3話
サポートしかできないってなんなの……それ勇者じゃなくて賢者じゃん……。
「えっと……あ!すんごい能力もありますよ!」
「……なんですか?」
「デッドマン!不死身ですね!まさにチートじゃないですか!やりましたね陸さん!」
「不死身って……無敵ではないんですよね?」
「あ、そうみたいですね。ダメージは普通にあるし身体の欠損などもあるみたいです。じんわりじんわり回復するって書いてあります。」
何見ていってんのこの女神さん?
てかそのデッドマン?不死身の能力って死ねないデメリットのが強くなりそうな……
「あとまぁこれは向こうの人ならだれでも持ってるんですがステータスの脳内表示ですね。これはまぁ説明しなくてもわかると思いますが。」
「あ、はい。ゲームとかで見るあれっすよね」
「そうですあれですね。」
今更だがこの女神、なんか軽い。
「とりあえず能力はこれだけですね!あと勇者の資格が与えられている筈です!これで向こうに行ってもあちらの人にはひと目で『あ、勇者だ』ってわかってもらえますよ!」
「は、はぁ……?」
「さて次はアイテムですね!えっと、インベントリ機能付きのアイテムボックスです!まぁこれがないと色々不便ですから」
「あ、それは普通に助かりますね。」
「お、ようやく喜んでもらえましたね!えーと、あとは……下着……ですかね。」
「……ん?」
「さて説明はこれで終わりです!早速転生始めちゃいますよぉー!!」
「えっ!ちょっと待って下着ってなに?!」
「さぁさぁほらほら!新しい命を有意義に過ごして来てくださいね!是非とも異世界の救済を期待します!」
「ほんと待って!下着渡されるってことはそれ以外ないってこと?!つまり裸同然で送られるの?!ねぇ?!」
「それではいってらっしゃーい!!!」
「ああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!」
目の前が真っ白になると同時に身体が何処かへ飛ばされていく感覚。
ちくしょう絶対これ着いたら半裸のパターンだよ……あの女神絶対わかってて飛ばしたよ……。
ドンっという衝撃と共に真っ白だった視界は晴れていく。
植物の匂いに土の感触。身体にはほんのり冷えた風が通る。
「いてて……転生ってもっとこう柔らかな感じだと思ってたのに……ん?ここは……森?」
視界が完全に戻り周りを見渡す。ジャングルとまでは言わないが木々が立ち並び日差しが木漏れ日となって降り注いでいる。立ち並んでいる木々はどれも見たことのないような種類で葉の形も様々。星型だったり、まん丸だったりどれも普通じゃ考えられない形。
「おぉ!これが異世界!ほんとに転生できたんだ!!」
感動。アニメやゲームでしかないと思っていたファンタジーが今目の前に広がっている!生きててよかったぁ……いや、死んでよかったかな?
「んーと、とりあえずステータスはっと……」
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名前─岡部陸
年齢─19歳
職業─勇者
Lv─001
スキル┬姫プレイ
├デッドマン
└女神の加護
体力─100
精神力─∞
攻撃力─0
魔力─0
防御力─5
素早さ─10
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「えっ」
攻撃力と魔力0って。ダメじゃんほんとに攻撃できないのか?ソロじゃなんにもできないってこと?え?しかも精神力∞ってなに?俺どんだけメンタル強いの?
体力と防御力、素早さは比較対象いないからわからないけど低そうな感じするな。初期値って雰囲気するぞ。
「あれ?女神の加護?なんだこれ?」
「(お答えしましょう!)」
「うわっ!な、なんだ?!」
頭に大音量で女性の声が響く。確かこの声女神の声だ。
「(そうです私です女神ですよ女神!その名の通り私の加護が付くんです!ヘルプ機能みたいなものですね!)」
「あーなるほど。ってこれ俺にしか聞こえない?」
「(はい、脳に直接囁いてます!)」
「くっ!こいつ直接脳内にっ!」
「(あ、それ私しってますよ!テンプレってやつですね)」
……1度実際に言ってみたかったんだ。ふざけたわけじゃないよ?
「あーじゃあえーっと、とりあえず俺のステータスってほぼ初期値?なの?」
「(はい!能力で上昇下降してるもの以外は初期値です!Lv.1ですよ!)」
「やっぱりそうか……」
まぁそんな都合よくはないよね。チートばっかなわけないし……
「(ところで、大丈夫ですか?近づいてきてますよ?)」
「え?なにが?」
「(ほら、目の前に)」
女神の声に教えられ前を見ると、そこには狼のような生物がグルルと喉を鳴らして俺を見つめていた。
ステータスとか今後変えるかもしれない……
そして異世界物初めて書くから何かあったら教えてください何が足りなくて何をやったほうがいいのかさっぱり