とある幻想郷帰還者のメモリーVer.1.03
幻想郷にはクリスマスという概念が存在しないと思われがちであるが、少し考えて見て欲しい。
ルーミアは聖者の張りつけをイメージしているし、レミリアお嬢様も十字架をイメージしたスペルカードの不夜城レッドなどを有する。
つまり、幻想郷にも少なからず、かの有名な聖職者を意識がある訳なので、クリスマスという概念が存在しないと考えるのは我々の勝手な想像なのかも知れない。
ましてや、日本で風化しつつあるサンタクロースの存在が幻想入りをするとしても、なんらおかしくはないだろう。
そもそも、サンタクロースについて我々はどこまで知っているであろうか?
そう考えるとサンタクロースの幻想入りが実際にあっても不思議ではない。
ただ、クリスマスは現代でも西洋で伝統的風習とされている。
肝心なのは我々がイメージするサンタクロースが幻想入りしたのなら、どんな姿になるかである。
伝説上の存在として妖怪として認知されるのか、それとも豊郷耳神子のように神格化して幻想入りするのか・・・。
ありそうでないからこそ、我々はその存在が幻想入りする事に興味を抱き、その存在のある世界線をイメージする。
2021年12月24日の今宵もサンタクロースはプレゼントを配るために慌ただしく働いているだろう。
サンタなんていない。そう思っている現代だからこそ、幻想の中にサンタクロースが実体を持ったとしても不思議ではない。
彼──或いは彼女が幻想郷に生を受けた時を待ち遠しく感じながら、私も私なりに日本のクリスマスイブを過ごす。
今宵があなたにとって素敵な日となる事を祈りつつ、この話を終わる。