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わんこ

「お願いします!俺の代わりに闘技場に出てくださいませんか!?」


「話は分かった、だが断る!」


ガンドの言葉には重みがあるからな、俺は闘技場に関わるべきじゃないだろう


「え~!?お金なら払いますよ、100万でどうですか?・・・後払いで」


「優勝賞金じゃん!?」


代わりに出る意味無くね?他に意味あんのか?


「何で出場しようと思ったんだ?」


「モテたいからです!」


「・・・ティーナ、行こうか」


「うん」


「お待ちになってください!俺には好きな人がいるのです!」


「ほう」


「闘技場で優勝したら話は聞いてあげると!」


「話だけ!?」


ほぼ脈なくね!?ある意味凄いな


「で?なんで襲われてたんだ?」


「実はラブレターを出しまして・・・この場所でいつまでも待ってます。貴方のウェッジよりと書いたのですが、卑怯にもそれを妬む悪漢共に襲われまして・・・もう彼女に近づくなと!」


「それ雇ったの彼女じゃね!?脈ないどころか嫌われてね?しかも呼び出しといてその格好は何?」


「これは彼女に私の覚悟を見せるためです!この勇姿を持って闘技場で優勝しますと!」


「なら俺が代わりに出たら意味ねえだろ?」


「心配には及びません、全身鎧なので身代わり可能!何よりあの卑劣漢より彼女を取り戻すには手段を選びません!!」


「ん?彼氏いんのか?」


「彼氏などではありません!不届きにも夫婦を名乗り子供までいます!週末の休みは皆でお出かけ、週明けには必ずカレーを食べ、子供の居ない時は無理やり彼女を・・・許せん!」


「ティーナさん、判定を」


「死刑」


俺達は徹底的にウェッジ君に反省を促した。


「ウェッジ君は彼女の?」


「恋あべっ・・ストーカーです。」


「もう二度と?」


「近寄りますウウェイッ・・近寄りません・・。」


俺達は今度こそ街を後にした。





「ねえお父さん、今から何処に行くの?」


「そうだな・・もうすぐ川が見える筈だから、それを橋を渡った先にあるタバト山に行くんだ。」


「ふーん・・・あっ!川見えてきたよ・・・うわぁ・・・大きいね!」


「ああ・・・そうだな!」


丘が邪魔して見えなかったが頂点に着く頃には、その壮大な景色が目に入ってくる・・・婆ちゃんにも見せたいな。景色に意識を飲まれ、婆ちゃんへの思いと共に郷愁にも似た感情が沸き上がる!・・・早く取り返さないとな!思いを新たに橋を渡る・・・なんだあれ?


「わんこだ!」


喜ぶティーナ・・・・ワンコってレベルじゃねえし!


俺の目の前に真っ白な狼が・・・これほどの存在に何故気付かない!?竜人の時といい・・・感覚が狂ってんのかな?

ティーナを後ろにやり、注意深く観察していると白狼が襲いかかってきた!斬馬刀で迎え撃つ!筈が空中で動きを変えた?直角に降り立った白狼は再び俺に襲いかかる!俺は左手で腰からナイフを抜き切り払う!筈がまたも空中で動きを変え後ろに大きく下がる、お互い次の一手で決めると力を・・・


「めー!わんこ駄目っ!それ以上お父さんに手を出したら許さない!」


「言葉通じないって・・・・ええっ!?」


まるでティーナの言葉を理解したかのように大人しくなる白狼


「ねえお父さん、このわんこ飼っていい?」


「ああ・・・」


どうやらティーナにはブリーダーの素質があるようだな、こんな[強い]白狼を一瞬で懐かせるとは・・・ティーナは既に白狼の背中に跨っている・・・ティーナ、恐ろしい子!



暫く歩くとタバト山が見えてきた。

前回の山登りの反省を踏まえ、ゆっくり、ゆっくり山を登った。

村はアッサリ見つかった。わんこは大きいから村の外に置いていくと言うと小さくなった・・・何でもありだなこのわんこ。



たどり着いた精霊の村、ここで精霊界の手掛かりを掴む!




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