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なろう用語を考える

夏の甲子園ってか

作者: 笛伊豆

リハビリに書いてみました。

 ちょっとした思いつきなんですが。


 私もちょっと時間が空いたら「なろう」を読んでいるクチです。

 なろうにはランキングという大変便利なカタログがあるので、上の方から観ていってまだ読んでないお話を流し読みします。

 面白かったらガッツリ読みます。


 このランキング、日間なら毎日どころか一日数回更新されるので、ちょっと時間が空くと順位が入れ替わっていて探さなくても新しいお話を読めるわけです。


 私は自分でも書きますがむしろ本の虫で、購入もしますが図書館で大量の本を借りて読んでいます。でも数年前から市販本エンタメがあまり面白くなくなってきたような?


 いや、もちろん市販されるほどの小説なんだから文章力も構成も演出もアイデアも素晴らしいです。

 でも何というか。


 「整いすぎている」

 「予定調和」


 みたいな?

 そう、始まって起伏があって本のラストでちゃんと終わるという。

 いや、当たり前なんだけど。でなかったらむしろ欠陥品。


 でもそれ、面白くないんですよ。勧善懲悪というかヒーローがヒロイン助けてハッピーエンドみたいな?

 もちろんホラーとか不条理とかギャグとかもあるけど、市販本は本を終わりまで読むとちゃんと終わります。繰り返すけど当然です。そうでなかったら製品とは言えない。


 そんなの今更言うまでもなく当たり前なんだけど、完成品故に「つまらない」と思ってしまうのです。本を読みすぎた故の弊害でしょう。



 長々と書きましたがこれらは前振りです。

 表題、今年も終わりました。

 正直言って野球に関心はないんですが、それでもNHKのニュースなんかで高校野球の話が出るからつい見てしまいます。

 そこで突然思ったんですよ。

 そうか「なろう」って高校野球なんだ、と。


 日本にはもちろんプロ野球リーグがあります。セパ以外にもあるし、最近はアメリカのメジャーリーグのニュースもよく出ます。


 凄いですよね。

 時速160キロのボールを投げる投手とか、ひょいっとバットを振ったらポンポンスタンドに飛び込むバッターとか。


 選手の年収も一億円とか十億円とかサラリーマンどころかなまじの会社の社長とだって比べものになりません。

 知名度も抜群。


 そういう人たちはマジで選ばれし者です。

 RPGで言うと勇者とか聖者とかそういうレベルです。

 お付きの剣士や賢者、魔術師だって国の最高峰の人たちで、その人たちのプレイだから専門チャンネルで放映されたりするわけです。


 野球だけじゃなくてアメフトとかバスケットボールとかサッカーとかアイスホッケーとか(アメリカでは人気らしい)、やっぱりプロつまり最高峰は凄い。



 そういう人達は小説家に例えるとプロの人気作家なわけです。

 本は何十万部も売れて本人も時々テレビでコメンテーターとかやったりして。

 でもそういう人達だけが小説を書いているわけではありません。


 例えば高校野球では、日本全国の高校の野球部に所属する球児たちが練習したり試合したりしています。

 でもそういう人たちの活躍は一般市民の目には触れない。

 テレビ中継されたりニュースになったりせず、良くて局所的な話題になってもすぐに忘れられます。

 そういう選手の大部分は高校を卒業したら野球なんか止めて大学生になったりサラリーマンになったりして業界(笑)から消えます。

 優秀だったり熱心なごく一部は大学野球や実業団で活動しますが、やっぱり世間から観て存在しないも同然です。

 それが悪いわけではないんですが。



 ということで、「なろう」で書いている人たち、投稿はするけどランキングに載らずにほとんど読まれない作品を書く素人作家ってこれなのではないかと。


 「なろう」のランキングに載るってのは実は大変な実績です。

 高校野球で言うと甲子園に出るとか地区予選の決勝か準決勝くらいまで行くくらいの快挙です。

 だって今観たら「なろう」に掲載というか投稿されている作品、もう百万を超えてるんですよ?

 極端に言えば百万編の上から数百編に入っているわけで、プロ野球選手どころの確率ではない。

 まあ、ランキングは毎日更新されているから絶対的なものではありませんが。

 それでも一度でもランキングに載るってことは、少なくとも数百数千分の一の確率を突破できたわけです。


 そんな作品が面白くないわけがない。

 でも同時に完成品ではない。

 仕事として書いているわけじゃないから瞬間風速的な無茶や矛盾、強引な展開、お約束、プロだったら編集から却下されるような小説がむしろ当然?


 プロに比べた時の高校野球ってそういうものなのではないか、と思ったわけです。

 特に甲子園。

 あの炎天下で身体が完成してない選手が無茶する。

 プロ野球選手はそんなことしません。

 だって無茶やって肩を壊しでもしたら野球人生がジ・エンドになってしまうかもしれないから。


 なのでプロ野球選手、つまりプロ作家は「完成品」を書きます。

 アマチュア選手は「この試合で俺の野球人生終わってもいい」とか考えて……いやそうじゃない人の方が多いだろうけど、とにかく頑張る。


 私見ですが、テレビで観る甲子園での試合って泥臭いんですよね。

 ボテボテのゴロを必死になって取って必死で走って泥まみれになってスライディングとか。

 そういうシーンばかり放映しているんだとは思うけど。


 でもそれがいい。

 「なろう」のワンパターンで冒頭で王太子が婚約破棄を叫んだり、侯爵令嬢なのにメイドに虐められたり、最強なのにパーティから追い出されたりする話ってプロ作家が書いたらギャグにもならないんだけど、それを平気でやってしまえる熱い文章がいい。


 とはいえ、そういうのは読み捨てられるからいいのであって、金払えと言われたら多分読まないけど。

 甲子園で優勝しても、それ自体が金になったりしないのも「なろう」です。

 自己満足?


 いや別に悪くはないんだけど(笑)。

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― 新着の感想 ―
[一言] 甲子園に出場したからといってプロになれるわけでもないところまで同じw
[一言] アパッチ野球軍と言う文言がががが
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