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あゝ無情な貴種流離譚 ~其は悲恋の物語~  作者: 蒼華
第〇章:天使に課された試練
1/1

天界追放

注意:作者の宗教観が多分に含まれております。また、作者の歴史観と実際の歴史に乖離がある可能性があります。どうかご了承願います。

さて、天使は物語の末に何を想うのか?

現状、僕の頭の中で導き出したラストは三パターンです。

ここは人間たち、民たちが住まう世界とはまた違う世界。

人間たちからの俗称は『天界』

そこでの天使たちは時に死した魂を導き、時に悪魔との闘争を繰り広げる。


そのうちの一体、アンジェラス(angelos)もまたほかの天使と同じく神の名のもとに為すべきことを為していた。

だが、ソレがほかの天使と違うのは天使に()()()()()()がないことだ。

それは『民に対する慈悲』である。


「魂の裁き」の対象に『善行』を含まず、ただ『神への忠義』のみを審議対象とし、地獄と悪魔は要らぬ存在だといい抹消しようとソレにはない『心血』を注ぐ。血も涙もないとはまさにこのこと


その所業はかの悪魔にも届き、彼らを震え上がらせるほど。

そして、ソレの主神にも届くこととなる。



アンジェラスは主に呼ばれ、神の御殿へと参上する。

高貴で神秘的で神聖的な謁見の間に通され、膝を屈し、我らが主のご尊顔を拝見せず、頭を下げ床を見る

そも、我らが主は悪しきものを滅し、善きものより高みへと導く神光と後光を纏う故、見えず定型化が不可能である。偶像なぞには表せず、表すことも不敬であろう。


「アンジェラス、面を上げよ」

「はっ」


神の勅命により、アンジェラスは顔を上げる。

やはり姿形をとらえることは不可能。


「此度の招集、汝に何かあたりはあるか?」

「われらが主よ、誠に失礼を申し上げますが、私は日々不備なく使命を全うしていると自負しておりますゆえ、主が私を招集される由がないと愚考します。」

「なるほど、汝は己に不備がないと」

「はい、その通りでございます」

「愚か者め!!!!!」

「!!」


突然の叱責にアンジェラスは誠に驚く。


「汝は愚か者だ。民たちの善行を組まずして何が天使か!」

「失礼ですが主よ、彼彼女に必要なのは善行などではありません。主に対する絶対的な忠義です」

「確かに忠義は絶対だ。だがしかし、忠義だけがあろうとも、『それに基づいた為すべき行い』というものがある。それが『善行』だ!それを欠く者が何故、善き処へ行くというのだ!!」

「・・・」

「その顔を見るに納得いかないように見える」

「失礼ですがその通りでございます。私には理解ができません。必要なのは我らが主への絶対的な忠義!!それのみだと愚考します」


暫しの沈黙


「汝は真に人間を見ているのか?汝は真に忠義のみを見ているのか?」

「・・・・」


主からの問いかけに対してアンジェラスは答えられない。答えることができない。


「なるほど、よくわかった。アンジェラス、汝に試練を課す。『真に人間を知れ。それをもって己の愚行を知れ』。そしてたった今より、貴様をこの界から追放する」

「はっ」


こうしてアンジェラスは天界を追放されることとなった。

主人公はおそらく主天使。

もし書籍化・漫画化・アニメ化したら、エンディングは主人公が歌う『涙そうそう』を希望します。

編集者さん・アニメ監督さんマジでお願いします。

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