夏ギフト
金魚すくい
きみの横顔 すくう手に
私もすくってほしいけど
きみの部屋の水槽で今夜は泳ぐの
海月になって傘広げ
かき氷
キンキンに冷えて震えるよ
溶かしてほしい熱いキスで
君の指が波のようにふでをとる
団扇と麦茶を横に置いたよ
月夜映りて
稲穂も揺れて
危うい狂気も優しく目覚めて
背中越し
耳をあて花火の音と君の鼓動を
重ねてみたくて
「風ペダル」
あなたに誘われサイクリング
あの岬まで
ひさしぶりだと
心から喜んだ
あなたの背中越しの爽やかなパノラマ
口いっぱいの風
何度も呑み込んでは
笑うことしか
出来なかったから
心から 何十キロと風を切った