表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
調律師  作者: 小高まあな
第四章 有声慟哭
92/157

3−4−6

 夢を見ていた。

 優しい顔で微笑む人がいた。

 見ていて安心出来る笑い方だった。

 綺麗な星空の下、その人が何かを言った。

 何を言っていたのだろう。

 何かとっても、嬉しい事を言ってもらえたのに。

 言葉も、優しい笑顔も、黒い影が飲み込んだ。




「沙耶!!」

 眠っていた沙耶の目蓋がうっすらとひらく。

「まどか、ねえ……?」

 かすれた声で呟かれた言葉に息をのむ。

「沙耶……」

 覚えていて、くれた。

「……あれ?」

 目を開けた沙耶が小さく視線を動かす。

「……あたし、どうしたんだっけ?」

 呟く。

「龍が暴れたの」

 出来るだけ冷静に、端的に答える。

 沙耶の動きが止まる。沈黙。

 円は、ただ黙っていた。

「……そう」

 呟いた沙耶は諦めた様に頷いた。

「父様と直次叔父様が龍を封印し直した」

「……うん」

「誰も怪我とかしてないから、安心しなさい」

「……うん」

 ゆっくりと、細く息を吐き出す。

「そっか」

 もう一度呟いた。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ