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亡霊湿地

 オオヤドクガエルLv28 エリアボス

 種族:魔獣



 マーネに向けて放たれた長い舌を弾き、お返しとばかりにマーネは土槍を放つ。

 澄んだ水源地のエリアボスまでやって来た俺達はここのエリアボス、オオヤドクガエルと戦っていた。

 見た目は鮮やかな色の車程ある巨大なカエル。主な攻撃方法は長い舌の振り回しや、毒の粘液の吐き出し、さらに水魔法とのしかかりなどがある。

 強力な毒を持っていて毒の粘液はもちろん舌にも麻痺毒があり、受けるとたちまち痺れて動けなくなってしまうらしい。

 さらに厄介なのは体を覆うぬるぬるとした体液。そのせいで物理攻撃はほとんど効果がなく、基本的に物理攻撃しか手のない俺やミナスはダメージを与えられずにいた。

 その分、俺とミナスは防御に専念し、水魔法はマーネが魔法付与した矢でミナスが撃ち落とし、舌は俺が弾く事でマーネが攻撃に集中できるようにしている。

「また溜めているわ」

 オオヤドクガエルの攻撃で特に厄介なのは毒の粘液を吐き出す技だ。これは俺やミナスではどうする事もできず、マーネの風魔法で吹き飛ばすか躱すしかない。

 しかも、この攻撃は事前に溜まる動作があるのだが、その予備動作が舌の振り回しと全く同じなせいで放たれるまでどっちが来るかわからない。

「毒だ」

 吐き出される動作を見た瞬間、素早く動いてマーネを抱えあげ、即座にその場から跳びのく。

「ライトニングボルト」

 俺に抱えられながらオオヤドクガエルに向けられた魔杖から電撃が放たれ、高速でその巨大を捉える。

 雷魔法。火魔法と風魔法のスキルレベルが10になった事で覚えられるようになった複合魔法。現在マーネは雷魔法以外にも水魔法と風魔法の複合魔法である氷魔法も使えると言っていた。

 電撃の直撃を受けた事でオオヤドクガエルの動きが一瞬止まる。

「ロックフォール」

 続けて放った魔法によってオオヤドクガエルの真上に岩が現れ、下敷きにする。

「このまま押し切るわ」





 〈アーツ:飛斬を取得しました〉

 〈オオヤドクガエル初討伐報酬によってSPが6ポイント加算されます〉



 《お知らせします。澄んだ水源地のエリアボス『オオヤドクガエル』が討伐されました》



「そういえば、エリアボスの初討伐は久しぶりだな」

「そうね」

 そんな話をする俺達の横でユーナがドロップアイテムを確認してニヤニヤと笑っている。

「ふふ、強力な毒が手に入ったよ。このボス周回しないかい?」

「そんな暇はないわ。先を確認しに行くわよ」

「残念だねぇ」

 ユーナを受け流し、マーネはさっさと歩き出した。



 〈初めて第四の街:フィーアに到達したプレイヤーにSPが3ポイント送られます〉



「ドライスとそんな変わらないな」

「方角ごとで特徴がある分、街ごとではあまり変わらないのよ。細かく調べたら街ごとにも色々なイベントがあるのでしょうけど」

 俺達は一旦屋台で買った物で食事をし、それから先のエリアに進む。

「ここが第四エリア、亡霊湿地……」

 ゲーム内では日が昇っている時間だというのに空は厚い雲に覆われていて薄暗く、足元は水分を多く含んだ地面のせいでぬかるみ歩きにくい。

 フィールド全体を薄っすらと霧が覆い、ぬるい風が肌が撫でる。

「南の湿地と似ていますが、あそこよりも不気味ですね」

「そうだな」

「……来た」

 ミナスの言葉の直後、俺の気配察知もこちらに向かってくるモンスターを捉える。

「スケルトンか」

 霧の奥から現れたのは西の荒野でも見た動く骸骨。だが、西の荒野では何も持っていなかったのに対し、ここのスケルトンは様々な武器を持っている。



 スケルトンソルジャーLv27

 種族:アンデッド



「名前通りここのモンスターはアンデッドがメインみたいね」

「少し面倒か?」

「いえ、むしろ楽な部類よ」

 おもむろに魔杖を構え、スケルトンソルジャーに向ける。

「ライトバーン」

 光の爆発。それが瞬く間にスケルトンソルジャーを飲み込み、全滅させる。

「アンデッドは光魔法に特に弱いのよ。動きも遅いしね。足元の悪さは少し気になるけれど、ここなら問題なくワイバーンと戦えるわ」

 その後もしばらく亡霊湿地を見て回り、イベントに向けてこの日はログアウトした。

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