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調律師  作者: 小高まあな
第六章 恋をしにいく
141/157

4−6−5


「……こずちゃん」

 立ち尽くしたまま沙耶の背中を見送り、その姿が見えなくなってから杏子が言う。

「なに?」

「もしかしてもしかしたらなんだけど」

「うん」

「このケーキ、作っても意味ないかな」

「杏子……」

 こずもは横でなんともいえない顔をしている幼なじみをみた。

「いいこと教えてあげようか」

「うん?」

「それ、四月の段階で気づくべきことだったよ」

 言うと、幼なじみは泣きそうな顔をした。

「……やっぱりそうかな」

「うん。でも、最近ちょっといい線まできてたけどね」

「ほんと?」

「うん。けしかけなければよかったかもね? あの人、杏子の言葉に触発されたみたいだし」

 笑ってみせると杏子は首を横に振った。

「全然。榊原君が元気になるならそっちの方がいいもん」

 そう言って、笑った。

「とりあえず、万が一にかけてケーキは作るの! だからこずちゃん、道具買いに行こう!」

 少し泣きそうな顔で笑いながら元気よく言う杏子を、目を細めて見つめながら、

「はいはい」

 いつもと同じ様に呆れた調子でこずもは返事した。


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