実験作品2 (2)
デモ作品 第二章
ほぼ100% Claude opus 4.
真夜中。帝国の総攻撃が始まった。
「チッ、また詰まりやがった」
俺は窓枠に背中を押し付けながら、短機関銃の弾倉を引き抜く。手が震えてる。新品の弾倉を取り出そうとして、ポケットから滑り落とした。カチャン。床に転がる音が妙に大きく聞こえる。
「おい新兵!しっかりしろ!」
隊長の声に力がこもってる。俺は慌てて弾倉を拾い上げる。ピカピカのオリーブ色の軍服が、薄汚れた隊長たちの中で浮いている。恥ずかしい。
窓の外、五十メートル先に王国軍の防衛陣地が見える。石畳の真ん中に積み上げられたバリケード。機関銃が不気味に銃口をこちらに向けている。月明かりが、その金属を鈍く光らせていた。
「撃て!制圧射撃だ!奴らの頭を下げさせろ!」
隊長の命令で、俺は窓から身を乗り出す。引き金を引く。ダダダダダ!短機関銃が暴れる。熱い。銃身が焼けるような熱さだ。薬莢が床に散らばる。カラカラと音を立てて。
すぐに身を引く。次の瞬間、さっきまで俺がいた場所の壁に弾痕が刻まれる。バババババ!石膏が飛び散る。
「くそ、王国の奴ら必死だな」
隊長が隣の窓から撃ちまくる。弾倉を空にして、すぐに身を隠す。腕時計をじっと見つめている。
「あと三十秒」
息を切らしながら、でも確かな声で言う。
隣の建物からも銃声が響く。八個分隊が同時に攻撃してる。でも、王国軍の機関銃は止まらない。
「二十秒」
部屋の隅で、他の二人が発煙弾を両手に握りしめている。一人の手が小刻みに震えているのが見える。
あれ?俺の手も震えてる。
隊長が気づいた。深呼吸して、俺たちの方を向く。
「いいか、お前ら。怖いのは当たり前だ。俺だって怖い」
え?隊長が?
「でもな」声が急に平坦になる。「陛下は既に七つの大陸を統一された。我々は陛下の分身であり、死など存在しない」
ああ、また...。陛下の話になると、どうしてそんな声になるんだよ。
「十秒!」
急に声に熱が戻る。「発煙弾、準備!」
俺も窓際に移動する。ヘルメットがずれて、慌てて直す。弾倉が腰に食い込んで痛い。
「五秒!」
心臓がドクドクいってる。
「三、二、一...」
隊長が腕時計を見る。頷く。
「皇帝陛下万歳」
やっぱり棒読みだ。
「突撃だあああ!!」
でも、この叫びは本物だ。
発煙弾が投げられる。シュウウウウ!白い煙が噴き出す。俺たちの分だけじゃない。右からも左からも、煙が立ち上る。
「行くぞ!窓から飛べ!」
窓枠に手をかける。重い装備がガチャガチャ鳴る。
飛んだ。
着地の衝撃が膝にくる。すぐに走り出す。煙が肺に入ってきて、咳き込みそうになる。
機関銃の音が狂ったように響く。ダダダダダダダダ!
「うおおおお!」
誰かの叫び声。煙で何も見えない。ただ前に進むだけ。
石畳につまずく。よろける。短機関銃が振り子みたいに揺れて、バランスを崩しそうになる。
ヒュン!
耳元を何かが通り過ぎた。振り返ると、さっきまで俺の頭があった場所の壁に、新しい弾痕。あと数センチずれてたら...。
でも、変だ。怖くない。
走りながら引き金を引く。ダダダダ!弾倉が空になる。カチカチと虚しい音。
手が勝手に動く。空の弾倉を外し、新しいのを差し込む。カチャリ。
できた。震えてない。手が震えてない!
これは...そうか、陛下の加護だ。陛下が俺を守ってくださっている!
「皇帝陛下万歳!」
俺も叫ぶ。今度は心の底から。
「王国を粉砕しろ!」
仲間たちの声が聞こえる。
「伏せるな!走れ!走れ!」
隊長の必死の声。
足元に着弾。土が跳ね上がる。でも怖くない。陛下が一緒にいる。
「あと二十メートル!気合い入れろ!」
煙が少し晴れてきた。バリケードが見える。機関銃の炎が見える。
肺が焼ける。足が重い。短機関銃が左右に振れて、走りにくい。でも止まらない。止まれない。
月光が煙を貫いて、幻想的な光の筋を作る。その中を、俺たちは走る。
「突撃!突撃!突撃!」
隊長の声が枯れてる。でも、力強い。
あと十メートル。
五メートル。
そして—
機関銃が止まった。
バリケードの向こうで、王国兵が必死に機関銃の装填レバーを引いている。ガチャガチャと金属音。動かない。過熱で弾詰まりだ。若い顔だ。俺と同じくらいの。目が合う。恐怖に歪んだ顔。
俺は短機関銃を構える。照準が、震えることなく敵兵の胸に定まる。
「皇帝陛下万歳!」
引き金に指をかける。




