プロローグ
何年か前に設定だけいろいろ構想して放置していた小説を投稿していこうと思います。
どうぞよろしくお願いします。
「うおおおおお!!」
気迫に満ちた大声とともに放たれた上段斬りが、虚しく空を切った。
「くそっ! またかわされたっ!!」
攻撃を見事に避けられた剣士の少年は、その場で大きく地団太を踏む。
そんな少年を嘲笑うかのように、鳥系モンスター『ソニックバード』はクルクルと空中に円を描いている。
(くっそー、舐めやがってー)
少年はギリ……と奥歯を噛んだ。
戦闘開始からおそらくもう十分近く経過している。
その間少年は、空中を自由自在に飛び回るこのモンスターに、ただただ翻弄され続けていた。
街の周辺のスライムやラビットがあまりに弱過ぎたのですぐに狩るのに飽き、もっと強いモンスターを求めて少し奥のエリアへとやって来たのだが、まさかここまで苦戦を強いられるとは思わなかった。
(プレイ初日でまだ操作に慣れきってないのに、無茶しすぎたかな……)
少年が後悔の念を抱き始めていると、
「うぐっ……!!」
ソニックバードは突如急降下して、少年の腹部へと突進をぶちかました。
一瞬警戒を怠っていたためもろに攻撃をくらってしまい、少年はその場に尻餅をついた。
ソニックバードはそこへさらに攻撃を重ねようと空中を旋回し、再度突進を試みる。
「――――ッ!!」
絶対にくらう訳にはいかないと、少年は素早く起き上がる。
そして身体を上手く翻して攻撃を避け、それと同時に一心不乱に剣を横へと薙ぎ払う。
ロクに狙いも定めずに適当に横振りしただけの攻撃だったが、それがソニックバードの右翼を斬り裂いた。翼に攻撃を受けた衝撃で、ソニックバードはバランスを崩す。
(今だっ!!)
少年は即座にスキルを立ち上げ、強力な三連撃の攻撃をその隙だらけの身体に叩き込んだ。
運よく発生したクリティカルヒットも後押しし、ソニックバードのHPバーは全損。辛くも討伐に成功した。
「ふう……、何とか倒せたか。そろそろお昼だし、これくらいにしとくかな。一旦ログアウトしよう」
少年はメニューウィンドウを操作してログアウトボタンを押すと、現実世界へと帰還した。
お読みいただきありがとうございました。
これから投稿頑張りたいと思います。
よろしくお願いします。