聖剣
「もぐ、ここが、もぐ、宿だよ」
「おう、もぐ、助か、もぐ、ったぜ」
焼き鳥 肉巻き お好み巻 クラープ お口の中が味の宝石箱だ!しかしこのチョイス・・・
「マイタキ」
「最高!」
「担任」
「センコー!」
ま、間違いない!こいつこそ俺の待ち望んだ親友・・・いや心友だ!
「心友!」 両手を広げて飛び込んでおいでのポーズ
「はあ?」 両腕を抱いて1メートル後ろに下がって近寄らないでのポーズ
ドン引きされました。(´・ω・)
お礼を言いアトリと別れた後、気を取り直して宿に入る。
「らっしゃい」
強面の見るからに頑強な男が挨拶をする、蓄えた髭がワイルドだな。
「一泊したいんだけど部屋空いてる?」
「ああ、朝の10時までで50ゴールドだ」
50ゴールド支払い部屋の鍵を受け取る。
「部屋は2階の201号、延長は1時間5ゴールドだ」
ぶっきらぼうだが、簡潔で飾らない言葉は俺の耳に心地よく入ってきた。
「あら私の部屋の隣りじゃない?」
後ろのアトリが声を掛けてくる・・・
「同じ宿かよ!?さっきのお別れは何!?」
「やーね演出よ♪ドラマチックな展開に二人は盛り上がるの!私の部屋に寄ってよ」
なん・・だと!?うすうす感づいてはいたが・・・Σ(゜д゜)
「俺の事好きなのか」 両手を広げ受け入れ態勢
「はあ?」 口に手を当てキモいの態勢
(´・ω・)
「そんなわけで俺は只今花も恥じらう乙女?の部屋に来ています、部屋の中は非常に簡素で、独り身の寂しさを漂わせています。」
「乙女よ、気分転換に偶にこの宿利用するの、だから私物は置いてないし、独り身を寂しいと感じる年ではございません!」
枕を投げてくるアトリ、くんかくんか、無臭だ(´・ω・)
「嗅ぐな!・・・はぁ、まあいいわ、本題に入るけどキールは荷物の管理をどうしてるの?」
「リュックだな、危険を感じる戦いの時は腰袋だけだけどな」
「それならギルドの空間倉庫の契約してみない?空間から自由に荷物を出し入れ出来るから非常に便利よ、高ランクの冒険者は全員利用してるわ、難点を上げれば使用するには魔力が必要なのと、お金が初回に1万、月額で5万かかる事ね、高いと感じるでしょうが高ランクの仕事をこなせばこのくらいすぐに稼げるようになるし、初回は私の裁量で無料に出来る、必要なかったら更新しなければ1ヶ月後自動終了になる、どうかしら?」
「??便利そう・・だな!?契約するよ」
「じゃあ私の左手を握って・・・・・・・・・・・・・・・・・・・OK」
「もう出来たのか?早いな」
「右手で空気を掴むように握って、[チャック]と念じて」
・・・(チャック)
「次に手を握ったまま手を動かして・・・そう、細い穴が出来るでしょう、動かす範囲で穴は幾らでも大きくなる・・・・そう、穴にいれる事が可能なのは右手で握ったもののみ、これは他の人や物が入らないようにする為の仕様よ、このメダルを穴に入れてみて・・・そう、今度はメダルを出そうと念じてみて、手に吸い付いてくるはず・・・そう、最後に閉まれと念じる・・・・そう、以上が使い方」
「これは便利だな」
「空いている間は魔力を消費し続けるから気をつけてね」
「ああ、助かった、このお礼は必ずする。」
「ふふっ、期待しておくわ、何かあったら何時でもギルドの相談所に来てね」
お互い挨拶を交わし部屋に戻る、早速倉庫を開きリュックをぶち込んどいた。
正面のベッドに座り、明日に備えて剣の手入れを始めた。
キュッキュッ
『ん、、ん』
キュッキュッ
『あ、そこは・・・あんっ』
・・・何か俺の魔剣がエロい声を上げてるんですが・・・
「壊れたのか?」
『壊れとらんわ戯け!』
「幻聴でもなさそうだな・・・お前は何だ?」
『我は聖剣フェント、守護の剣じゃ』
「ほへー魔剣じゃなかったのか」
こいつは驚いた、また真逆だね
『・・・・・・キールお主の体は浄化の光で満たされておる、お主が剣で魔の文様を切り裂いた時我は[魔]から切り離され、お主が柄を握った瞬間呪いが解けたんじゃ・・・・感謝しておる、お主を一生守護するくらいには』
「気にするな、ただの偶然だ・・・?じゃあ何で今まで喋らなかったんだ?」
『お主の魔力が低すぎたので我の声は届かなかったのじゃ』
「ふーん確かにこの間の試合以降魔力の流れを感じる気はしてたんだが・・・」
『我の力は守護にある、どれだけ離れていても我を呼べば空間を越え守護者の下に現れ、主の手から離れても自在に動き、全ての敵から守護する聖剣じゃ、これから我が身我が心はお主に捧げ、キール・ライトニングに仕える事を誓おう』
「俺以外に仕える事は出来るのか?」
『無理じゃな既に我とお主はリンクしておる、じゃが守護したい相手がいるなら方法はある』
「その方法は?」
『その相手とリンクする事じゃ、お主の口から魔力を送り込み強く願うだけでいい、リンクを遮断したければ自ら切り離せばよい、魔力の流れを感じ取れるならかんたんじゃ』
「了解」
深夜
コン コン コン
「・・・?」
窓に何か当たってる?カーテンを開けて外を伺う
「お兄ちゃん!?」
私は両親に見つからないようにそっと家を出た。 トクン トクン 鼓動がおかしい、こんな夜更けに、お兄ちゃんが来るなんて・・・私を攫いに・・・とか? トクン ・・・まさかね
「妹よ、お前に渡すものがある、手を出してくれ」
「え」 それって トクン ・・・私は左手を差し出す、 トクン お兄ちゃんは私の手を取り顔を近づけて・・・手の甲に強く接吻を・・ドクン ドクンッ!
「っ・・・っ・・ぁああ!!!!!」意識が明滅する・・体が・・熱い・・頭が真っ白になる
バチン
「痛い・・・しょうがないじゃん」
バチン バチン
「痛い痛い・・・だからさ」
バチンッ バチンッ! バチンッ!!
「・・・ごめんなさい」
「私に何をしたんですか?」
「・・・魔力を流し込んだんだ」 (俺とリンクしたとか言ったら殺されそうだからな、嘘は言ってない。)
「何の為に?」
「まずはこれを受け取ってくれ」
キールは聖剣フェントを渡す。
「これは?」
『我は守護の剣じゃ、お主をいかなる敵からも守る事をここに誓おう』
「!?頭に声が?」
「その剣は意思を持ってる、我が妹がどんな場所にいても念じれば空間を越えお前を守ってくれる、持ち歩くのが一番だが、もし手元から離れる事があれば呼び出せばいい」
「・・・私はフィズです。守護の剣さんのお名前は?」
『ム・・・フェントじゃ』
「よろしくお願いします」
『よろしくの・・・・キール本当にお前の妹か?』
「ほっとけ、それからお金は問題なく用意出来るからもうちょっとだけ待ってろ、じゃあな!」
「あっ」
目の前からお兄ちゃんは消えていた。昔からそうだ、いつも私は守られてばかり・・・私もお兄ちゃんを守りたいのに・・・悔しい筈なのに・・・こんなに心が暖かい、嬉しい 嬉しいよお兄ちゃん・・・
「私はお兄ちゃんが・・・・」
溢れる思いは言葉となり、音の出ない言葉は空に静かに溶け込んだ。
ウインドウズのアップデートが自動更新を始め、全部消えました。
半分以上書いてたのに・・・がっくし




