飛んで灯にいる時もある
俺の止まることを知らないほとばしる想像は佳境に入っていた。
無理やりにことを運ばれた俺も今や彼を愛しはじめたところで訪れる苦難。身を引くか、愛を貫き通すか、周囲からの反対と巧妙にはられた罠。
ああ、涙なしには語れない俺の未来。
なんちゃって。
鳥肌もんだな…俺疲れてるのかも。
とりあえず原因を突き止めないと逆に怖くて寝られない!
う~ん…。
俺の家は無駄に広さだけはあると思う。
そう、無駄に…。
小さい時はトイレに向かう途中で残念な結果に終わることもしばしばあった。
もう、見栄っ張りな御先祖様のバカ!
しかも廊下暗くて超怖いんですけど…。
でもなんとか二階へ続く階段の下までたどり着いた。
ちなみに俺が今履いてるのは布製の靴だから足音は余りしない。
気配さえうまく消せば侵入者の不意をつくのにもってこいだ。
一段また一段と階段をゆっくり登って行く。
慎重に、決して焦らず。
そしてとうとう最上段にさしかかろうとした時だった、ぼんやりとした白光がユラユラと横から進んできているのが見えたのは。
普段の俺なら、華麗なる逃走を実行していただろう、我が身可愛いのは人間の性ですとも。
だが何故か今まで見たことのない、幻想的な光りは俺に恐怖を与えなかった。
むしろ蛾が光源に飛び込まざるをえないように、フラフラとそれに近寄っていった。
どうしてかは分からなかったが。
そうしないといけないと思った。
次、とうとう…。
ちまちま展開よろしくです。。