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調律師  作者: 小高まあな
第八章 僕はおもてで呼んでいる
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4−8−1

「終了時間です。記入をやめ、筆記具を置いてください。これ以上の記入は不正行為と看做します。筆記具を置いてください」

 マイク越しに聞こえる声に、龍一は持っていたシャーペンを机に転がすと、手首を回す。

 試験監督が答案用紙を回収していく。

 第一志望の大学。泣いても笑っても、最後の入試。

 答案用紙の枚数確認を終え、諸注意を述べる試験監督を見ながら、やっと終わった、と小さく息を吐く。

 退室の合図とともに、席を立つ。

 校門付近まできたところで、

「どうだった?」

 声をかけられる。門の前に巽翔が立っていた。久しぶりに見る親友の姿に、龍一は少しだけ口元を緩めた。

「さぁ? やるだけやったけど」

「今日で最後だろ? 話があるんだ」

「だと思った」

 自分の返事を聞く前に、さくさくと先に歩き出す、翔のあとをゆっくりとついて行く。

 連れて行かれた喫茶店にいたのも、やっぱり予想通りの人物で、龍一はもう一度、口元を緩ませた。

「お久しぶりです」

「本当、久しぶり。元気だった? 受験どう?」

 早口でまくしたてると、一海円はいつものニヒルな笑みを浮かべた。


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