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調律師  作者: 小高まあな
第五章 あなたをつくります
98/157

3−5−4

 沈黙。

 杏子はこずもの背中に額を押し付けたままだ。

「杏子?」

「こずちゃん」

 発した声には涙が含まれていた。

「キョウちゃん、あきらめたわけじゃないもん。ただ、榊原君が悩んでるの可哀想だから言っただけだもん」

「うん」

 わかってるよ、とこずもは笑った。そうして振り返ると、いつも一生懸命なこの幼なじみの頭を撫でた。

「元気になったらまだまだアタックするもん」

「うん」

 すん、と鼻をすする音に小さく微笑む。

 正直以外だった。いつもつっぱしるだけの杏子がそんなことを言うなんて。いつもなら、これ幸いとばかりにアタックをかけて疎ましがられるのに。

 いつも一生懸命なこの幼なじみの、いつもと少しだけ毛色の違う恋愛模様を、今回は応援してあげよう、と素直に思えた。

「杏子、ケーキでも食べて帰ろっか」

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