008
「全く退屈だぜこれ」
「そうだな、でも重要な役割だろ」
「そうなんだよな、俺の能力索敵系だから、って!!??」
俺の声をかけられた緑の運人形は驚いて振り返るがもう遅い。
「油断大敵ってやつだじゃあな!」
そのまま首を切り落とした。
「鮮やかな手並みです泉さん」
「そうかこれは運人形の補正みたいな物だろ?」
「その通りですが、この短時間にここまで自在に操る人間は稀です」
「そうかじゃあ頑張んないと! 後は下の連中か!」
先ほど作った砂の怪談を砂に戻しつつ、下を天の目Sで数秒確認。
すぐ下の岩場の陰に5人少し後ろ岩の後ろに3人そこの低い崖の上に3人か。
動いていない所から見てどうやら気付かれてはいないらしい。
「ここは派手に行くか」
そう言って俺は砂塵操作Sを操作。
あれをこうして準備は万端だ。
◇
「こねーな鴨がネギ背負って」
「漫画じゃねーんだからネギまでは背負ってこねーよ」
「ちげえねぇ」
「そういや結構俺たちだ狩ったよな? どれぐらいかな」
「多分100人ぐらいだろうな。俺たち外班は平均500%だし」
「それよりマジなのかね。今の俺たち普通の人間の5倍の金運持ってることになるんだろ?」
「確かにでも俺たちにはその程度じゃ足りねーから、俺らは徒党を組んで狩ってんだろうが。気抜くなよ!」
「その通りだな」
「「「!!!!????」」」
俺はすとんとさきほいた崖を折り3人の前に降り立った。
3人とも同色の緑の運人形だ組んでいる連中は基本同色なのかもしれない。
全員武器は矢だ。
「何やってんだあいつ! 下の奴らよんでぼこってやる――なんだ!?」
「何しやがったてめー!」
「これヤバいんじゃ――」
俺たちの乗っていた崖はずるりと崩れ始めた。
俺は先ほど崖の支えとなていた部分を壊したのだ。
驚いて身が止まった3人に対し俺は感覚超活性Sを使い走り出す。
通常であれば立つことすら容易でない崩れ落下し始めた足場であろうと、感覚を超活性した状態なら、こえれだけ不安定な足場でも即反応でき砂塵操作Sと組み合わせればバランスを取る事は出来る。
斜めになった足場を俺は走り出す。
「なんでこいつ動け――」
まず一番近い相手の首を落とした。
今俺の手にある刀の刃先の薄さは、ノミの心臓より小さい極小サイズの薄さだ。
この薄さの刃なら鉄程度なら簡単に切り裂くだろう。
「やば! ガードしな――」
次にその隣の奴を構えた弓ごと横に両断。
「畜生食らえ!」
唯一のこった奴は矢を大量に発射。
この一瞬でこの数こいつの能力か、だが。
「遅い! 遅い! 遅い!」
全て刀で切り飛ばす。
速度的に最初に戦ったおっさんの大剣より遅い。
「そんな馬鹿――」
「せい!」
最後の奴の首を飛ばすと体は宙に投げ出されるが砂塵操作Sで足場を作り、体勢を立て直し、崖の崩落地点にから離れる。
これで下の6人も全滅。
計10人残りは3人だ。
そのまま着地し砂煙に隠れてナイフを二つ生成。
そして3人の死角へ。
「なんだいったい? 崖――」
「どうなってんだ? お――」
死角からナイフを二つ投擲頭に的中。
二人はびくびくと痙攣し光に包まれた。
残り1人だ。
最後の奴の前に出る。
「何ん何だアンタ」
「ただの3つのSランク能力持ちさ」
「このチート野郎が!!」
「数の暴力で参加者狩ってる奴に言われたかねーよ!」
そのまま首を切り落とす。
こいつらが中距離の槍か。
恐らく見張り役が発見して上の奴らが矢でけん制して、隠れていた下の奴らの中近距離武器で仲間の待ち受ける洞窟に追い込むってところか。
相手が少数なら中々いい手だ。
そして山肌に空いた大穴を見据える。
「ピクティこの先に健一がいるのか?」
「その通りです洞窟の最奥にいるようです」