VSジャイアントボア決着
〈レベルが8になりました〉
〈眼Lv3になりました〉
〈歩法術Lv3になりました〉
〈カウンターLv2になりました〉
〈アーツ:ダブルスラッシュを取得しました〉
〈アーツ:ヘビースラッシュを取得しました〉
〈アーツ:遠視を取得しました〉
〈アーツ:ステップを取得しました〉
〈SPが2ポイント加算されます〉
〈ジャイアントボア初討伐報酬によってSPが6ポイント加算されます〉
〈初めてエリアボスを討伐したプレイヤーに称号『ジャイアントキリング』が送られます〉
《お知らせします。北の森のエリアボス『ジャイアントボア』が討伐されました》
「終わった……か」
ジャイアントボアが光の粒子に変わって消滅し、インフォが流れた事でようやく一息吐いた。
結局ジャイアントボアはあのまま木の下から抜け出す事ができずにHPをなくし、戦いは俺達の勝利で終わった。
「それにしても、ずいぶんインフォが多かったな」
「格上のエリアボスだもの。色々重なったというのもあるでしょうけど、あれくらいは当然ね」
「そういうものか。あと、最後のなんか普通のと違わなかったか?」
「あれはワールドアナウンスね」
「ワールドアナウンス?」
「全プレイヤーに向けて流れるアナウンスよ。エリアボスの初討伐みたいな偉業を伝えるためのものよ。ちなみに、エリアボスに挑む前に貴方の設定を弄ったのはこれの公開設定よ。非公開に設定していなかったらプレイヤー名も一緒に公表されるの」
ああ、だからあの時後々面倒にならないためにって言っていたのか。
名前が公表されたら色々と面倒になるのは目に見えているしな。特にマーネは実力もそうだが、見た目も抜群だからナンパ紛いの勧誘も多そうだし。
「なに?」
「いや、なんでもないよ」
俺の視線に首を傾げたマーネに俺は首を振った。
「それで、この後はどうするんだ?」
「まずはドロップアイテムの確認ね」
「わかった」
マーネに頷いて答え、メニューを開いてドロップアイテムを確かめる。
「『大猪の毛皮』に『大猪の牙』それから『大猪の肉』。これってどうなんだ?」
「普通ね。通常ドロップばかりよ」
「まあ、そんなものか」
俺の運は悪いという事もないが、特別いいという事もないからな。マーネとは違って。
「これあげるわ」
そう言ってマーネの投げた指輪をキャッチした。
「これは?」
「貴方は聞く前に自分で確認する癖をつけるべきね」
「ん、たしかにそうだな」
[猪突猛進の指輪]品質B
北の森のエリアボス、ジャイアントボアの力が宿った指輪。希少価値が高い。
効果:STR+6 AGI+6 VIT- 3
「ジャイアントボアのレアドロップよ。貴方にはちょうどいいでしょ?」
これは俺が猪突猛進だって言われている訳ではないよな?単純に回避主体の俺にはちょうどいい効果だって事だよな?
「何かくだらない事を考えていそうね」
「ん、いや、べつに……」
俺はくだらない事を考えていたのを隠すように目を逸らしながら指輪を左手の人差し指にはめた。
「じゃあ、行きましょうか」
「ん?街に戻るのか?」
「いいえ、進むのよ」
そういえば、エリアボスを倒す事で次の街に進めるんだったっけ。
「……どっちが進む方向なんだ?」
「あっちよ」
迷いなく歩いていくマーネに俺は黙ってその後ろに続いた。
あれだけジャイアントボアが暴れて景色もだいぶ変わったというのによくわかるものだ。




