少女は叶わぬ夢を描く
どーも『螺旋 螺子』です☆
思わず涙を零しそうになる、綺麗で儚い恋物語です。
主人公の正体、見破って下さいね。
ヒントとして、今回の舞台をお教えします。
広大な宇宙です(宇宙人じゃ無いよ(笑))。
おはよう・・・
目が覚めた。
隣に彼がいて、優しい声をかけてくれる。
何処か、体の調子が悪いので起き上がりづらい・・・。
おはよう
私は、彼に挨拶する。
もう起きなきゃいけないの?
もっと彼と一緒にいたいのに・・・。
次はいつ会えるの?
さぁ、宇宙ステーションの何処かだよ
彼は優しく微笑み、扉に向かう。
待って!
伝えたが、彼は扉を開け、宇宙ステーションの何処かへ行ってしまう。
彼は、今何を思ってるのだろう・・・。
出来るなら、彼の回路に探査機でも送って、彼の心が知りたいな・・・。
出来ぬ事を考えながら、宇宙ステーションに住む私達に課せられた命令を実行する。
それは、宇宙の探索だ。
人間は、地球を汚し過ぎた。
だから、変わりになる星が無いか私達に捜索させているのだ。
私達の身にもなれっつうのー!
そんな事をぼやきながら、宇宙へ飛び出す。
周りには、何千とゆう仲間があちこちを飛び回っている。
私も探さないと・・・
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おはよう・・・
また昨日も彼に会えなかった。
あれから、体が悪化した。
体が思う様に動けない・・・。
仕事しないと、人類の未来がかかってるんだから
気持ちを振るい立たせる。
なんとか、体が動く。
あぁ、残り時間は少ないな・・・
私が終わるまでに、もう一度彼に会えるだろうか・・・
今日は仕事を休もう
彼を探そう
そう心に決めて、扉へ向かう。
『I need you』心で何度も呟きながら、広い宇宙ステーションを探す。
あ! いた!
君を見付けた。
初めて会った時と同じ鼓動がした。
彼は、こちらに気付かず、行ってしまう。
待ちなさい!って!
手を伸ばした先に、彼の手の温度があった。
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おはよう
おはよう
私の問いに彼は笑顔で答える。
今日は、イイモノを持ってきたよ
イイモノ?
そう、ほら
彼は、ポケットから小さな箱を取り出す。
これって・・・
婚約指輪だよ
本当!?嬉しい
はしゃぎたいのはやまやま何だけど、体に力が入らない。
ありがとう、大好き♪
僕もだよ
そういって抱き合う。
嗚呼、後何回抱き合えるだろうか・・・。
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右手の小指にある、指輪。
彼と私を繋ぐただ一つのアイテム。
もうすぐ私は、壊れてしまう。
もう一度、彼に逢いたい。
逢いたいよ・・・
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あぁ、お迎えの電車が来た。
体があんまり動かない。
それでも、全力を振り絞り列車に乗り込む。
電車が走る道の先には、きっと彼が待っているだろう。
列車の乗車しているほとんどが、眠っている。
彼に逢いたい・・・
―――――――――――――――――――――――――――――――――
彼が乗って来たが、伝え合える状態、じゃなかった。
大丈夫?
バッテリーが、切れかかっている、のだろうか・・・。
・・・
彼は、自分の人差し指を、使って文字を書く。
『I love you』
私もだよ・・・
彼に聞こ、えただろうか・・・。
彼は、にっこり頬笑んだ。
私は、彼を窓際まで運ぶ。
星が綺麗だよ・・・
・・・
彼は何も答えない。
今度目を覚ましたら、私、貴方のお嫁さんよ
・・・
記憶を、デリートされても、この体が、壊れても・・・、この指輪が私達の愛し合った印。
ちゃんと、私を見つけ出してね?
壊れてしまった、彼に言葉をかける。
今度生まれ変わるなら、人間がいいね・・・。
ちゃんと、告白して、恋愛して、こん約して、けっこんして。
いま、までありが、とう。
わた、しも、おわりが、近、いのかな。
きみの、かおが、みえ、ない、よ。
バイ、バ、イ・・・
だいす・・・・・・
『深刻なエラーが発生しました。深刻なエラーが発生しました。深刻なエラーが発生しました。深刻なエラーが発生しました。深刻なエラーが・・・・・・・・・。』
少女の正体に限らず、『仲間』は全てはロボットです。
まぁ、今回の場合は『アンドロイド』と呼びましょうか。
会話文に括弧が無かったのは、ロボットは電波で意志疎通をする設定なのです(わかりずらいね・・・。『。』が文の最後についていないのが通信してる時です)。
アンドロイドってコトを理解してから、もう一度読み直すとまた違う読み方が出来るかも知れません。
解説以外は長く語らないようにしましょうか(笑)
最後に問い掛けを一つ。
『少女は幸せだったのかな・・・』