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人食い卵

作者: 口羽龍

 ある朝、恭子きょうこはいつものように目を覚ました。東京にやって来て3年。一人暮らしにも徐々に慣れてきた。そして、いい後輩にも巡り会えた。充実した日々を送っていた。


 恭子はいつものように起きた。と、玄関の前に卵がある。その卵は虹色で美しい。何だろう。イースターエッグのようだが、イースターの時期ではない。明らかにおかしい。どうしてこんなのがあるんだろう。


「あれっ、何だろう」


 恭子は近づいた。やはり卵だ。いつ、どうやってこの卵が置かれたんだろうか? しっかりと施錠をしているはずなのに。誰かが侵入して、入れたんだろうか?


「卵?」


 恭子は首をかしげた。そして、きれいだなと思った。こんなきれいな卵、見た事がない。とても気になる。


「きれいな卵だな」


 恭子は思った。この卵を部屋に飾りたいな。何かいい事が起こりそうだから。きっと、いい夢が見れるんじゃないかな?


「飾ろう!」


 恭子は机の上に飾った。と、恭子は時計を見て驚いた。もう会社に行く時間だ。遅刻しないように早く行かなければ。


「さて、今日も行くか」


 恭子は部屋を出て、会社に向かっていった。それはいつもの朝のように見えた。だが、卵が飾られているだけで、少し特別な感じになった。どうしてだろう。わからないな。


 恭子は最寄り駅まで歩いていた。ここ最近、寒い日々が続いている。恭子は白い息を吐いた。早く、温かい春が来てほしい。そんな気分だ。


 恭子は最寄り駅にやって来た。ここから会社の最寄り駅まで向かう。電車は満員で、多くの人が乗っている。いつもの通勤風景だ。恭子は電車に乗った。電車の中はすし漬め状態で、とても圧迫感がある。だが、恭子はそれに慣れている。もう3年こんな通勤電車に乗っているのだ。慣れないはずがない。


「はぁ・・・」


 恭子は疲れていた。だけど、明日も仕事だ。ここで疲れたとは言っていられない。明日も頑張らないといけないのだ。




 夜、恭子は仕事を終えて家に向かっていた。星空がとても美しい。何度見ても美しい。そして、それを見ていると癒される。どうしてだろう。美しいからだろうか?


 恭子は帰宅した。そして、電気をつけた。今日も1日疲れた。だけど、明日も仕事だ。気合を入れないと。


 恭子は机に座った。と、恭子はある事に気が付いた。卵が大きくなったいるのだ。どういう事だろうか?


「あれっ・・・」


 恭子は首をかしげた。卵が大きく見えるからだ。どうしてだろう。わからない。


「なんか大きくなってる気がするな・・・」


 だが、恭子は何とも思わなかった。疲れているから、大きく見えるんだろうな。しっかりと疲れを取ったら、元の大きさに見えるだろうな。


「まぁいいか」


 恭子はその時、全く気にしていなかった。卵が大きくなっているというのは、事実だという事を。


 恭子は疲れたのか、少し寝てしまった。よほど疲れたのだろう。しっかりと寝たら、疲れが取れるだろうな。


 目を覚ますと、朝だ。朝まで寝てしまったようだ。恭子は寝ぼけている。


「うーん・・・」


 恭子は卵を見た。卵はまた大きくなっている。恭子は首をかしげた。しっかりと疲れが取れたはずなのに、どうして大きく見えるんだろう。


「今日も大きくなってるような気が」


 恭子は思った。きっとまだまだ疲れが取れていないんだろう。


「気のせいか」


 突然、卵がぐんぐん大きくなっていく。それを見て、恭子は驚いた。何だこの卵は。普通の卵じゃない。何の卵だろう。


「あれっ、この卵・・・」


 そして、殻がギザギザの歯のように割れた。明らかにこの卵はおかしい。怖い。


「ギャーーーーーーー!」


 卵は大きな口を開け、恭子に向かって襲い掛かってきた。恭子を食べようとしているようだ。


 恭子は目を覚ました。恭子は時計を見た。真夜中だ。


「夢か・・・」


 恭子はほっとした。あの夢は一体、何だったんだろうか? そして、あの卵は何だったんだろうか?


「何だろうあの悪夢は・・・」


 それでも恭子は気にしていなかった。あれは夢だ。疲れたので、悪夢を見ていたんだろう。きっと今度はいい夢が見られるはずだ。それに、人を食べる卵なんて、あるわけがない。


「まぁいいか」


 恭子はインターネットを見ていた。恭子は今日のニュースをいろいろ見ている。そんな中で気になっているのは、行方不明事件だ。ここ最近、都内で行方不明事件が相次いでいる。無差別に様々な人が行方不明になっているのだ。どういう事だろうか? 恭子はとても気になっていた。


「ふぅ・・・」


 恭子は卵を見た。本当にこの卵、何だろう。どうして入口の前に置かれていたんだろうか? 何の目的で置いたんだろうか?


「この卵、本当に何だろう」


 突然、卵が動いた。


「キャッ・・・」


 恭子は驚いた。今度は何だろう。何が起こるんだろうか?


 それから程なくして、卵はぐんぐん大きくなった。まさか、正夢? あの夢は、これから起きる事の前兆だったのか? 恭子は呆然として、ぐんぐん大きくなる卵を見ていた。


「うわーーーーーー! 急にでかくなった!」


 そして、卵に歯のようなギザギザの割れ目ができた。あの夢と一緒だ。これからどうなるんだろう。恭子は一気に不安になった。


 卵は大きな口を開け、恭子に向かって襲い掛かってくる。これも夢と一緒だ。


「うわーーーーーーーーーー!」


 恭子はあっという間に卵に食べられた。


 近頃、都内では虹色の卵が届けられるらしい。その卵が届けられた家の人々は、その日に行方不明になるらしい。

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