ナダル様の奥さんの出産と私への誘い
ナダル様の奥様が出産され、お二人の結婚式も盛大に行われたそうです。
風の便りで聞こえてきました。
愛しの旦那様が私の肩を抱き、
「大丈夫かい?」と心配してくれます。
「旦那様、私は旦那様一筋ですからナダル様の事などもう気にもなりません。」
「いや、あんなに辛い思いをしたんだ。
少しくらいは彼への恨み辛みを、僕に愚痴ってみても良いんだよ。」
「そうですか?では‥‥旦那様、、付き合って結婚まで考えた女性と別れるとしたら、旦那様なら何と伝えますか?」
「彼女と会って、真摯に謝罪するよ。って言うか、そもそも僕はそんなひどい事はしないけどね。」
「じゃあ、紙切れ一枚で別れようと伝える男をどう思いますか?」
「婚約破棄されて良かったじゃないか!と女性には言ってあげたいね。男の方には、一発殴らせろ、と言いたいね。」
ああ、私の旦那様は素敵です。いつも私の欲しがる言葉を私に惜しみなくかけてくれます。
私は旦那様によって、ナダル様の呪縛から解放され、冷静さを取り戻しました。本当に感謝してもしきれません。
「えっと、、じゃあ、私のお金で買った商品を時々くすねて、それを他の彼女にあげてる男をどう思いますか?」
私は旦那様が今度は何を言ってくれるのかが楽しみで、ワクワクしながら旦那様に質問を次から次へと投げかけていました。
「!なんてせこい男だ!!馬鹿じゃないかっ!僕が成敗してやる!」
珍しく声を荒げる旦那様に驚きつつも、私の旦那様はなんて頼もしいのだろうと思ってしまいました。
そして、調子に乗ってしまった私はまた旦那様に質問を投げかけます。
「じゃあ‥‥お互いに結婚をした後なのに、街ですれ違いざまに、自分を振った相手が自分に何事もなかったかのように普通に話しかけてきて、お茶に誘ってきたら?」
「‥‥。」
「旦那様?」
「ナダルの奴め!サリーに謝罪するどころか、図々しくも誘ってきたというのか!サリーを馬鹿にするにも程がある!許せん!」
「旦那様?私はもう良いのですよ。」
「サリーが良くても、僕が良くない!」
「旦那様。私のために怒ってくれてありがとう。それだけでもう私は救われるのですよ。」
「サリー、‥‥僕に考えがある。君はナダル君と一度会ってみる勇気はあるかい?ほんの少しだけ反撃をしないか?
僕はなんだかナダルの奴が急にとても憎らしくなったよ。ナダルにやられたままではとても気分が悪い!」
こうして、私は近々ナダル様の誘いにのり、ナダル様と街でお茶をする事になりました。
次回ナダル様sideのお話を一話か二話考えています。