奇跡か幸運か、手繰り寄せた生命
「バカナ・・・」
未だゴブリンロードは目の前の現実に思考が追いつかない
だが驚くのも無理はない
魔剣キルアーノ
漆黒の柄には歪な文様が刻まれ
刃渡り60センチの直刀
刃は呪力で黒く染まっている
その力は自動で相手を切り裂く攻撃特化の魔剣
持ち主の手を離れても行動可能な暗殺刀
しかし真の力は[即死]の魔力、かすり傷一つでも発動する強力な呪い
ゴブリンロードは更に猛毒を刀にたっぷり塗っていた
生きているはずがない!
魔剣が刺さった瞬間、何が起こっていたのか、、、
魔剣がキールの腹を貫いた瞬間
即死の魔法と猛毒が体を駆け巡る
同時に即死無効の祈りが発動拮抗を始める
だが毒に対する抗体はなくすでに死に体であった。
遠ざかる意識のなか耳を打つ呪詛
「―――ニンゲンハミナゴロシダ」
霞む目に村に向かい歩き出すゴブリンが映る
(婆ちゃん死なないで待っとるけえ)
婆ちゃんの言葉が頭をよぎった瞬間キールの中で不屈の意思が爆発する!!!
確固たる意思は肉体を凌駕し、祈りは呪いをぶち破る
浄化の光が肉体の隅々に溢れかえり、死にゆく肉体を変質させる
毒の抗体が瞬時に形成され、体の傷は徐々に癒えていく
それは奇跡か幸運か、キールは生命を手繰り寄せた!!
行かせるわけにはいかねーよな
婆ちゃんはまだ死ぬ予定じゃないんだよ
代わりにお前が
「死んどけや?」
俺はゴブリンに向かい音もなく疾走する
再び切り裂かんと襲い来る魔剣
だが俺には[見える]お前の弱点が
柄の歪な文様を短刀で高速をもって切り裂く
カラン
音を立てて地面に落ちる魔剣
立ち止まる事なく股下に潜り込み
天に登らんが如く大きく切り上げ
返す刀で切り下ろす。
俺の目の前でゴブリンはゆっくり左右に倒れていく
ゴブリンロードを倒した。
残った敵は居ないか?注意深く周りを観察、気配を探る
足元にある魔剣を拾うと柄を握った瞬間表面が溶け落ちた、何だ?
何かの呪いがかかっていたようだが、すでに解けているな
刃に毒が塗ってある、うわっ、えげつな、、?、何で俺平気なんだ?
そういえば腹の傷も治ってるし、、、まだちょっと痛いかな?
根性かな?、、、多分根性だな!!!\(^o^)/
注意深く刃先に付いた毒をスライムゼリーで洗い流す
念のため俺の腹もスライムゼリーで洗い流す
なんか俺スライムゼリーがないともう生きていけない気がしてきた。
この魔剣まだ何かありそうだが、嫌な感じはしないので大丈夫だろう
腰のベルトに魔剣を差し込む、、何かいい感じだ フフッ
生き残りがいるとは思えないが洞窟を探ってみよう
洞窟探検か、なんかこう、、ドキドキする!!
初恋のさっちゃんの事を思い出す。
見てるだけでドキドキして、気付いたら家の前に立ってた。
、、、ストーカー扱いされたな
それから俺はキール・ストーキングと呼ばれるようになった。
、、、帰ろうかな、、
洞窟の中は予想を裏切り何も無かった。
宝箱とかちょっぴり期待してたんだが、、
最奥の部屋に稼働中の魔法陣があったので致命箇所を削っておいた。
俺のドキドキなんてこんなもんか!
名前 キール・ライトニング ♂ 18歳
LV 20
HP1000+20% MP10
職業 剣士
筋力 150+10%
俊敏 200+5%
知性 5
直感 100
器用 100
意思 150
魅力 60
幸運 200
技能 真眼LV3[弱点を瞬時に見抜く 相手の強さを解析出来る 鑑定LV1]
空間把握[奇襲攻撃無効]
気配察知[位置の完全補足]
投擲LV5
無音走り[無音 瞬歩]
残心[隙を埋める]
???
加護 婆ちゃんの祈り+[即死攻撃無効 浄化の光]
主の力[HP 筋力 俊敏のブースト]
奇跡と幸運の体現者[HP自動回復(小) 毒呪い無効 幸運+100]