表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
女神の寵愛を受けし少年  作者: ユウ
第一章 帰ってきた少年
7/30

05 1日目の終わり➀

―場所は戻ってギルド受付前―

 受付に戻ってきたクレアはリンのギルドカードを受付カード認証装置に入れて確認をしていた。 その様子を、静かに見つめるリン。



 ピ―、と音がなり装置から出てきたカードをリンへ返却し、カードから抽出して表示されたリンの簡易データにクレアは目を通す。



「え~と、6級冒険者に。・・・・・・レベルが10。それに総合戦闘力がDランクっと。」


―やっぱり、下級とはいえ、冒険者をあしらっただけあって戦闘力が高いわね。

 でもこのレベルに対してこの戦闘力の高さは?



 さきほどのギルド内の騒動を思い出しながらリンの強さを予想していたが、レベルと戦闘力のランクが歪であった。



一般人と冒険者の強さをレベルと戦闘ランクに表すと


一般人: レベル1~2 戦闘ランクF

下級冒険者(6,5級)レベル3~20 戦闘ランクF~E

中級冒険者(4,3級)レベル21〜40 戦闘ランクD~B

上級冒険者(2,1級)レベル41〜60 戦闘ランクA~S



となる。


 それに対してリンは幼いのにもかかわらず、すでにレベル10。さらに戦闘ランクに至っては、すでに中級に入っていた。冒険者ランクが6級なのは実績が無いのとレベルの数値による判定だが、戦闘力があまりに突出しすぎていた。



 レベルは魔物を倒す事で経験値を吸収してあがる。そして戦闘力はレベルの補正を受けるが鍛錬によるのが基礎として培われる為、リンのランクの高さは鍛錬による高さという事になる。



 しかし、まだ10才と幼いにも関わらずこれほどの戦闘力をもつ為にはどれほど過酷な鍛錬をおこなったのだろうか?



 クレアはリンの簡易データを見て少し険しい顔をして考え込む。


「・・・・・・。」


「あっ! ごめんね。待たせちゃって。」



 リンが黙ってずっと見つめ続けている事に気づき慌てて声を掛ける。

先ほどの様子を突っ込まれないように、冒険者の仕事について話し出す。



 「それじゃあ、正式に冒険者になったのでこれからリン君は仕事をこなしていくわけだけど、主な仕事は・・・・・・。」



 長くなるので要約すると、冒険者には戦闘を主とする討伐・賞金首狩り、街から街への交易商人の護衛、 住民達の一般人に解決できない支援の3つが主な仕事となる。



 そして冒険者の級位については、同じ仕事の難易度を30回以上で連続して達成し、なおかつ戦闘ランクが次の級位に達成している事が条件とされる。

 連続達成と戦闘ランクが次に入っている事でその次の級位の冒険者の位アップに相応しいと証明されてギルドが認定するのである。

 連続達成という事はミスなしによる完璧な実力を身につけるという事であり、級位アップは基本は簡単には達成できない。



 討伐、賞金首狩りは手軽に自己責任のみで受ける事ができるため、ほとんどの冒険者はこちらの仕事をする人が多い。

 ただし、1級冒険者の段階になる戦闘力がいった場合のみ、強制依頼が入り討伐、護衛、住民の支援の3つの仕事をこなせる事が義務となる。



 なぜなら1級冒険者となると戦略級の戦闘能力を有する為、世界を戦乱に人々を導かない相応しい人格と品位を求められるからである。

 人格と品位が伴っていない場合、強制的に加護の力が作用して2級冒険者の戦闘力に力を抑制される。 1級冒険者の条件を再度満たせば抑制は解除される。


ただ、1級冒険者級は50年に2人現れるかどうかの確率なので滅多にある事ではないらしい。



以上がクレアが説明した冒険者ギルドの説明であった。

 そして、リンは強くなる事だけが目的であり、ギルドは強くなる事と同時に討伐ででた報酬で生活費を得る効率だけの為に入っただけなので当然、討伐と賞金首狩りにしか興味は無かった。



 「討伐依頼を受けたい。」


 「・・・・・・そうっ。 うん。強制はできないけど、無理だけはしないでね。」



 当然のようにいったリンに憂いを満ちた表情で見つめるクレア。

強いのは実際に見てしっているが幼い子供が血なまぐさい危険な事をするのは、どうしても心配になってしまう。

 ふと、外を見てみると正午をとっくに過ぎて、日が傾いてきたことで少し黄色みを光をおびた風景へと変わってきていた。


 

 「ねえリン君。 もう正午をとっくに過ぎているから今日は休んで明日からにしない? もう宿は決まっている?」



 「・・・・・・うん。まだ宿の方はまだきまっていない。」


 「それじゃあ、ギルドの傍に知り合いのやっている宿があるからそこにしましょう。私が案内してあげる。」



 とクレアはテキパキと仕事の片付けをはじめる、ほかのギルドの職員に早退する旨を伝え、ギルド長に専属になったので面倒見てきますとどんどん引き継ぎを終わらしていく。 その素晴らしい片付けかたに職員は呆気に取られていた。



 片付けが終わり受付の中から手提げの鞄を肩にかけて、リンの傍に駆け寄り、「それじゃあ、行こう。」 と声を掛けてリンと手を繋いでギルドを出て行った。

 


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ