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第二の街:デューオ

 〈レベルが12になりました〉

 〈剣術Lv5になりました〉

 〈歩法術Lv4になりました〉

 〈眼Lv4になりました〉

 〈逆境Lv4になりました〉

 〈カウンターLv3になりました〉

 〈SPが2ポイント加算されます〉

 〈ワイルドオーガの初討伐報酬によってSPが6ポイント加算されます〉



 《お知らせします。西の荒野のエリアボス『ワイルドオーガ』が討伐されました》



 大地に倒れ伏し、光の粒子に変わっていくワイルドオーガを眺めながら一息吐いた。

「いやー、激しい戦いだったねぇ」

「貴女は何もしていないでしょ」

 わざとらしく額の汗を拭ってみせるユーナにマーネは呆れた表情を浮かべた。

「それより、ドロップアイテムの確認をしましょう」

「ああ」

 お馴染みとなった戦闘後のドロップアイテム確認。さて、今回は何が出たかな。

「皮に牙、爪?」

 これはたぶん通常ドロップだろう。レアドロップとかはなさそうだな。

「私も似たようなものね」

「僕もだねぇ」

 ふむ、強運を持つマーネでも流石に常にレアドロップが出る訳ないか。

「ユーナは今回の戦闘でだいぶレベルが上がったんじゃない?」

「そうだねぇ。今回だけで3レベルも上がったよ。これで僕は7レベルだねぇ」

「あっという間だな」

 俺が7レベルになったのは三日目だったけな。

「レベル差があるもの。ユーナとワイルドオーガのレベル差は11。それだけあれば一気にレベルも上がるわ」

「それよりも、早く次の街に行こうじゃないか。こんな所で話していても仕方ないしねぇ」

「そうね。行きましょうか」






 〈初めて第二の街:デューオに到達したプレイヤーにSPが3ポイント送られます〉



「ここが西側の第二の街か」

「ええ、そうよ。鉄と鍛治の街デューオ」

 そこは今まで訪れた他の街とはまた毛色の違う街だった。夜中だというのに街のあちこちから煙が上がり、鉄を打つ音が聞こえてくる。

「見る分には楽しめそうだけど、住みたくはないねぇ」

 まあ、その気持ちはわからなくもない。住むならセカンディアのような自然に囲まれた場所の方がいい。

 ユーナに言おうものなら年寄りくさいと言われそうだが。

「それで、これからどうするんだ?」

「とりあえず、貴方の武器を買いに行くわ」

「夜中なのにやっているのか?」

 始まりの街では夜になると店が閉まってしまうはずだが。

「昼も夜も関係なく鉄を打っている職人が多いのよ。普通の店はやっていないけれど、武器屋なんかはやっているわ」

 そう言って歩き出したマーネに続こうとしたところで俺はある事に気づき、マーネに声をかけた。

「なあ」

「なに?」

「ユーナがいないんだけど」

「…………」

 思わず頭にを押さえるマーネ。

 うん、その気持ちはよくわかる。さっきまでいたはずなんだけどな。

「……放っておきましょう。ユーナだって子供じゃないんだから」

「ユーナの心配っていうより、ユーナが何かやらかさないか心配なんだけどな」

「言わないで。わかってるから。いいから行きましょう」

 一旦ユーナの事は忘れ、俺達は改めて武器を買うために歩き出した。

「ここか?」

「ええ」

 マーネが立ち止まったのは二本の剣が交差した看板が下げられた店。俺の問いに頷いたマーネはそのまま迷いなく店の中に足を踏み入れた。

「へぇ」

 店の中にはたくさんの剣や槍、斧などが並べられている。

 これだけの武器が並んでいる光景などリアルだとなかなか見られないから結構面白いな。

「好きなのを選ぶといいわ」

「ふむ」

 俺は店の中を歩いて見て回っていく。

「これかな」

 そして、一通り見て回った後、一本の剣を手に取った。



 [鉄の剣]品質C+

 鉄から作り出された剣。一般的な剣で性能は並。

 ATK+25

 スキル:なし



「何故それにしたの?」

「一番手に馴染んだからかな」

「そう。なら、それにしましょうか」

 俺の選択をマーネはあっさり受け入れ、そのまま揃ってレジへと向かった。






「今日はここでログアウトしましょうか」

「それはいいけど……」

 新たな剣を購入した後、俺達はデューオの街を見て回り、今は広場へとやって来ていた。

「ユーナはいいのか?あれから姿を見てないけど」

「……世の中、諦めが肝心よ」

 どこか悟った表情でどこか遠くを見つめるマーネに俺は苦笑を漏らした。

「明日はどうするんだ?」

「とりあえず、冒険者ギルドに行って、それから考えるわ」

「了解。じゃあ、また明日な」

「ええ、また明日」

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