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婚約

「俺は帰ってきたぞー!」


「お兄


「遙か彼方の異国の地で」


「お兄


「七難八苦を乗り越えて!」


「・・・」


「今ここに


バキッ


「いい加減にしないと殴りますよ」


「っ―――もう殴ってるよね?しかもグー


バキッ


「ごめんなさい」


「あら?七難八苦を与えて差し上げようと思ったのに(´・ω・)」


「いらねえよっ!お前は何様だよ」 


「よきにはからえ」


「女王様!?・・・ったく我が妹様は・・・元気そうだな」


ポン ナデナデ


「?!べべべ別にすこぶる元気ですがなにか!?」


『フィズよ言葉が変じゃぞ?』


「そんな事ありません」


『ときめいた?(ニヤニヤ)』 


「な!?」


俺はフェントと楽しげに会話を始めた妹を聖母アリアのような慈愛に満ちた瞳で見守りつつ( ´,_ゝ`)

お金を取り出し妹に渡す。


「俺はお前の進む道を応援する、後は好きなようにしな」(キリッ)


「お兄ちゃん・・・ハイ!」


迷いのない足で家に戻る妹・・・心配なさそうだな




俺は妹とフェントのリンクを密にし、会話を傍受可能にする、ああは言ったがポークとの結婚だけは絶対に許さん!


『キールはフィズが愛おしくてしょうがないんじゃのう(ニヤニヤ)』


流れてくる念話を無視しつつ、後で駄剣に塩水をかけようと心に決めた。


「お母さん、お父さん大事な話があるのですがよろしいですか?」


・・・始まったか・・・


「私はポークさんと結婚するつもりはありません」 ん!言い切ったね


「今は不満があるかも知れないが、ポーク君の家は資産家で彼自身もしっかりとした職についてる、彼は人柄も丁寧だ。きっと幸せになれる」 親父らしい意見だな 


「私は惰性で手に入れた幸せに興味ありません、私自身が選んだ道の先で幸せになります。」 おお・・・カッコイイな妹 


「駄目よそんなの!」 ・・・母が出てきたか


「お父さんにお聞きしたいのですが、私の学費はバイエルン家から借金して支払ったのですか?」 まさかの母スルー


「それは思い込みだ、私に借金は無い、親の都合で結婚を押し付ける気は無い」え?


「しかし私はポークさんに入学資金の借金を盾に肉体関係を迫られました」 俺も聞いた


「そんな事が・・・本当なのか?」 呻くように吐き出す親父


「お母さん、借金してるのは貴方ですね、5万ゴールド」 !・・そういう事か・・


「・・・そんな事あるわけないじゃない、馬鹿ね」 どうなんだ実際?


「私の学費に手を付けてバイエルンから借金をした・・そうですね?これが証言を下に作成した資料です。私が入学後から母がバイエルン家に頻繁に通っているのが分かります。」 ・・・妹は名探偵だったのか


「フィズ嘘を付くのはおよしなさい!」 母よ嘘を付くのはお止しなさい


「ポーク君との結婚の話もフィズの入学直後に君から話があったな・・・」 黒だね


「偶然よ!」 


「これは利子も含めた10万ゴールドです。何も言わず受け取って頂きます。以降私はこの家に世話になるつもりはありません。」 ここでお金を切り出すか


「・・・フィズはこれからどうするつもりだ」 どうするんだ?


「そうよ!フィズが一人で生きていけるほど世の中甘くないわ!」 母はむりだな


「私はキールと婚約しています」 ・・・・・・は?


「「は?」」 は?


「お前たち・・・兄弟だぞ?」 コクコク


「お互い連れ子、血の繋がりはありません」 ・・・・


「しかし


「夜更けに私の所へキールが会いに来ました。」 え?


「キールは私に体が痺れるような口づけをしました。」 何言ってんの?


「明滅する意識のなか、体の中に意識が無くなるまで流し込まれました」 間違ってないけど!その表現おかしいよ!色々抜けてるよ!


「私達は深く繋がってます。離れる事はありません。」 ・・・(・◇・)


「・・・フィズの気持ちはよく分かった。キールは下衆で屑でどうしようもない外道だが、私の大切な息子だ・・・よろしく頼む」 完全に誤解されてます・・・。


「必ず幸せにします」 それ男の台詞


「フィズも私の大事な娘だ・・・困った事があれば何時でも帰っておいで・・・」


「お父さん・・・」 何俺を置いて盛り上がってんの?何これ?


「駄目よ!フィズはポークさんと結婚するの!」 まだ言ってる


「母さん、これ以上言うなら容赦はしないよ?この数日で10万稼ぐ私が容赦しないって言ってる意味・・・分かるかな?アカシヤさん」 ((((;゜Д゜))))


「・・・」


「お二人に育てて頂いた事、本当に感謝しています。お世話になりました。」 ・・・





「お兄ちゃん!」


妹が駆けてくる、色々言いたい事はある!あるが今は・・・


「お疲れ様」


ポン


「ッ―――」


俺の胸にしがみつき声を上げずに泣く妹の背中を優しく叩いた。





落ち着いた妹に声をかける。


「村を出る前に婆ちゃんに挨拶したいんだが家にいたか?」


「?何処のお婆ちゃん?」


「我が家のお婆ちゃんだよ!」


何を訳の分からん事を


「我が家にお婆ちゃんなんて居ないよ?」




え?




アカシヤは母の名前です。

ちなみに愛称はシアです。


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