初陣
ちゅんちゅん
小鳥の囀りが優しく俺を眠りから起こしてくれた。
「まだ明るいな、、、」
もう少し寝る事にした。
ちゅんちゅん
「・・・」
ちゅんちゅん
「・・・」
ちゅんちゅ「煩いな!!」
あ、、妹と目が合った、、ゴミを見るように見下してやがる
兄貴の威厳を見せる事にした。
「なんだ?文句あるなら出て行け!!」
はい勘当されました。
婆ちゃんが俺を庇ってくれたが駄目だった。
まあいいさ英雄になる俺に帰る家なんか必要ない。
俺はゆっくり歩いたり、時折立ち止まったりしたが誰も呼び止めない
チラッと後ろを見る、婆ちゃん以外誰もいねえ!
俺は2度と振り返らずに村の外に出た。
目から汗が出るぜ、、、。
村は国から貸し出された結界石により魔物から守られている
代わりに村は税を国に払う仕組みだ。
つまり村から出た瞬間から何時魔物に襲われてもおかしくない。
だが俺は楽観的だ、何故なら俺には人にはない力があるからだ
なんと集中して相手を見ると弱点が見えるのだ!
これを使って魔物なんざ一撃よ!
スライムが現れた
来やがったな、俺は弱点の核を瞬時に見抜き
核に向かって鋭く竹槍を突き出し、、たのだが、、あれ?
外側の粘液が原因で核に刺そうとしてもズレてしまう
「おりゃあああ!」
気合と共に華麗に刺す、刺す、刺す!
MISS MISS MISS
「・・・」
ぐしゃっ
鍋の蓋で潰してやった。
軟体は叩き潰す方が効率が良いみたいだ。
「――っ・・・やったー!!」
感極まって叫ぶ、婆ちゃん俺は英雄の一歩を踏み出した!
スライムゼリーを手に入れた。
ふむ、効能は?背中のリュックから魔物図鑑を取り出す
素材として売ることが多いが、食料にもなるか、、、
食べる気にはなれんが、これからの事を考えると幾つか取っとくか
村に何時でも逃げ込める場所からスライムを探し5匹狩った。
「俺つえええな!」
お?何か体に力が漲るなレベルアップしたようだ
調子に乗った俺はより強い魔物を求めて少し村から離れてみた
コボルトが現れた
弱点を見抜き竹槍を突き出す
ダメージを与えられない
「え」
コボルトは意に介さず棍棒を振り下ろす
鍋の蓋で受け止める俺
鍋の蓋は壊れた
「は?」
やばいやばいやばいやばいよ
恐怖に頭が真っ白になる
振るわれる棍棒を必死に避ける
一撃食らったら即死は間違いない
死にたくない!
村に向かって逃げようと走り出した直後
背中に衝撃が走る、リュックに棍棒が当たってしまった
無様に転びながらも逃げる俺の目の前にコボルトが回り込む
「え」
コボルトがニヤリと笑った
それは俺が散々見てきた笑い、相手を見下す笑い
頭にカッと血が上る
振り下ろされる棍棒を避けずに逆に踏み込む
右手の竹槍を両手に持ち替え全身全霊の力で突き出す
「おおおおおお!」
竹槍はコボルトの核を確かに貫く
体に漲ってくる力から倒したと確信した。
暫く呆然としていたが、また遭遇しては敵わんと思い
慌てて村に向かって走り出した。
棍棒を手に入れた。
名前 キール・ライトニング
LV 4
HP30 MP2
職業 戦士見習い
筋力 10
俊敏 30
知性 3
直感 10
器用 3
意思 10
魅力 5
幸運 100
技能 真眼[弱点を瞬時に見抜く]
加護 婆ちゃんの過保護