経験
スケルトンが現れた。
骨だけの体がカタカタと音を立てている。右手にはショートソード左手にラージシールド
人としての記憶の為か強さに個体差がある。俺が[見た]ところこのスケルトンは二人より[強い]か、クリスはショートソードを片手に防戦一方になっている、攻撃すると盾で弾かれ大きな隙となる、クリスは防ぐ以外の攻撃手段を見い出せない、膠着状態を破ったのはティーナだった。
2体の打ち合いの隙に音もなく後ろに回り込み[核]を貫く、スケルトンは糸の切れた人形の様に力を失い崩れていった。
スケルトンを倒した。
ティーナは[目]が非常に良く相手の核を一撃で貫く技が卓越してきた。
俺の動きにも目が付いてきている節がある、教えてないのに音を立てずに歩く歩法を身につけたのは其のためだろう、大したもんだ。
「お父さん、倒したよ!」
ティーナが飛びついてくる、カー!可愛いねうちの娘は!
「ちぇっ、俺が隙を作ったからだろ」
不満そうにクリスが言う
「相手の方が[上手]だったからな、よく防いでたぞ!」
俺が褒めるとそっぽを向く、おおっと照れてらっしゃる?
「俺も盾を使おうかな」
「盾は1対1だと有利になるが1対多数に対して不利になる、なんでか分かるか?」
「私分かる!」
俺の背中におぶさったままティーナが手を挙げる
「はいティーナ君どうぞ」
「視界が狭くなるから!」
「正解!」
拗ねたように口をとがらすクリスに俺はフォローを入れる。
「ティーナが分かったのは、二人の戦い方の違いの為だ、クリスは正面から相手の隙を作り倒すやり方、ティーナは相手の隙のある場所に回り込み倒すやり方をとってる」
「じゃあさっきの場合どうやって戦えば良かったの?」
「二人で戦うならさっきので問題ないぞ、相手の方が強かったしな、色々方法はあるけど簡単なのは・・・やって見せようか!」
手に入れた盾をクリスに装備させ、俺は盾がクリスの視界を防ぐように攻撃する、盾で防がれた瞬間足を払う
「うわっ」
クリスは声を上げ尻餅をつく尻を摩りながら立ち上がる
「酷いよ父さん」
「はははっ、どうだ?何が起きたか分からなかっただろう?」
「うん」
「勿論それらを踏まえた上で戦えば盾はメリットが多い、だが視界が大きいほうが逃げやすい、これが一番重要なんだ、例え勝てない相手でも逃げ切れば死なない、視界の広さは逃げ道の確保に繋がるんだ。いいか、[強さ]だけなら今の二人ならまず負けないが、特に[人]が相手だと[強さ]だけでは勝てない、常に周りに目を配り立ち位置を変え視界の確保と状況の把握を怠るな」
「分かった」
俺はクリスの頭を撫で、最優先事項を伝える
「腹が減ったからクリス飯作って」
「えー、この間も俺が作ったじゃん」
不満そうに言うクリスに俺はしたり顔で言った
「いいか?情報には対価を払う必要がある、俺はクリスに情報を与えた、クリスは俺に何を払う?」
分かったよと言いながら既に準備を始めていたクリス、なんだかんだ料理が好きなのだ、毎回作るたびに合理的ではないと言いながら味が良くなっていく、正直俺はクリスの飯がないと生きていけないかもしれない、神の料理である・・・因みにティーナは・・・
「私も作る!」
「「駄目!!」」
名前 クリス・ライトニング ♂ 10歳
LV 20
HP1000−50% MP20−50%
職業 戦士兼コック
筋力 80−50%
俊敏 85−50%
知性 30−50%
直感 60−50%
器用 40−50%
意思 40−50%
魅力 25−50%
幸運 20−50%
技能 危機回避LV3[即死判定回避]
未成熟[全ステータス−50%]
料理LV5
加護 無し
名前 ティーナ・ライトニング ♀ 10歳
LV 20
HP800−50% MP80−50%
職業 忍び
筋力 60−50%
俊敏 90−50%
知性 20−50%
直感 40−50%
器用 60−50%
意思 30−50%
魅力 45−50%
幸運 10−50%
技能 危機回避LV3[即死判定回避]
未成熟[全ステータス−50%]
無音走り[無音 瞬歩]
真眼LV1[相手の弱点を見抜く]
加護 無し




