野盗
あー!、やっと村に帰ってきた。輝く朝日が目にしみるなー、
俺は眩しげに額に手をやり、やりきったって顔してみる(キリッ)
今から寝たいとこだけど、我慢して夜まで街に出るための準備をしよう、、、っ!?
ドキン
俺の心臓が大きく鼓動する、視界に入った瞬間から目が離せなくなった。
美しい金色の髪はツインテールで纏められ可愛らしさを演出している
整った顔、、などと言う表現では生ぬるい『超整った顔』はのっぺらぼうでも問題ないな
クリッとした目にスッキリした鼻、少しぷっくりした唇、この世にこんな美少女がいたのか
白のワンピースが驚く程似合ってる、着こなすの意味を俺は今日初めて知ったね!
ボーッとして見入っていたが、なにやら絡まれてる様子があるな、女の子以外目に入らなかったぜ
音を立てず近づき様子を伺う、絡んでる男はオークみたいな面してるなってポークじゃねえか!
色欲に歪んだ醜い視線丸出しでべらべら喋ってるな、気持ち悪い
「あいつとはちゃんと距離を置いてるみたいだね、偉い偉い」 あいつ?
「母をそんな事に利用しないでください!」 話が見えないな
「俺たちは結婚するんだしそのぐらいしてもいいだろ?」 え、、、結婚?
「親が勝手に決めた事です、私は納得してません!」 ですよねー♪
「両親が君を養うのに どれだけ苦労してると思う?言うつもり無かったんだが
ココだけの話、君の学費の為に俺の所から借金をしてるんだよ?」 これ脅迫じゃね?
「それは!、、そうなんですか」 負けないで!借金に負けないで!!
「それとも両親の借金、君が払うかい?5万ゴールド」 、、、こいつ
「5万!?、、、払います!!だから結婚の話は無しにしてください!」 よく言った! よく言った!
「ちっ!、分かった、じゃあそうしよう但し5万はあくまで元金だ今から
一週間以内の返済で全額で10万だ!それ以降はまだ増えるよ、いいんだね」 、、、マジこいつ
「どう考えても無理じゃないですか!横暴です!」 横暴です!なめんなよ
「ん-、じゃあ俺とキスしてくれたら5万で一週間待ってあげるよ?」 、、、、
「、、、、分かりました」 ハイもう無理
俺は二人の前に飛び出すと、左手は腰に、右手を前に突き出し叫ぶ
「その必要はない!」
「貴様!なんでここに!?」
俺は棍棒を地面に叩きつける、衝撃で地面にクレーターが出来る。 うむグレート
「黙ってとっとと失せろ!」
「ひ」
転がるように一目散に逃げていった。 どこまでも小物っぽいな、それはさておき
俺はクルっとターンして優雅に後ろを振り向く(キリッ)
「話は聞かせて頂きましたお嬢、、、様、、、って妹じゃねえか!お前が化粧とか100年早い 何を色気づいてんだよ、俺のトキメキを返せこのトンチンカン」
「トン!?化粧を女の子がするのは普通ですぅ、それより誰にときめいたんですか?この変態!」
「バ、バカ野郎、それはあれだ家族愛なあれだよ、あれ!つうかお兄さまに向かって変態て! 5万でキスしようとしてたから止めに来たんだよ!トキメキ違うトメニキタOK?」
「親父ギャグ乙!、、、他に方法がなかったんだからしょうがないでしょう!?一週間
あれば私ならきっと、いや必ず5万ぐらい集められる!」
「金は俺が払ってやる」
「え」
「だから両親に気兼ねする必要は全くないし、あいつにキスする必要もない、いいな?」
「そんな事出来るわけない!」
「はあ!?妹が一週間で5万集まるんだから兄貴の俺なら10万集まるに決まってんだろ?」
「・・・私の事、恨んでないの?」
「は?」
「私のせいで家追い出されて!何時も嫌な事しか言えなかった!どおして!?」
「妹が困ってたら助けるだろ普通」
「・・・お兄ちゃん」
妹は息を飲み絞り出すように言葉を漏らす
「助けて」
何も言わずに俺は妹の頭に手を置いた。 街には今から行くか、眠気も吹き飛んだしな!
銀行から婆ちゃんの金を引き出す。 早速使わしてもらうよ、お金に向かいお辞儀する、さあ今日が俺の真の旅立ちの日だ!村の外へ足を踏み出す、街への道のりは分かり易く街道に沿って歩いて行くか、馬車に乗るかだ、御者は魔物にそなえる為に冒険者を雇う、報酬は少ないが運賃が無料になるため冒険者にとっても御者にとってもメリットがあり需要が高い、逆に俺の村みたいに連絡ギルドしかないような小さな村は冒険者が利用しないため、この相互関係が発生しない故、必要に応じて村からお金を出して村のギルドから魔法通信で依頼して来て貰うのが通例だ、結局今から街に向かうなら徒歩一択しかないな。
俺は街道を疾走する、体は走っている割に疲労は殆ど無い、気合が入ってるからだな!\(^o^)/
見た事の無い魔物に何匹か襲われたが、瞬殺したため余り印象に残ってない、後で魔物図鑑で確認しよう、む?視界の先に馬車が見えるな、俺は馬車より早いのか、、、気合が入ってるからだな!\(^o^)/
馬車の後ろを馬に乗った冒険者が扇形に広がり10人追従している、刀振り上げてこいつらも気合入ってんな、お?一人が杖を掲げファイアーボールを馬車に、ぶつけた!?こいつら野盗か!瞬時に頭を切り替える、腰のナイフを取り出し一番後ろの横並び二人に狙いを付けつつ距離を詰める、今!二人が絶命し馬から転がり落ちる、更に距離を詰める、今!更に2人が絶命し馬から転がり落ちる、まだ気付かれていない、馬車を追いかける事に夢中で後ろに気付いていないようだ、右方にいる野盗が魔法使いなので右に距離を詰める、、馬車側の冒険者が俺の行動に気付いたようで、俺から見て左方の野盗を集中して魔法で攻撃し始めた。俺は更に距離を詰める、今! キン 弾かれてナイフが落ちる、頭に金物を装備していたらしい、ちっフードを被っていたので分からなかった!驚き男が振り向いた、今!顔面にナイフが吸い込まれ男は絶命する、ここまで来ると残りの野党も流石に後ろの異変に気付く!だが時既に遅く、野盗には為すすべはない
野盗を倒した。
御者がお礼に無料で街まで運んでくれる事になった。街に行った事がないので少し不安もあったので渡りに船と乗せて貰う事にした。
俺の行動を援護した冒険者がこちらに駆け寄って挨拶してきた
「ありがとう!助かったよ、私はシモーネ、シモーネ旅団のリーダーよ、よろしくね」
「俺はキール、こちらこそよろしく」
な、何か妙に色っぽい姉ちゃんだな、とんがり帽子に黒のローブ明らかに色気のない格好なのだが、それが流れるような長い黒髪と妙にテカってる唇を逆に際立たせている・・・いかん魅了されてた。どうも俺は女に耐性なさすぎだな、意思を強く持とう キリッ ニコー でれ~ キリッ ニコー でれ~
「にしても凄いね馬より速いだなんて、風の魔法を使ってるの?」
「いや魔法は使えない、今日は気合が入ってるからじゃないかな?」
「ふふふっ、面白い冗談ね気に入ったわ、お礼もしたいしシモーネ旅団は家持ちだからクラフトの街に着いたら是非寄って頂戴」
「お礼はいらない、シモーネ独りでも問題なかったろう?でも教えて欲しい事は沢山あるから是非立ち 寄らせて欲しいな」
「・・・本当に面白い子ね、私に何を聞きたいのかしら?」
あれ何か雰囲気変わった?、、、気のせいだな!
「俺は冒険者になるために街に行くんだけど知らない事が多すぎてさ、色々教えて欲しいんだよね」
「・・・・驚いた、嘘はついてないようね、余程激しい訓練をしていたのね師匠の名は何て言うの?」
「師匠はいないな、でも一週間ぐらいみっちり鍛錬したね」
「・・・・一週間!?・・・何をしたらそんなに強くなれるのかしら」
「根性だね!」
(そんなわけないでしょう!?)
「LV1で竹槍持ってコボルトと戦った時はやばかったね紙一重で倒せたけどね」
(・・・よく倒せたわね、むしろよく生き残れたわね、しかも竹槍って)
「1番やばかったのは巨大なゴブリンと戦った時だね、手に持ってる魔剣がやばくてね持ち主の手から離 れて動くんだよね」
(・・・巨大なゴブリンに勝手に動く魔剣!?まさか!?)
「そのゴブリン今は何処にいるの?」
「ん?もう居ないよ俺が倒したから」
「・・・そんな事が・・いえ・・魔剣はどうしたの?」
「持ってるよこれ」
(似てるけど魔剣キルアーノではない、思い過ごしか・・・)
「相手はゴブリンキングね、2メートル近くある化け物によく勝てたわね」
3メートル近くあったが、まっ、いいか!
「気合だね!」
(・・・本当にそう思ってる所が末恐ろしいわね)
「実は今回街に行くのはそれもあるんだよねゴブリンが結界を越えて森に・・」
がたっ
シモーネが突然腰を浮かせ俺に詰め寄る、顔、顔近いよ!、近くで見るとえれ~美人だな
「詳しく聞かせて」
「あ、ああ、俺の住んでるジマリ村のすぐ近くに結界の張られた森があるんだけど、そこでゴブリン4体に襲われたんだよ、その時奴等が指に填めていたのがこの指輪だ、沢山あるから一つ上げるよ、多分知能が大幅に落ちて、体から出る波動を抑えるような効果があると思うから指に填めないようにしてくれ」
「・・・何で分かるの?」
「気付いたら見たら何となく分かるようになってた。だから多分」
(どこまでも規格外な子ね)
「他の指輪はどうするつもりかしら?」
「そこが本題でね、一つは村のギルドに渡したんだが、マトモに取り合ってくれなかったんでね、残りを直接街のギルドに届ける事にしたんだよ」
「・・・成程ね、因みになんて言ったの?」
「ゴブリンが森の結界内に現れ襲ってきた。この妙な指輪を全員填めていた。街のギルドに至急この件を報告した上で皆で相談して調査と討伐を依頼して欲しいって言ったね。」
「・・・そこまで言われて動かなかったの!?」
「それは正直分からない、だが対応は適当だったしゴブリンは早急な討伐が必要だと思ったから俺は独りでゴブリンの討伐に向かったんだよ、街に報告して帰ってきたら村が滅んでましたとか最悪だろ?」
「・・・無理だとは思わなかったの?」
「俺はやれば出来る男だからな!」
(答えになってない、、、)
「話は分かりました。その指輪は全部私に渡してください、まだ冒険者の登録をしていない貴方では村のギルドのように信じて貰えない可能性がある、ギルドには私から報告を入れておくわ、どうかしら?」
「願ってもないね」
俺は残りの指輪を全部シモーネに渡した。
「そんな簡単に信用して良いのかしら?何処かに売るかもしれませんよ?」
「それは無いよ、シモーネ良い人じゃん!」
(・・・!フフフ本当に面白い子、私は良い人ではないけどね)
「何で冒険者になる事にしたの?」
「一週間以内に10万必要だからだな」
「そう・・・キール君、冒険者は基本聞いた情報に対して対価を払う必要がある、何故か分かりますか?」
「・・・分からない」
「情報に対価を払うことでより有益な情報が自然と手元に集まってくる様になる、それは更なる価値とコネクションを生み、自らを危険から守ることにも繋がるの」
「???成程!?」
「キール君にはこれを差し上げます、困った事が起きたらそれをギルドに見せなさい、貴方の魔力の質に合わせているから本人以外に使えませんから気をつけてくださいね」
「おお!綺麗だな、ありがとう!」
シモーネは小さな宝石を俺にくれた。緑色に輝く宝石なんて初めて見た!凄いな~
「それから一週間以内にお金を用意出来なければ私の所に来なさい、幾らでも用立てしてあげる、但しその場合キール君は、私の旅団に入ってもらうわよ?」
「!・・・それは助かる、その時は世話になるよ」
一つ肩の荷がおりたか、、だがこれは人任せに出来ない問題だから最終手段だな、、
気が抜けたら眠くなってきたな、、、グー
「うふふっ」
気づけば私は笑っていた。演技ではなく自然と笑いが出たのは何年ぶりだろう?この子のこれからが楽しみでしょうがない、一週間で冒険者成り立ての人間が10万稼ぐのは普通なら不可能だ、でもこの子ならもしかして出来るかもしれない。
「キール君、街に着きましたよ」
「ん・・おわあ!」
俺は慌てて飛び起きた。目が覚めたら目の前に膝があった。膝枕をしてもらってたみたいだ、くー!恥ずかしい!!顔が熱くてしょうがない、シモーネはクスリと笑い耳元で貸しにしておきますと囁いた。
名前 キール・ライトニング ♂ 18歳
LV 21
HP1500+20% MP20
職業 剣士
筋力 200+10%
俊敏 255+5%
知性 5
直感 150
器用 120
意思 160
魅力 65
幸運 200
技能 真眼LV3[弱点を瞬時に見抜く 相手の強さを解析出来る 鑑定LV2]
空間把握[奇襲攻撃無効]
気配察知[位置の完全補足]
投擲マスター
無音走り[無音 瞬歩]
残心[隙を埋める]
???
加護 婆ちゃんの祈り+[即死攻撃無効 浄化の光]
主の力[HP 筋力 俊敏のブースト]
奇跡と幸運の体現者[HP自動回復(小) 毒呪い無効 幸運+100]
文章の長さを意識して書いてみました。
いかがでしたか?