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杖の作成依頼

 〈レベル15になりました〉

 〈集中Lv5になりました〉

 〈アーツ:コンセントレーションを取得しました〉

 〈SPが2ポイント加算されます〉

 〈イビルトレント初討伐報酬によってSPが3ポイントが加算されます〉



「最後、()()()()?」

「少しな」

「そう」

「ふう、強敵だったねぇ。だけど、僕達三人にかかればこんなものだよ」

 と、今までどこかに隠れていたユーナが額の汗を拭う仕草をしながらやって来た。

「今回も貴女は何もやっていないでしょ」

「何を言うんだい。勝利の女神である僕がいたからこその勝利だよ」

「自分で言っていれば世話ないわね」

 相変わらずのユーナにマーネは呆れたようにため息を吐いた。

「まあいいわ。それより、ドロップアイテムを確認しましょう」

 言われてアイテムボックスを確認してみる。

 えっと、邪樹精の葉に邪樹精の枝。それに、邪樹精の腕輪?これってもしかしてレアドロップか?

「なあ、これって」

「あら、レアドロップね」

「おお、やっぱりか」



 [邪樹精の腕輪]B

 詐欺師の森で稀に発見される大量の魔力を取り込んで変質した樹精の力が宿った腕輪。希少価値が高く、滅多にお目にかかれない。

 MATK+20 MDEF+20 魔法効果上昇:小



「魔法使い向きだな。なら」

 俺は持っていた腕輪をマーネに差し出した。

「いいの?」

「俺が持っていても仕方ないからな」

「なら、ありがたく貰っておくわ」

「ずるいねぇ。僕にも何かくれないのかい?」

「何かって言われても」

「邪樹精の葉でいいよ。僕の勘が何かに使えそうだと言っていてね」

 そう言うユーナの瞳には強い光が宿っていた。

 まあ、いいか。俺が持っていても使い道がないし、普段のユーナはともかく、この目をしている時のユーナは割と信用できる。

「わかったよ。ほら」

「おお、流石ロータス君だ!お礼に──ぶへっ」

「私のもあげるわ」

 ユーナの言葉を遮るようにマーネはユーナの顔に邪樹精の葉を叩きつけた。

「ふふ、そういうマーネも大好きだよ」

「はいはい。さ、目的も達したし、帰りましょうか。杖の依頼もしたいし」

 ユーナを適当に受け流し、マーネはさっさと歩き出した。






「ニャハハ、こんニャに早く持ってくるとは思わニャかったニャ」

 始まりの街に戻ってきた俺達はその足でヘパイストスのホームにやって来ていた。今いるのは前にも通された応接室だ。

「私としては嬉しいわ〜。必ず満足いく物を作ってみせるわね〜」

 相変わらずゆったりとしたルイーゼだが、イビルトレントの素材を受け取った時には瞳に強い光が宿っていた。

 ユーナもそうだが、物作りをする者には特有の熱があるな。ヘパイストスのホームに来るとそれが強く感じられる。

「どれくらいでできそう?」

「明日中には完成させるわよ〜」

「あら、早いのね」

「マーネちゃん達はお得意様だからニャ。最優先で作るニャ」

 ニコニコと笑顔を浮かべるミャーコ。なんだろうか、ただの善意ではなさそうな気が?

「本音は?」

「西の荒野のエリアボスを倒したのってマーネちゃん達でしょ。素材を売ってほしいニャ」

「はあ、いいわよ。どうせ最初からそのつもりだったし」

「ありがとニャ!マーネちゃん大好きだニャ!」

 ミャーコはガバッと身を乗り出してマーネに抱きついた。

「あらあら、私もマーネちゃんの事大好きよ〜」

「今日はどうも同性にモテるわね」

 ふむ、これは俺も言った方がいいのだろうか?

「ロータス、このノリで言ったら殴るわよ」

「俺は何も考えていないぞ」

 うん、やめておこう。

「マーネちゃん達はこの後はどうするんだニャ?」

「今日は私とロータスはここでログアウトするわ。あと、明日もログインできないわね」

「初耳なんだが。何故、俺の予定がすでに決定してるんだ?」

「何があるんだい?」

「今日、この後従妹が泊まりに来るのよ」

 従妹というと……ああ、楓か。それなら納得だな。

 夜月楓。マーネというか凛の一つ下の従妹で昔は近所に住んでいたのだが、親の転勤で今は遠くに暮らしている。

 昔は三人で道場に通っていた事もあるから俺とも面識があって、よく三人で遊んでいた。

 今日は朝から機嫌がいいと思っていたが、それでだったのか。凛は昔から楓の事を溺愛していたからな。

「という事は明日は杖を取りに来ないのかしら〜」

「そうね。行けないと思うわ。明後日でもいいかしら?」

「いつでも構わニャいニャ」

「なら、それでお願いするわ」

 ふむ、とりあえず楓が来るまでの間に凛の部屋を掃除しないとな。

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