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11話

青色の半透明な色をしたブヨブヨの動く塊、スライム。おおよそ20体ほどのスライムを振り下ろされる剣が次々と真っ二つにしていく。


「ハァアッ!」


ブンッという風の切れる音と共に、口のないはずのスライムから断末魔のような音が聞こえてくる。ユーリ村を出てからまだ半日ほどしか経っていないのだが、スライムに出くわすのはこれで4回目だった。


「ソフィアさん頑張れー!」


次々とスライムを倒していくソフィアさん。そんなソフィアさんの後ろで声援しか送れていない男……俺だった。

正確にはプロテクションやグロースなどの防御や攻撃力を上げる魔法もあるのだが、ソフィアさんに「陸さまにお手を煩わせずともこのような雑魚、私の敵ではありません!」と遠慮されてしまった。

もちろんやばくなりそうならすぐさま魔法をかける準備はできているのだがソフィアさんは本当に雑魚というように切り倒していっていた。


「っふぅ。」


最後の一体を倒してソフィアさんは肩から力を抜いた。森で助けてもらった時もそうだがソフィアさんは結構な手練のようだった。


「ソフィアさん、お疲れ様。大丈夫だった?」


「はい、陸さま。陸さまの声援を聞いていつも以上に戦えました!」


汗をキラキラとさせながらそう言うソフィアさんに思わずときめいてしまう。

(おおぅ……これは中々な破壊力。)


「さあ、先を急ぎましょう陸さま。今日中にウィル村へたどり着けないと野宿になってしまいますから」


馬車に乗り込みまた馬を走らせ始める。

王都ソラシルドへはユーリ村からは距離があり途中ウィルという村を中継する。今はその村へ向けて道を急いでいた。


「それにしても、モンスター多いね。どこもこんな感じなの?」


「いえ、この付近は王都から離れていますから周辺地域の狩りが不完全なんです。王都に近づくにつれモンスターも少なくなっていきますよ。」


そうなんだと相槌をうつ。そういえば、ソフィアさんへの言葉遣いが変わった。馬車を走らせて直ぐにソフィアさんに敬語はやめてくださいと言われたのだ。もちろん抵抗したが、騎士として主にそのような言葉遣いをさせられないとのことだった。いつのまに主になったんだろ俺は。


「むっ……陸さま、少々お待ちください。」


馬車を走らせてまたすぐソフィアさんが止めた。またモンスターだろうか?そう思いながら馬車から降りる。


「またモンスター?」


「はい、しかし様子が……」


そう言ってソフィアさんが指をさした方を見るとたしかにスライムが先程と同じくらいの数でいた。距離がまだ離れているためこちらには気がついていない様子だった。

そしてそのスライム達は何やら円形に集まっていた。


「あれは……誰かが戦っているのかも知れません。」


「え?!大丈夫なんですか?」


「すこし苦戦しているようです……陸さまは馬車でお待ちください。私が直ぐに片付けてきます」


「ええ?!俺も行くよ!魔法必要になるかもしれないし!」


「……わかりました。しかし、スライムからは距離を置いておいてくださいね?陸さまの安全が第一ですので」


「了解!じゃあいこう!」


スライム達の方へ近づいていくと、群れの真ん中に人影が見えてきた。スライムに囲まれながらも拳を振るっている。


「クソっ!こいつら群れやがって!さっさとやられろぉ!」


囲まれている人……女性が1人スライムへ拳を振るっているのだがスライムはにはあまり効いていないようだった。ブヨブヨとした体で殴られた衝撃を逃がして緩和しているみたいでかなり苦戦している。


「ぐわぁあっ!」


殴られたスライムが反撃と言わんばかりに己の一部を女性へと投げつけた。すると、それが当たった部分がジュウと音と共に白い煙だす。おそらく溶解液だろうそれをくらって女性は堪らず声をあげていた。


「大丈夫かっ!助太刀するぞ!」


俺よりも早く先を行っていたソフィアさんがその女性の前に立ちスライムへ剣を振るう。すぐさまスライムは断末魔をあげ消えていく。


「その腕……戦うのは無理かっ!離れていろっ!」


スライムの攻撃を食らった女性の腕を見てソフィアさんがそう叫ぶ。女性は「うぅ……」と苦しそうな声を出しながらソフィアさんが開けたスライム達の隙間を抜けていく。


「さぁ!今度の相手は私だ!かかってこい!」


そう叫びソフィアさんは先程のスライム達と同じように倒していく。


「だ、大丈夫ですかっ?!」


ようやく追いついた俺は女性へと近づいて声をかける。女性からの反応はなく腕を抑えながら呻いていた。

白い煙に乗って肉の焼けた嫌な臭いが鼻につく。


「うっ……す、すぐ治します!えっと、ヒーリング!」


手をかざしそう言葉にする俺。初めて使うが使い方自体は女神に聞いていた為問題なく回復魔法が発動する。

すると、淡い光に腕が包まれると同時に焼け(ただ)れた箇所が元に戻っていく。女性は痛みが引いたことに驚いたのか、それとも光に包まれたのに驚いたのかわからないが自らの腕を見て目をパチクリとさせていた。


ものの数秒で腕は完全に治り光も消える。初めての回復魔法は無事に効いたようで安心した。

一方女性は治った腕を曲げたり動かしたりして異常がないことを確認し終わったのか、俺の方を見て叫んだ。


「め、女神さまかっ?!」


いや、どっからみても男だよ。


進みが遅い

ファンタジー難しい

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