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婆ちゃん

「~~―――!!」(°°;)"((;°°)


キールはショックで飛び出そうな言葉を必死に堪えた。[婆ちゃんはいない]だと!?これはもう間違いない、フィズの発言からキールは全てを悟った気がした。



我が妹は痴呆だ!!Σ(゜д゜)



胸が針で刺した様に痛い、冷や汗が止まらない、フィズはまだ16歳だぞ?だが若くして発病する人も多いという、くそっ!なったものはしょうがない、キールは覚悟を決めた。


「気付いてやれなくてゴメン・・・」(いつから痴呆だったんだ・・・)


強く強くフィズを抱きしめる


「ふぇ?えええええ!?」(ふぇ?とか・・・痛ましい・・・)


「お前は俺が一生面倒見るから」(介護は得意だから・・俺元々インドアだし)


「お兄ちゃんそれはつまり・・・」(親父との会話も変だった・・・)


「お前の気持ちは分かってるからそれ以上言うな、俺は少し用事がある、フェント、フィズを頼む」(守護の剣だけに介護はお手のものだろう)


キールは婆ちゃんを探すために村を走る。


「キール・・・」


『フィズ、お主は勘違いしておる』


「キールッ」


『聞くのじゃ!』


「・・・ダーリン・・・きゃっ!!」


『・・・恋は盲目か・・』


キールの思考はフェントに筒抜けだったので、フォローしようとしたのだが匙を投げた。

キールは無自覚に傷口を広げていく・・・・。



俺は意識を切り替え婆ちゃんを探すが居ない・・・居ない・・・居ない・・・居ない!しらみつぶしに見て回る、婆ちゃんの気配はなかった。この村には[居ない]な・・・攫われた?・・そんな事をする奴が・・・ポークか!!まさか恐れ多くも婆ちゃんを人質に取ろうとは・・・婆ちゃんの事が抜け落ちてるフィズにそんな事しても意味はないのに!

俺はギルドの扉を壊す勢いで開け中に入る!・・・中には見慣れない男が一人、ギルドの制服を着ているから職員か?


「ポークは何処だ!?」


気を回す余裕はない、ぞんざいに尋ねる、聞かれた職員は鳩が豆鉄砲を食らったような顔をし、返答しない、もう一度尋ねる


「ポークは・・・何処だ?」


「ポ、ポークさん・・・前任者の方ですね?」


「前任者?」


「何やら横領をしていたとかで・・・今は中央ギルドの牢の中だと思います。」


「中央ギルド?」


「クラフトの街の奥にある大きな城ですよ」


「有難う」


俺は簡単に挨拶し、妹の下に行く


「お帰りキール」


俺は妹を抱え上げる、いわゆるお姫様抱っこだな


「あ・・・」


「しっかり掴まってろ」


「うん・・・捕・ま・え・た!」


何かニュアンスが違った気がするが・・・まあいい、俺は全速力で街に向かった。




中央ギルド、グランスポール地方の最高権力である。

王と王女に統治され、権力と金、全てがここに集まる、国ではなく街、網の目のように張り巡らされた情報網を持つ中央ギルド、この体制が磐石の治世と経済の発展を齎していた。

罪人はこの城の牢に入れられ、裁きが下される、中央ギルドは全てのギルドと繋がっているため対応も迅速である、但し中央ギルドは朝早くに開き昼過ぎには閉まるため、早めの訪問が必要である。



「着いたぞ、ここがクラフトの街だ」


「キールったら乱暴なんだからっも・う!」


・・・遂に妹は俺が兄貴と言う事も忘れてしまったようだ・・・俺は諦めない・・必ず治してやるからな・・・確か適度に脳を運動する事も大事なはずだ。だが今は先に宿を決めよう、俺は以前利用した宿で一ヶ月分の支払いを済まし、妹を部屋に入れる。


「キール」


「何だ」


「キール」


同じ事を2回も言った((((;゜Д゜))))症状が悪化している。


「妹よ、俺はお前のお兄さんのキール・ライトニングだ、言ってみろ」


「もう~何言ってるのキ~ル~」


「妹よ、俺はお前のお兄さんのキール・ライトニングだ、言ってみろ」


「・・・どういう意味ですか?」


妹が剣呑な空気を放ち始めた・・・治療は次回にして城に行こう


「すまんが用事がある」


俺は逃げるように城に向かった。


「・・・なんなのもうっ!」


『キールはお主が痴呆になったと思っておる』


「キールが?私を?・・・ふふふ、フェントったら冗談ばっかり」


『フィズが痴呆であると仮定して、村からのキールの台詞を思い返してみよ』


「?・・・・・・ふふ・・・・ふふふ、どうやらお兄ちゃんにはお仕置きが必要かな、かな!」


闇が渦巻き雷鳴が轟く、それは如何なる神秘か、奇跡の技か


『・・・魔王じゃ・・・魔王が生まれた・・・』


キールはもうダメかもしれんとフェントは呟く、守護の剣でも守りきれそうにない・・・・大いなる闇の波動にフェントは慄いた 。




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