を粉砕せよ!「王国を粉砕せよ!「王国を粉砕せよ!「王国を粉砕せよ!「王国を粉砕せよ!「王国を粉砕せよ!「王国を粉砕せよ!「王国を粉砕せよ!「王国を粉砕せよ!「王国を粉砕せよ!
「まだ来る!」
側近が叫んだ。
ルイーザは杖を再び掲げようとしたが、突然激痛が走った。彼女の魔力回路が悲鳴を上げ、その左腕が力なく垂れた。
「長官!」
「私は...大丈夫だ...」
彼女は右手だけで杖を持ち直し、再び詠唱を始めた。彼女の顔は灰色で、唇は青ざめていた。
「大地よ、怒りを解き放て!」
地面が揺れ、複製兵の足元から無数の岩の槍が突き出た。何百もの複製兵が一瞬で串刺しになる。血しぶきが舞い、断末魔の叫びが響いた。
それでも、彼らは笑っていた。
「分裂能力で世界を侵略しちゃうよ帝国、万歳!!!」
骨を砕かれ、内臓を貫かれながらも、彼らは笑い続けた。その表情には、狂気と恍惚が混じっていた。
第四十一波は、全滅した。
しかし、静寂は一瞬だけだった。
「第四十二波、突撃開始!」
東の地平線から、再び人間の壁が現れた。前回と同じくらいの数、同じ顔を持つ男たちが湧き出てくる。まるで前の波が存在しなかったかのように。
「我らが行進を止められるものは何もない!王国を粉砕せよ!」
新たな波の複製兵たちが一斉に叫んだ。
「何てことだ...まだ来るのか」
若い魔導士が呟いた。彼の声には絶望が滲んでいた。
ルイーザは膝をつき、血を吐いた。魔力の過使用で、彼女の内臓は機能不全を起こし始めていた。側近が彼女を支える。
「長官、下がるべきです」
「いや...私がここを離れれば、兵たちの士気が...」
彼女は立ち上がろうとしたが、足が震え、再び膝をついた。
「第四十二波が近づいています!六百メートルの地点に達しました!」
見張りの声に、塹壕内の緊張が高まる。
「嘘だろ...まだ来るのか...」若い魔導士が絶叫した。「やめてくれ...もう無理だ...」彼は両手で頭を抱え、その場にうずくまった。
「逃げろ!皆逃げろ!」別の魔導士が突然叫んだ。彼は塹壕を駆け出そうとしたが、側近に取り押さえられた。「放せ!死にたくない!あいつらは人間じゃない!怪物だ!」
「私は...私は...」若い女性魔導士は言葉を失い、ただ震えるばかりだった。彼女の魔導杖が手から落ち、彼女はそれに気づくこともできなかった。
「静かに!」ルイーザは怒鳴った。しかし、彼女自身の心の中では恐怖が渦巻いていた。再び奴らの顔を見ること、あの笑い声を聞くこと。それは拷問に等しかった。
「全魔導士、準備!」
ルイーザの命令に、残された魔導士たちが杖を構える。彼らの数は、明らかに減っていた。ルイーザの視界の端では、何人かの魔導士がただ空虚な目で前を見つめ、命令にも反応しなかった。心が壊れていた。
「風よ、鋭き刃となれ!」
集団詠唱が響く。声は揃わず、力強さもなかった。それでも、空気が振動し、目に見えない風の刃が敵の軍勢に襲いかかった。
複製兵たちの体が切り裂かれる。腕や脚が宙を舞い、頭が転がる。しかし、後続の兵士たちは足を止めない。彼らは切断された仲間の体を踏みつけ、前進を続けた。
「分裂能力で世界を侵略しちゃうよ帝国、万歳!!!」
その叫び声は、変わらず狂気に満ちていた。
第四十二波も全滅した。
塹壕の中では、魔導士たちが倒れていた。魔力を使い果たし、意識を失う者。血を吐き続ける者。杖を持つ手が震え、立つことすらできない者。
ルイーザは側近に支えられながら、東を見つめた。
「第四十三波、突撃開始!」
再び、地平線が人間の壁に変わった。
「どうして...こんなに兵力があるのだ...」
ルイーザの声は震えていた。それは恐怖ではなく、絶望からくるものだった。
「水よ、敵を飲み込め!」
残された魔導士たちの詠唱。塹壕の前に作られた人工的な水路から、濁流が溢れ出た。茶色い水が複製兵たちを飲み込み、押し流していく。
彼らは溺れても笑っていた。
「分裂能力で世界を侵略しちゃうよ帝国、万歳!!!」
水中から上がる泡とともに、その声は続いた。
第四十三波も全滅した。
塹壕では、魔導士たちがほとんど倒れていた。立っているのは、ルイーザを含めた数名だけになっていた。
「見習い魔導士を呼べ」
ルイーザの命令に、伝令が走る。
数分後、十代の少年少女たちが震える足で前線に立った。彼らの目には恐怖が浮かんでいたが、それでも彼らは杖を握りしめていた。
「第四十四波、突撃開始!」
東の地平線から、また人間の壁が現れた。
「切り裂かれても、我らは前進する!千の傷を負おうとも、我らは止まらぬ!」
「王国を粉砕せよ!王国の魔法使いどもに死を!」
「死を!」
「死を!」
「死を!」
「死を!」
「死を!」
「死を!」
「死を!」
「死を!」
「死を!」
「死を!」
「死を!」
「死を!」
「死を!」
「死を!」
「死を!」
「死を!」
「こんなの終わらないよ...」
見習いの一人が小さく呟いた。少女の目には涙が浮かんでいた。
「終わらせるのが我々の役目だ」
ルイーザは彼女の肩に手を置いた。「王都を守るために、私たちがここで踏みとどまらねばならない」
見習いたちは頷き、恐る恐る杖を構えた。
「雷よ、天より落ちよ!」
未熟な詠唱だったが、それでも空から雷が落ちた。青白い光が平原を照らし、複製兵たちを焼き尽くす。
「分裂能力で世界を侵略しちゃうよ帝国、万歳!!!」
しかし、その声は消えなかった。焼け焦げた死体の向こうから、また新たな兵士たちが現れた。
第四十四波も全滅した。
見習いたちの中には、一度の詠唱で倒れる者もいた。彼らの若い体は、魔力の負担に耐えられなかった。
「第四十五波、突撃開始!」
ルイーザは膝をついたまま、東を見つめた。彼女の視界は霞み始めていた。魔力の枯渇による意識の混濁だ。それでも、彼女は見た。
地平線を覆う人間の壁。それは変わらぬ強さで、こちらへと押し寄せてきた。
「炎よ、我が怒りとなれ!」
彼女は残された魔力を振り絞って詠唱した。喉から血が溢れ、視界が真っ赤に染まる。それでも、彼女は詠唱を続けた。
空から降り注ぐ火の雨。地面を焼き尽くす炎の渦。それは彼女の怒りの具現化だった。
複製兵たちは燃え上がった。彼らの肉体は灰となり、骨は黒く焦げた。しかし、その笑顔だけは最後まで消えなかった。
「分裂能力で世界を侵略しちゃうよ帝国、万歳!!!」
第四十五波も全滅した。
ルイーザの体が崩れ落ちた。彼女の魔力回路は完全に焼き切れ、もはや魔法を使うことはできなかった。側近が急いで彼女を支える。
「長官!」
「私は...もう...」
彼女の言葉は途切れた。意識が遠のいていく。
最後に彼女が聞いたのは、東から響く声だった。
「第四十六波、突撃開始!」
そして、同じ言葉の繰り返し。
「分裂能力で世界を侵略しちゃうよ帝国、万歳!!!」
彼女の意識が闇に沈む前、彼女は思った。
「これは終わらない...彼らは永遠に攻めてくる...」
東の地平線から、再び人間の壁が迫ってきた。