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第43話 あれから

 ファース島攻略から一ヶ月半。

 その間にFLOプレイヤーたちは第二の島を二週間、第三の島に至っては僅か八日でクリアし、現在第四の島である森の島『フォレス島』を絶賛攻略中だ。


 第一の島攻略と比較して第二、第三の島の攻略速度が上がったのは、ファース島が攻略されたことでプレイヤーたちの士気が高まったことも理由の一つではあるが、その一番の要因は有力ギルドの台頭であった。


 現在FLOにおける総ギルド数は五百を超えると言われているが、その中でも島の攻略への貢献度が特に高いトップギルドが二つ存在する。



 一つは『ドラゴンテイル』という所属人数が八十人を超える大規模ギルドだ。

 リーダーである長剣使いのクラムというプレイヤーが指揮をとるこのギルドは、所属メンバーを選別する入団テストを設けていたり、所属後も厳しいノルマが課されるために実力、忍耐力、そしてモチベーションの高いプレイヤーばかりで構成されている。


 そのため、FLOのクリアを目指す意志の強さは最も高いギルドと言って間違いない。

 第二、第三の島のボス攻略にも参加し、その勝利に大いに貢献しており、今後も活躍が期待できるギルドだろう。



 そしてもう一つは、『セイクリッド・シャイン』という名前の九人のプレイヤーで構成される小規模ギルドだ。

 人数こそ少ないものの、なんとギルドメンバー全員がユニークスキルを所有しており、プレイヤー個々の実力平均値は全ギルドの中で断トツの高さというまさに少数精鋭のギルドである。

 第三の島攻略時から結成された比較的新しいギルドだが、第三の島を八日でクリアできたのはこのギルドの存在が大きく、こちらも今後の島攻略の中核を担うギルドとなるだろう。



 また、このギルドにはリーナも所属している。

 そのレベルや地力の高さ、そして『ペネトレイト』という超強力なユニークスキルを所有していることもあり、攻撃の要の一人として大活躍中だ。


 また、リーナはフィーネが作った女子限定ギルドである『ゆるふわガールズ』というギルドにも所属している。

 ギルドメンバーとしてはリーダーのフィーネ、副リーダーのリーナ、その他マナとミナの四人がおり、現在規模拡大のため他の女性プレイヤーの勧誘を積極的に行っている。


 ちなみにゆるふわガールズというやたらと可愛らしいギルド名は、リーダーのフィーネが提案したものである。

 ギルドの雰囲気にピッタリな名前ではあるが、実はリーナはこの名前が相当恥ずかしく、名前決めの際になんとか決定を阻止しようと断固抗議した。

 だが、マナとミナもこの名前を大いに気に入ってしまい、その抗議も虚しく多数決で負けてこの名前に決定してしまったのであった。


 しかしながら、諦めの悪いリーナはこっそりと改名のチャンスを伺っており、ギルドメンバーが増えた際には再度多数決を行おうと目論んでいるのであった。



 次にライルについて語ろう。

 ライルも多くのプレイヤー同様ファース島突破後からギルドに加入している。

 そのギルドはニックが作った『ハーフムーン』という名前のギルドで、そこで副リーダーというなかなかのポジションで活躍している。


 そして、このハーフムーンは島の攻略よりも中堅プレイヤーの育成がメインのギルドである。

 島の攻略は上級者プレイヤーがそのほとんど進めているのが現状ではあるが、この先どんな危険な島が待ち構えているか分からない。

 トッププレイヤーたちが突如大量に脱落することもないとは言い切れないだろう。


 そのため、中間層のプレイヤーたちを強化し、上位層との差を埋めて少しでも多くの戦力を確保しておく事が必要だというニックの意見からこのギルドが創設されたのだった。

 基本的に和気あいあいとやっているギルドなので所属人数も多く、現在ギルドメンバーは百五十人を超えており、そこで副リーダーとなったライルは相当な人望と実力があると言えるだろう。



 そして、最後にファース島攻略の一番の貢献者であるソウタについて話そう。

 そのレベルの高さから第二の島以降も大活躍するかと思われたソウタだが、彼は現在とある事情から特にギルドにも所属しておらず、フォレス島の攻略にも全く参加していない。


 では、ソウタは一体何をしているのか。

 その答えは簡単で、何もしていないというのが正解である。


 なぜならソウタは現在第三の島にて、立派な引きこもりと化しているのだから。

久々の投稿になってしまいました。

以前のような毎日投稿は出来ないと思いますが、これからも頑張って執筆していこうと思いますのでよろしくお願いします。

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