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君が死ぬとき私が生きる  作者: Kei_Damy
第一章 私は死んでいる
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 今日も今日とて朝が来る。

 退屈な朝だ。


 ベットのすぐ横にある時計を眺める。

 時計は7時半、そして5月4日月曜日を指している。


「デジタル時計は日付や曜日を教えてくれる便利なものだが、同時に悲しみも与えてくるな…」


 そう今日は月曜日。

 つまりは学校の日である。


 学校に行きたくない。

 そんな悲しみをよそに時計はまた一秒、一分と進んでいく。


 このままでは遅刻をしてしまう。

 仕方がないので朝のルーティーンを開始する。


 パジャマを脱ぎ、制服を着る。

 食パンを焼き、食べる。

 ただそれだけの行動も月曜日となればやはり倦怠感を感じずにはいられない。


 家を出るころにはすでに8時を回ろうとしていた。


 玄関を開けると明るい太陽の光が差してきた。


 天気予報士が晴れのことを『いい天気』と言わないのはきっと私のような晴れ嫌いな人間に文句を言われないためだろうなどと思いつつ足を学校に向けて運び出す。


 「っと、忘れていた。」


 ガチャっと音を立て部屋の鍵を閉める。


 一人暮らしをしているため鍵を施錠し忘れれば大変なことになる。


「おう!おはよう!享海!」


 廊下の奥から大きな声で呼ばれる。


「その大きくて廊下の端から端までしっかりと聞こえるきれいな声は竜口(りゅうのくち)だな?」


 少し面倒くさそうな雰囲気を醸し出しつつ呼び声に答える。


「うるさいって言いたいなら素直にそう言え!」


 享海の皮肉を意にも介さず大きな声で答える。

 彼は同じ高校に通う竜口莱国(りゅうのくちらいこく)。うるさいうざい鬱陶しいと三拍子そろったやつだ。


「おいおい、うるさいだなんて言ってないじゃないか。ただちょっと耳障りだと思ってね。」


 あれ?なんかうるさいって言われるよりひどい気が…なんてことを思いつつ竜口はとりあえず話題を変えることにする。


「時間は大丈夫なのか?ぎりぎりだぞ?」


 マンションから学校までは約30分ほどかかる距離にある。そして享海らが通う学校は8時半を過ぎると遅刻になってしまうのだ。


「ふむ、少し急ぐとするか。」


 享海はそう言いだすと急に走り出した。

 享海は意外と運動神経がよく足も速い。

 すでに8時10分を過ぎるころだがこれなら間に合うことだろう。


 対して竜口。彼はかなりガタイがよくどう見ても運動系なのだが彼は意外と運動ができない。

 部活は園芸部に所属しているのだ。

 人は見かけによらないというのは本当だ。


恐らく彼は遅刻してしまうだろう。

しかし享海は振り返ることもせずにそのまま走り続けていった。

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