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テーマ詩集:果樹園

唐揚げに添えられたレモン

作者: 歌川 詩季

 とりあえず、かけちゃいます。

 まだ熱をもった 黄金の衣を着込んだあいつらが

 ならぶ平皿の そのすみっこで

 緑の茂みの そのとなりで

 まっぷたつの断面をさらけ出して ころがる

 かといって だれかの口に はこばれることもなく


 ひょいっと つまみあげられて

 ぎゅっと しぼりあげられて

 じゅわっと 油で揚げたての あいつらの黄金の衣に

 ほのかな 香りと酸味を(まと)わせる


 爪(あと)のうっすらついた

 黄色く厚い皮の内側に

 はりついているのは

 しぼりつくされた残骸 あぁ むごたらしい


 もどされた もとの平皿の そのすみっこで

 ひからびかけた 緑の茂みの そのとなりで

 くたぁっと 生気(せいき)水気(みずけ)もなくしたまま

 黄金の衣を着込んだあいつらが

 ひとりのこらず だれかの口に はこばれるのを待つ

 

 しぼりつくされた残骸 あぁ むごたらしい

 それでも

 見向きもされない パセリよりはましだろう


 ひからびきった 緑の茂みよ おぉ むごたらしい

 つけあわせも、ぜんぶ食べます。

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― 新着の感想 ―
[良い点] あー、唐揚げにしておけばよかった。 この詩、朝に拝見したのに。今日の夕飯のことです。 美味しいそうな詩なので! そうか!果樹園の詩集ですね。気づいて良かった。 果樹園には感想することにし…
[良い点] 食欲をそそられるあいつの黄金の衣の描写 [一言] お酒を飲みに行く機会というものも すっかり減ってしまったことから 長らく切ったレモンの果汁をかけて あいつらをいただくことをしていません …
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