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8話


バンっ!

ソフィアさんが机を叩く。


「そ、そんなことよりですね陸さま!これから王都ソラシルドへ向かいましょう!」


「は、はいっ?!」


いきなり机を叩くもんだから思わず声がうわずる。恥ずかしい……頭の中では《ぷぷっ》とか笑い声を抑えた音がしやがるし……


「王都へいって王女と歓談していただきたいのです」


「王女?……えっと、魔王倒してこいーとかそういうのですかね?」


あれだ、勇者よ!お主の宿命は……とか宣言されるやつだ。やっぱりああいうのは通過儀礼なんだなぁ


「おそらくは。ですので陸さまの準備が整い次第このユーリをでて王都へと馬車で向かいたいと思います。」


「準備って?」


「そ、その……服装もローブのままですし、見たところ武器も防具もつけていないご様子ですので、その準備をと思いまして。」


あ、そうだよ。俺今パンツの上にローブとかいう変質者スタイルなんだ。服とか買わなきゃだよなぁ……ってあれ?


「あ、あのー……言いづらいんですが、俺お金持ってなくてですね……」


「心配には及びません!もちろん私がご用意いたしますよ!」


「え、いいんですか?助けてもらって、しかもお金までだなんて……」


「大丈夫です!むしろ、偶然とはいえ陸さまのお体を見てしまったんです。それくらいの贖罪はお許しください!」


「は、はぁ?」


裸見られただけでこんな良くしてもらえるなんて異世界っていいなぁ……。あ、やばいヒモになりそうな予感がする。自制するようにしないと。

そう思っていると、部屋の外でゴソゴソっと音がする。ソフィアさんは瞬時に反応して俺を扉から庇うよう後ろにおく形で立ち剣を構える。


「何者だっ!姿を表せ!」


ソフィアさんが叫ぶとゆっくりと扉が開かれる。


「ひ、ひぃ……す、すいませぇんっ!」

「す、すまないっ!悪気はなかったんだ!」


立っていたのは宿の受付にいた女の子と、門番の女性だった。


「ゆ、勇者様のお姿を目に焼きつけようと……」

「わ、私も同じだ」


どうやら勇者というのが珍しくて覗きに来たらしい。俺でよければ言ってくれればいくらでも見せるのに。あ、変質者的な意味じゃなくね?


「無礼者!勇者様に申し訳ないと思わないのか貴様らっ!」


ソフィアさん激怒。え?そんなに?


「これは許させることではない!勇者様への不敬としてここで叩き切ってやる!」


「えっ?!ちょっ!ソフィアさん待って!」


物騒な事を言い出したので止めに入る。

覗いたくらいで殺すのはやり過ぎだって!不敬なんて思ってないし!


「陸さま止めないでください!」


言葉では止まらないソフィアさん。どうしよう、やばいぞこれ


《お困りですね!魔法使ってみましょうか!》

(え?!俺もう魔法使えるの?!)

《はい!初級の補助魔法なら!アタラクティと唱えてください!》

(あ、そのままなんだね……えっと)


「あ、アタラクティ!」


ソフィアさん向かってそう唱えるとぽわっとした光がソフィアさんを包む。すると、今にも切りかかろうとしていたソフィアさんが剣を引いた。


「……い、今のは魔法ですか?陸さま?」


「あ、はい……落ち着きました?」


「はい……まるで慰めたあとのような……ゴホン、さすが陸さま。すでに魔法を習得されていたのですね。申し訳ありません、頭に血が登ってしまいました」


「い、いえ、落ち着いてくれたのならよかったです、はい……」


魔法の聞きっぷりに驚く俺。

そんな俺とソフィアさんを切り捨てられそうだった2人は肩を抱き合いながら見つめていた。



短くても毎日更新して量増やしてく

ある程度溜まったら編集でまとめるぞい

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