辺境令嬢は、食いしん坊につき
玉座の間に響くのは、鈴を転がすような、しかし芯の通った涼やかな声だった。
「――謹んで、お受けいたします」
深々と淑女の礼をとる私、マリアンヌ・アルトハイム侯爵令嬢の姿に、その場にいた誰もが息を呑んだ。金糸で織られた豪奢な絨毯、磨き上げられた大理石の柱、天井から下がる巨大なシャンデリア。その全てが、まるで一瞬、色を失ったかのように静まり返る。
国王陛下が玉座から重々しく告げた辞令。それは事実上の追放宣告だった。
「アルトハイム侯爵令嬢、そなたには本日付で『グレイウォール辺境伯領』の統治を命ずる。彼の地へ赴き、王国の安寧に尽くすように」
グレイウォール辺境伯領。
その名が出た瞬間、謁見の間にいた貴族たちの間に、隠しきれない嘲笑のさざ波が広がったのを、私は見逃さなかった。
「まあ、グレイウォールですって? あの盗賊の巣窟に?」
「アルトハイム侯爵家も、とうとうおしまいね。厄介払いにあんな場所へ」
「可哀想に。あの美しいマリアンヌ嬢が、屈強な盗賊たちの餌食になるなんて……」
ひそひそと交わされる声は、私の耳にもはっきりと届いていた。
グレイウォール辺境伯領。かつては交通の要衝として栄えたが、十数年前の魔物との大戦で当時の領主一家である辺境伯家が断絶。以来、王国の統治が及ばない無法地帯と化していた。街道は荒れ放題、夜盗や盗賊が跋扈し、まともな人間は誰も近づかない死の土地。それが、今のグレイウォールの評価だ。
そんな場所に、か弱い(と、思われている)令嬢を一人で送り込む。侯爵家の令嬢である私が、辺境伯家の断絶による『臨時の領主代行』として赴任する。任は臨時なれど、失敗すればアルトハイム家の責任は恒久に問われる。聞こえはいいが、これが王太子妃候補の座を巡って私の存在を疎ましく思う第二王子派閥の、陰湿な嫌がらせであることは明白だった。父であるアルトハイム侯爵は必死に抵抗してくれたが、政争に敗れた結果がこれだ。
しかし、当の私はと言えば。
(わぁ……!グレイウォールですって!? なんて素敵な響きかしら!)
心の中は、期待と興奮で薔薇色のオーラが満開だった。
グレイウォール。その名の通り、灰色岩の山脈に抱かれた土地。文献によれば、太古の森が手付かずで残り、清らかな雪解け水が川となって大地を潤すという。
(手付かずの森……つまり、季節ごとの木の実やキノコが採り放題!? 清らかな川には、きっと丸々と太った川魚がいるに違いないわ! それに山脈地帯なら、きっと美味しい岩塩も採れるはず!)
じゅるり、と喉が鳴るのを必死で堪える。
ドレスの下で握りしめた拳には、知らず知らずのうちに力が入っていた。
私の趣味は、料理。それも、自分で採ってきた食材を調理する、サバイバルクッキングだ。幼い頃から、家庭教師に歴史や作法を習う傍ら、厨房に忍び込んでは料理長にスパイスの調合を学び、森で働く猟師に獲物の解体を教わってきた。貴族令嬢としてあるまじき趣味だと、父にはよく叱られたものだが、こればっかりは止められない。
王都の四角い空の下、決められた時間に、決められた食材で、決められた料理を食べる生活には、正直、飽き飽きしていたのだ。
「アルトハイム侯爵令嬢、何か言いたいことはあるか」
国王陛下が、憐れむような目で私を見る。貴族たちも、今にも泣き出すであろう哀れな令嬢の姿を固唾をのんで見守っている。
私はゆっくりと顔を上げ、満面の笑みを浮かべた。
「陛下、寛大なるご配慮、心より感謝申し上げます! グレイウォールの豊かな自然、そして豊富な食材を活かし、領地の復興に全身全霊で励む所存ですわ!」
「……しょ、食材?」
ぽかん、とする陛下。
ざわめきが、先ほどとは違う種類のそれに変わる。
「あの子、気でも触れたんじゃ……」
「ショックのあまり、現実逃避を……」
そんな声が聞こえてくるが、もはや私の耳には入っていなかった。頭の中は、これから始まる新しい食生活への期待でいっぱいだったのだから。
(まずは燻製小屋を作りましょう。保存食は大事だもの。それから、ハーブ園もいいわね。香辛料は料理の命よ! ああ、忙しくなるわ!)
こうして、王都中の貴族から「盗賊の巣窟に飛ばされる、可哀想で頭がおかしくなった子」という不名誉なレッテルを貼られながら、私の心躍る辺境スローライフ(の予定)は、幕を開けたのだった。
***
王都から揺られること、十日。
護衛の騎士たちも戦々恐々としながらたどり着いたグレイウォール辺境伯領は、噂に違わぬ荒れっぷりだった。街道は雑草に覆われ、時折現れる村は廃墟と化している。
領主館に到着したものの、そこは蔦に覆われ、屋根には穴が開き、とてもじゃないが人が住める状態ではなかった。
「お、お嬢様……これは……。まずは王都に使いを出し、修繕のための職人を……」
護衛騎士の隊長が青ざめた顔で進言するが、私は首を横に振った。
「いいえ、結構よ。それより、お腹が空きましてよ。皆さん、長旅でお疲れでしょう? 私が腕によりをかけて、とびきりの料理をご馳走するわ!」
「は……? りょ、料理でございますか?」
騎士たちの困惑をよそに、私はテキパキと指示を出す。
「あなたは火の番をお願い。あなたは綺麗な水が湧いている場所を探してきて。それからあなたは、荷馬車から私の『愛用のフライパン』と『食材ボックス』を持ってきてちょうだい!」
私の荷物の大半は、ドレスや宝飾品ではなく、ありとあらゆる調理器具と、様々な種類のスパイス、そして父がこっそり持たせてくれた最高級の塩漬け豚肉や干し野菜で占められている。
領主館の前の、少し開けた場所に即席の竈が作られる。私は持参したエプロンをきゅっと締め、愛用の鉄製フライパンを火にかけた。
ジュウウウウウウッ!
フライパンに分厚く切った燻製肉を乗せると、暴力的なまでに食欲をそそる音が、静かな森に響き渡る。たちまち、良質な脂が溶け出して香ばしい匂いが立ち上る。そこに、持参した玉ねぎと、道中で摘んでおいた野生のキノコを投入。塩と胡椒、そして数種類のハーブをぱらぱらと振りかける。
燻香と脂の旨味、玉ねぎの甘み、キノコの芳醇な香り。それらが熱せられた鉄の上で渾然一体となり、凝縮された幸福の香りが爆発的に拡散していく。
「う、うまそうだ……」
護衛の騎士たちが、ごくりと喉を鳴らす。
私はにっこりと微笑みながら、さらに森で採れた木の実を砕いて振りかけた。香ばしさと食感のアクセントを加えるためだ。
「さあ、パンも温めましょうね。スープももうすぐできますわよ」
その時だった。
ガサガサッ!
近くの茂みが、不自然に大きく揺れた。騎士たちが一斉に剣の柄に手をかける。
「誰だ!」
緊張が走る。噂に聞く盗賊だろうか。
しかし、茂みから聞こえてきたのは、獰猛な唸り声でも、武器を構える音でもなかった。
ぐぅううう〜〜〜〜〜……きゅるるるる。
それは、およそ人間のものとは思えないほど、盛大で、そして、どうしようもなく情けない、腹の鳴る音だった。
茂みの中から、まず、ひょこりと一人の男が顔を出した。大柄で無精髭を生やし、いかにもな風体だが、その目はフライパンに釘付けになっている。
続いて、二人、三人。あっという間に十数人の屈強な男たちが、まるで催眠術にでもかかったかのように、よだれを垂らしながら茂みから姿を現した。全員、一様に腹の虫がオーケストラを奏でている。
騎士たちが剣を抜き放ち、私をかばうように前に出る。
「お嬢様! お下がりください! こやつら、この辺りを根城にする盗賊団『灰色の狼』に違いありません!」
しかし、私は慌てることなく、にこやかに微笑んだ。
「あらあら、お客様かしら? ちょうど、たくさん作りすぎてしまって困っていたところですの。あなたたちも、いかがかしら?」
私の言葉に、盗賊たちはびくりと肩を震わせる。だが、視線はフライパンから離れない。その目は、獲物を狙う狼というより、飼い主に餌をねだる大型犬のそれに近かった。
「……お、嬢ちゃん。そいつは、俺たちにくれるのか……?」
最初に顔を出した男が、かすれた声で尋ねる。
「ええ、もちろんよ! お腹が空いている時に食べるご飯が、一番美味しいんですもの!」
私がそう言って木皿に山盛りのソテーを乗せて差し出すと、男たちは一瞬ためらった後、我先にと群がった。
「う、うめぇええええええ!」
「なんだこりゃ! こんな美味いもん、生まれて初めて食ったぞ!」
「お嬢! 俺にもくれ!」
あっという間に、屈強な男たちは私の料理の虜になっていた。
騎士たちは、剣を構えたまま、目の前の光景が信じられないといった顔で立ち尽くしている。
その時、男たちの後ろから、ひときわ大きく、そして静かな足取りで一人の男が進み出てきた。年の頃は二十代後半だろうか。着ているものは他の者たちと同じように汚れているが、その立ち姿には隙がない。鋭い黒曜石のような瞳が、私をまっすぐに見据えていた。
他の盗賊たちが、彼に道を開ける。
「ヴァイン、こいつは……このお嬢ちゃん、すげぇぞ! 天使だ!」
「ああ、頭! この飯、神の味がしますぜ!」
ヴァインと呼ばれた男。彼が、この盗賊団のリーダーらしい。彼は部下たちの狂乱ぶりを一瞥した後、再び私に視線を戻した。その目には、警戒と、そしてほんの少しの興味が浮かんでいた。
ヴァインと名乗る男は、私が差し出した皿を受け取らなかった。ただ、じっと私の目を見つめている。その威圧感は、そこらの貴族とは比べ物にならない。まるで、百戦錬磨の将軍と対峙しているかのようだった。
だが、私は怯まない。むしろ、彼の腹の虫が「ぐぅ」と小さく鳴ったのを聞き逃さなかった。
「あなたも、お腹が空いているのでしょう? 遠慮なさらないで」
「……お前は、何者だ。なぜ、俺たちを恐れない」
「恐れる? どうして? 私から見たらあなたたちは『はらぺこ盗賊団』にしか思えませんわ」
私の言葉に、ヴァインの眉がぴくりと動く。彼の部下たちは、すでに私の周りに座り込み、夢中で二皿目、三皿目を平らげていた。
「お嬢! 最高だ! 俺、お嬢に一生ついていく!」
「美味い! 美味いぞぉ! 毎日これ食えるなら、なんだってするぜ!」
すっかり懐柔されてしまった部下たちを見て、ヴァインは深いため息をついた。
私はチャンスとばかりに、とびきりの笑顔で彼に提案した。
「ねえ、あなたたち。うちで働きませんこと?」
「……は?」
ヴァインの口から、素っ頓狂な声が漏れる。騎士たちも「姫様! 何を仰いますか!」と慌てている。
「俺たちは、盗賊だぞ。王国の法を犯し、人々から奪うことで生きてきた連中だ」
「それは、お腹が空いていたからでしょう?」
私はきっぱりと言い切った。
「働く喜びを知れば、人から奪うより、ずっと楽しいし、美味しいご飯が食べられますわ。それに、あなたたち、とても腕が立ちそう。その力を、人を傷つけるためではなく、この地を豊かにするために使ってみる気はありませんこと?」
まっすぐな私の言葉に、ヴァインはしばらく黙り込んでいた。彼の黒い瞳が、何かを値踏みするように私の中を探っている。
「……あんた、面白いな。天然か、それともとんでもない策士か……」
「さあ、どっちでしょう? でも、お腹を空かせた人にご飯を出すのに、理由なんていりませんわ」
私はそう言うと、一番大きな肉の端が乗った皿を、再び彼に差し出した。
今度は、ヴァインも黙ってそれを受け取った。そして、一口食べると、その目をわずかに見開いた。
「……美味い」
その一言が、全ての始まりだった。
ヴァインが「元英雄」だということを、私はこの時まだ知らなかった。彼がかつて、魔物との大戦で王国を救った英雄の一人であり、しかし戦後の汚い政争に巻きこまれて全てを失い、この地に流れ着いたという過去を。彼の部下たちもまた、同じように戦で居場所をなくした元兵士たちだったということを。
彼らは、ただ飢えていただけなのだ。誇りを失い、生きるために盗賊に身をやつしていたが、心のどこかでは、もう一度誰かのために剣を振るう日を夢見ていたのかもしれない。
「いいだろう。あんたに乗ってやる」
ヴァインは皿を空にすると、静かに言った。
「ただし、俺たちの腹を毎日満たせることが条件だ。もし、腹を空かせることがあれば……その時は、あんたから全てを奪う」
「ええ、望むところよ! 私の料理のレパートリーにかけて、あなたたちを飢えさせることなんて、絶対にあり得ませんわ!」
こうして、辺境伯領の新しい領主代行は、着任初日にして、この地で最も恐れられていた盗賊団を丸ごと雇用することに成功したのだった。もちろん、給金は基本給の銀貨に加え、危険な仕事や大変な作業をこなした者には、私の特製料理が追加で振る舞われる『胃袋ボーナス』が付くという、一風変わった契約で。
***
それからの数か月は、目まぐるしい変化の日々だった。
元盗賊、現・領民となったヴァインたちは、驚くべき働きを見せた。
「お嬢のためなら火の中、水の中!」を合言葉に、彼らはまず荒れ果てた領主館をあっという間に修繕してしまった。さすがは元兵士たち、土木作業もお手の物だ。
次に、彼らはその腕力を活かして、雑草に覆われていた街道を整備し始めた。道が綺麗になると、どこからか噂を聞きつけた商人たちが、恐る恐るグレイウォールを訪れるようになった。
「こ、ここは本当にあのグレイウォールか……? 盗賊の一人もいやしない」
「それどころか、『グレイウォール・セキュリティ』と名乗る連中が、荷馬車の護衛までしてくれるんだ! しかも格安で!」
そう、ヴァインたちは私の発案で運送・警備会社『グレイウォール・セキュリティ』を立ち上げたのだ。元盗賊が街道の安全を守る。これほど確かな保証はない。瞬く間に、グレイウォールは王国で最も安全な交易路として知られるようになった。
人が集まれば、食が必要になる。
私は領民たち(元盗賊とその家族たち)に、この地の気候を活かした作物の栽培方法を教えた。冷涼な気候に適したカブやジャガイモ、そして香り高いハーブ。それらを使い、私は次々と新しいレシピを開発した。
特に大ヒットしたのが、『マリアンヌ印の燻製ベーコン』と『森の恵みピクルス』だ。私の指導のもと、ヴァインたちが建てた巨大な燻製小屋で作られる燻製肉は、その芳醇な香りと深い味わいで商人たちの間で大評判となった。ピクルスは、旅の保存食として飛ぶように売れた。
グレイウォールは、かつての無法地帯が嘘のように活気に満ち溢れていた。商人たちが持ち込む珍しい品々、領民たちの笑い声、そして毎日どこからか漂ってくる、私の作る美味しそうな料理の匂い。
そんな噂は、当然、王都にも届いていた。
最初は、誰もがその噂を信じなかった。
「あのマリアンヌ嬢が、盗賊を手なずけて領地を復興? 馬鹿な、何かの間違いだろう」
しかし、グレイウォールを経由した安全で迅速な物流が王都の経済にまで影響を与え始めると、貴族たちも無視できなくなった。
「聞きました奥様? グレイウォール産のハーブティー、安眠効果がすごいと評判ですわ」
「まあ! それにあの燻製肉! 陛下の食卓にも上ったとか……」
私を追放した第二王子派閥の貴族たちは、苦虫を噛み潰したような顔をしていた。
「くそっ、あの小娘、ただでは転ばぬということか……」
「ただの令嬢が、盗賊を従えて交易を牛耳っている、などという噂まで……」
かつて私を「可哀想な子」と嘲笑っていた令嬢たちは、今や手のひらを返したようにこう囁き合っていた。
「マリアンヌ様は、やはりただ者ではなかったのね!」
「ええ、あの時から、その非凡な才能を見抜いておりましたわ!」
***
王都・商会館。
第二王子派の側近が、積み上がる木箱の刻印を見て青ざめる——GREYWALL SECURITY / Smoked & Herbs – Batch No.27。
老舗商会の主はため息をつき、羽根ペンを取った。
「……取引を願いたい、と書け」
***
ざまぁみろ、なんて思う暇もないほど、私は日々の献立を考えるので忙しかった。今日の夕食は、新しく手に入ったスパイスを使った鹿肉のローストにしようか、それとも川でたくさん釣れた鱒のパイにしようか。それが、私にとっては何よりも重要なことだったのだから。
領主の執務室。すっかり綺麗になったその部屋で、私は帳簿の代わりにレシピノートとにらめっこしていた。
そこへ、ヴァインが淹れたてのハーブティーを運んできてくれた。彼はいつの間にか、私の補佐官のような役割をこなすようになっている。
「お嬢、少しは休んだらどうだ」
「あら、ヴァイン。ありがとう。ちょうど新しいパイ生地の配合を考えていたところよ」
呆れたように肩をすくめるヴァイン。しかし、その口元は穏やかに綻んでいた。彼は窓の外に広がる、活気あふれる町の様子に目を細める。
「……信じられねぇな。数か月前まで、俺たちはここで飢え死にする寸前だったってのによ」
その横顔は、盗賊の頭だった頃の険しさが嘘のように和らいでいる。彼の中に眠っていた「英雄」の魂が、再び輝きを取り戻しつつあるのを、私は感じていた。
彼は、ふと真剣な表情で私に向き直った。
「なあ、お嬢」
「なあに? このハーブティー、もう少しカモミールを足した方が香りが立つかしら」
「……このままじゃ、本気で惚れちまうぞ、お嬢」
静かな執務室に、彼の低く、真剣な声が響く。
私はレシピノートから顔を上げ、彼の顔をじっと見つめ、そして、こてんと首を傾げた。
「え? ご飯の、おかわり?」
私の返事に、ヴァインは一瞬、鳩が豆鉄砲を食ったような顔になり、次の瞬間、こらえきれないといったように吹き出した。
「ははっ……ははははっ! 敵わねぇな、あんたには!」
腹を抱えて笑うヴァイン。
私はといえば、なぜ彼が笑っているのか分からず、「本当に、おかわりはいらないの?」と、真剣に聞き返すのだった。
グレイウォール辺境伯領の復興物語は、まだ始まったばかり。
そして、食いしん坊な辺境令嬢の恋の行方は、神と、そして美味しいご飯のみぞ知る。