第一話『キノコ狩りだぴょこ』
緑豊かな広い森。ここはみんなが住む森。今日も何か起こるかな。
『ああ~おなか減ったぴょん』
ウサぴょこがグゥグゥと寝床の洞穴で腹を空かしている。もう空腹死寸前。
『ウサぴょこ~!』
空腹死寸前のウサぴょこの寝床に、元気いっぱいの声が聞こえてくる。
『あらやだ、また寝てるの?まるで放浪者ね』
声の主は、お友達のおにゃんこと恋焦がれるミンミンちゃんだった。
『おにゃんこにミンミンちゃん、籠なんか持ってどうしたの?』
籠の中に食べ物でも入っていないか、期待を膨らませウサぴょこは二人に質問した。
『私達、これからキノコ狩りに行くのよ、ウサぴょこも来ない?』
空っぽの籠にガッカリ、ウサぴょこは再び空腹死寸前。
『おいらおなか減って動く気力がないんだよ~悪いけど二人で行ってぴょん』
無駄な体力を消耗したくない、これ当然。
『付き合い悪いにゃ~まるでゆとり世代にゃ』
『せっかく誘ってあげたのに…んもう!プンプン!』
おにゃんことミンミンちゃんはキノコの森へキノコ狩り、沢山キノコ見つかるかな?
『うわぁ~いっぱい生えてるにゃ!今日はご馳走にゃ!』
キノコの森で次々とキノコを籠に入れるおにゃんこ。どれだけとってもタダだから食べられる量以上にとる欲張り猫。
『でも待って!キノコは食べられるキノコと食べられないキノコがあるのよ』
『え?そうなのにゃ?どれが食べられるキノコにゃ?』
世の中には良いモノと悪いモノがある、これ当然。
『う~ん、私には分からないわ…。とりあえず色々とっていきましょうよ』
いくら知性溢れるミンミンちゃんでも、キノコの知識までは入っていなかった。意外と役に立たない妖精である。
『いっぱいとれたにゃ~』
『そうね、でも…どうやって食べられるキノコを判別すればいいのかしら』
みんなの森へ帰った二人は、キノコの取り扱いに困っていた。
『う~ん…にゃ!ひらめいたにゃ!』
普段、頭の回転が悪いおにゃんこ。悪知恵だけは働く。
『ええ~!僕に食べさせてくれるぴょこ?』
おにゃんことミンミンちゃんは、再びウサぴょこの寝床に立ち寄った。キノコをおすそ分けしてあげるという餌をいやらしくチラチラ見せつける。
『いつもお世話になってるにゃん、ささやかな贈り物だにゃん』
『あ…ありがとぉ~!!嬉しいよぉ!!』
ウサぴょこは感激しているが、二人の優しさはニセモノである。
『はい、じゃあこの茶色のキノコを召し上がれ』
ニコニコ顔でミンミンちゃんがキノコをウサぴょこに差し出す。
『モグモグ…ん?ちょっと湿ってて美味しくないぴょこ』
『美味しくないらしいニャ』
『じゃあコレは△ね…』
おにゃんこがウサぴょこの反応をミンミンちゃんに告げ口。その評価をレビューするミンミンちゃん、これ当然。
『はい、次は白色のキノコを召し上がれ』
ニコニコニコ顔でミンミンちゃんがキノコをウサぴょこに差し出す。
『モグモグ…んん!少し硬いけどおいし~い!』
『硬いけど美味しいらしいニャ』
『茹でたら○ね…』
おにゃんことミンミンちゃんの連結プレイは超絶を極めていた。
『はい、この黄色いキノコを召し上がれ』
ニコニコニコニコ顔でミンミンちゃんがキノコをウサぴょこに差し出す。
『モグモグ…ぎゃぎゃー!辛い!』
『辛いらしいニャ』
『辛いのはマズイわね…×』
ミンミンちゃんは毒キノコリストにこの黄色いキノコを加えた、これ当然。
『はい、この紫色のキノコを召し上がれ』
ニコニコニコニコ………。
『モグモグ……うっ!』
『あれ?ウサぴょこ、どうしたにゃん?』
『大変よ!ウサぴょこの呼吸が止まってるわ!』
哀れウサぴょこ、紫色のキノコを口にした瞬間、無言のまま気を失う。
『にゃんだって~!すぐ救急車を呼ぶにゃ!』
『一体どうしてこんなことになったのかしら…』
おにゃんこが救急車を呼ぶ間、ミンミンちゃんは懸命にウサぴょこの看病をした。心優しい森の妖精である。
『手遅れですワン』
森のお医者さんであるドクターワンが到着した頃には、ウサぴょこの心臓は完全に止まっていた。
『そんにゃ~』
『みんな私のせいだわ…』
故意で殺した訳ではないが責任を感じる二人。
『この紫色のキノコはセイサンカリカリ茸と言って、一瞬で死を招く毒キノコだよ』
ドクターワンにキノコの判別をお願いすれば良かったと後悔する二人。
『キノコって怖いんだにゃ』
『そうね、これからは気をつけましょう』
ボキャブラリーを友人の死によって蓄積していく二人、人生は経験、失敗から勉強すればいい。キノコ狩りをする時は、ちゃんと図鑑をみましょう。




