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第24話 遺跡と石像

 翌日の一月十四日。

 ダウナーな気分となっていたソウタは、出かけることもなく朝からFLO掲示板を眺めていた。たくさんの自由な書き込みが見られる中、一つ顕著に話題になっている書き込みを発見した。

 それはココアのFLO通信というサイトについての書き込みだ。

 どうやらそのサイトはFLO掲示板の情報をメインに様々な情報をまとめてくれているようで、いわゆるまとめサイト的なもののようだ。

 少し興味を持ったソウタは、せっかくなのでそのサイトを訪れてみる。


「へえー、マジでいろいろ載ってるな。こりゃ凄い……」


 ココアという性別すらも不明の謎のプレイヤーによって運営されているそのサイトは、まさに圧巻の一言だった。

 サイトが出来たのはかなり最近らしいのだが、その情報量が尋常ではない。プレイヤーたちが集めた島の情報はもちろんのこと、ちょっとした口コミ情報や噂レベルの話まで幅広く取り上げられているのだ。


「なんて便利なサイトなんだ……。こりゃ話題になる訳だよ」


 早速ソウタは何か面白い話題はないかとサイトを巡回してみる。

 すぐに目に付いたのは、回復アイテムであるポーションの値段が高騰しているというニュースだ。

 FLOではNPCショップに供給されるアイテムの量が決まっており、プレイヤーがあまりに大量に買い占めるとそのアイテムは品薄になり、価格が高騰してしまうという。

 そのため、現在何者かによって大量に買い占められているポーションをプレイヤーがなかなか買えず、問題になっているということらしい。


 さらに読み進めると、どうやらその買い占めは高い値段でポーションを転売することが目的ではないかと言われていた。

 これが事実なら島の攻略に影響が出ているのは間違いない。一刻も早く犯人を特定し、やめさせて欲しいものだとソウタは思った。


 その後もいくらかサイト内を閲覧し続けていると、南東にある遺跡エリアのコーカス遺跡でレアアイテムがいろいろ手に入るという記事が目に入った。


「レアアイテムかー。どんな物かは分からないけど、売れば金にもなりそうだし行ってみるとするかな」


 ソウタはちゃっちゃと支度をすると、遺跡へと向かった。






「ここもダメかーい」


 空っぽの宝箱を前に、ソウタは溜め息混じりにそう漏らした。

 レアアイテム目当てにコーカス遺跡にやって来たはいいものの、他の多くのプレイヤーも同じ考えだったようで、すでにレアアイテムは回収済みだった。


「ハア……、だいぶ奥まで進んで来たけど、ここまで十五個中十五個が空っぽ。これはもうダメかもしれんね……」


 完全に諦めモードのソウタ。空っぽだったのが一個や二個くらいならまだ希望も持てるが、これ程までに回収済みが続くともはや期待など出来そうにない。

 トボトボと狭い歩幅でさらに先へと進み、とうとう遺跡の一番奥に辿り着いた。そこにも宝箱は置いてあったが、


「あー……、やっぱりダメだー。ここも空っぽだー。まあ仕方ない、今日はもう帰ろう。道中でそこそこ経験値やお金は稼げたしな。全くの無駄足って訳でもないさ。……ん?」


 潔く帰路につこうとしたソウタだが、奥の壁の一部分が周りの壁の色と微妙に違うことに気が付いた。


(もしかしてこれ……。ちょっと試してみるか)


 ソウタは色違いの壁の前に移動すると、拳を握り思い切り殴ってみた。

 すると壁が崩れ、隠し通路が出現した。


「よしっ、思った通りだ」


 ニヤリと笑うと、ソウタは隠し通路へと侵入する。

 するとすぐに色違いの壁が復活した。どうやら後に来たプレイヤーがすぐに通路を見つけられないように自動で修復される仕様のようだ。


「よーし、きっとこの奥に激レアのアイテムがあるに違いない。まだ見つかってないことを期待しつつ行ってみよう」


 ソウタは通路を奥へと進んで行った。




 五分ほど歩くといくらか広い部屋へと辿り着いた。どうやらここで行き止まりのようだ。

 部屋の奥に宝箱が置いてあったので近づいて確認すると、残念ながらこれもすでに空であった。

 だが、ソウタにとってもはやそんな事はどうでもよかった。


「な、何じゃこりゃ……」


 なぜなら、宝箱の真ん前に立っている奇妙な石像に目を奪われてしまったからだ。

 斧を背負った男が「シェー」のポーズをとっている謎の石像。一体誰が何のためにこんなものをここに置いたのだろうか。

 数学のミレニアム問題よりも難解ではないかというこの謎に挑むべくソウタは思考を巡らそうとしたのだが、ふとそこでその石像の頭上に青いアイコンが付いていることに気が付いた。


「…………え? もしかしてこれ……、プレイヤー?」


 その石像は石化したプレイヤーだった。

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