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メイドと騎士シリーズ

弁当に乗せた想い?

作者: ゆとり

お遊びで書いたものです。短いです。

現在の時刻は午後2時。



様々な雑用をこなす王宮の下っ端メイドである私にも、ようやく休憩時間がやって来ました。



今日のお昼ご飯は、なんと!

『王室御用達!特製どすこいカルビ弁当』です!


王城で働いているコックの方達が、数量限定、王城で勤める人限定で、余り物の材料でこうして弁当を作ってくださるのです。

勿論、余り物だと見くびるなかれ!使われている材料は王族の方々と同じ、最高級の食材なのです!


格安で美味しいので、発売してすぐに売り切れるような人気商品です。普段ならこの時間に買える訳が無く、今日も日替りA定食を頂こうと食堂へ来たのですが…奇跡が起きたのです!一つだけお弁当が残っていました!


お金を払おうとしたのですが、ごつくて優しいコックのおじさんが、「あ〜、金ならもうあいつが…あぁ、いや、今日は払わなくても大丈夫だ」と。



なんと!心が海のように広いです!

ありがとう、ごつくて優しいコックのおじさん!

無いのはネーミングセンスだけですね!



…こうして『王室御用達!特製どすこいカルビ弁当』をゲットした私は、コックのおじさん達から生暖かい視線を送られていることに気付かず、ハイテンションで食堂を出て中庭へと向かいました。




―――――

中庭に着きました。途中、最近よく目撃することの多い騎士様とすれ違いました。


何となく視線を感じましたが…駄目です!

そんな目をしても、この弁当はあげませんよ!



この庭は、城の関係者なら誰にでも公開されているので気軽に入ることが出来ます。花壇や道が綺麗に整備されておりとても居心地が良く、城下街を一望出来る絶景スポットです!


この景色を見ながら食べるごはんは、何処よりも美味しく感じるんですよね〜。あ、勿論食堂でも十分美味しいんですけどね?



まあ、だから仕方が無いんですけど、結構人がいます…何処か座れそうな所は…


辺りをきょろきょろと見渡しながら中庭を探索し、漸く空いているベンチに落ち着くことが出来ました。



早速、弁当を頂きましょうか…あれ?


ああっ!何ということでしょう!

食べる為のものが、無い!


私としたことが、お箸を忘れてしまいました…



頭を抱えてショックを受けていると、突然後ろから声を掛けられました。


「隣に座ってもよろしいですか?」

「ああ、どうぞ…」


頭を上げて隣を伺うと…うおっ、騎士様!

絶賛落ち込み中なので、かなり適当な返事をしてしまいました!しかも相席って!駄目でしょう!



慌てて立ち上がろうとしたら、腕を引っ張られて座らされました。


「えっ!あっ、あの!すみません!どうぞ、この場所はお使い下さい!」

「貴女が先に座っていたのだから、遠慮しなくても良い。弁当を食べに来たのでは?」

「あ、はい!そうなんですけど…箸を貰い忘れてしまって…」

「実は、丁度私は箸を持っている。これを」



ここで私はピンときました!

騎士様…私の弁当狙いか!


補足1 「王室御用達!特製どすこいカルビ弁当」は、騎士さんが一番のりで購入し、例のコックさんに「あの子に渡してほしい」とお願いしたものです。

補足2 廊下ですれ違った時、箸がないことに気付いた騎士様は、食堂まで取りに行きました。

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