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調律師  作者: 小高まあな
第六章 恋をしにいく
138/157

4−6−2

 気がついたら年が明けていた。

 沙耶の自宅謹慎もとけ、一海に戻った円たちの手伝いをしていた。年末年始は、特に忙しく、龍一に連絡はとっていない。

 もっとも、それは言い訳に他ならず、賢治のことがあってから一度だって連絡していない。メールなんて、すぐに打てるのに。

 ため息。

 久しぶりに時間が出来たので、本屋で新刊をチェックする。この時間があれば、メールだって電話だって出来るのに。

 でも、多分龍一君いま受験直前で忙しいし、と自分に言い訳しながら、そんな思い切りのつかない自分にもう一度ため息。

 すると、

「あなた……」

 かけられた声に振り返る。髪を肩の辺りで切りそろえた女の子が、目を細めてこちらをみていた。

「あの?」

「以前一度お会いしましたよね。榊原と一緒のところを、遊園地で」

 一度記憶をたどっても思い出せない。それでもなんとか、微笑む。

「ごめんなさい、物覚え、悪くって……」

「いいえ。少しだけだったので。でもよかった、私、あなたと一度話してみたかったんです。少し、お時間いいですか?」

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