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調律師  作者: 小高まあな
第六章 恋をしにいく
137/157

4−6−1

「ねえねえ、どれがいいと思う?」

 幼なじみのテンションの高い声に、海藤こずもは、

「……作れそうなもの、選びなさいねー」

 いつものように少し呆れて言葉を返した。

 年も明けて、センター試験と学年末試験を目前に控えた一月。幼なじみである西園寺杏子に付き合って、こずもは本屋に来ていた。杏子は指定校推薦で進路決定しているし、こずもも無理しないレベルの大学を第一希望にしているので問題はないが。だからといって、

「なんで今からお菓子作りの本を選ぶわけ?」

 バレンタインに龍一に手作りお菓子をあげたい、レシピ本を選ぶの手伝えなんて。

「だって、今から練習しないと失敗しちゃうじゃん!」

「そうやって自分の料理の腕前わかっているなら手作りなんて見栄はらなければいいのに」

「手作り食べて欲しいじゃん! 榊原君、受験で疲れているだろうし、バレンタインが誕生日だもん」

「あ、そうなんだー。うわー可哀想な誕生日」

 だから、手作り! いいながら、片っ端からレシピ本を開く。

「あ、あと三階でお菓子作りの道具買うから、こずちゃん一緒に選んでね! 何が必要なのかキョウちゃんわかんないし」

「あー、はいはい」

 適当に返事しながら、杏子が上級編と書かれた本に手を伸ばすのを、

「その、簡単って書いてあるのにしたら?」

 咎める。どうせ、難しいの作れないんだし。

「だめ! 簡単過ぎると気持ちがこもらない」

 ため息。杏子は杏子なりに信念があるので面倒だ。

「杏子、わたしちょっとあっち見てくるから」

「うーん」

 返事なのかわからないものを聞きながら、文庫本の方へ足を向ける。

 そこで、見たことある人物を発見した。


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