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006

「ざまあみろ! ワシの当然の勝利や! 糞餓鬼!」


 「どういう気分だおっさん?」


 「っ!!!????」


 俺の言葉におっさんはビックと運人形を一瞬震わせ俺の方を見た。


 「小僧がふたりやと!?」


 目の前の首のない銀色の運人形と後ろの俺に視線を順々するおっさん。


 「説明はいらねーよな。こんな古典的なモノ」


 「砂っやと!?」


 崩れて砂に変わっていく運人形をみておっさんは気づいたようだ先ほど首を落としたのは俺が作った砂できた、ただの人形だ。

 色まで完璧につくとは思わなかったが、流石Sランク能力。


 「だからどうしたんや! 獲物もない丸腰の雑魚がワシを倒せるかい!」


 「そうだな、じゃあ獲物を用意しようか」


 「何を馬鹿な。そんなもんあればとっくに使ってるわワシならな!」


 「そりゃそうだ、今思いついたんだからな」


 俺はそのまま砂を操作し刀の形へ変化さ、密度を高める事で硬度を強化。

 出来上がった刀を一度強く握りしめ、硬度を確認する。

 これなら十分戦いに耐えれるだろう。


 「だとしても無駄や! ワシの剣はAランクなんでも切れる魔法の剣や!」

 

 おっさんは激高して手の大剣を無茶苦茶に振り回す。

 しかし、感覚を超活性している俺のは通じない。

 これはテストだ俺の能力が何が出来て何ができないかを。

 まず射程外から刀を一振り刀を構成する砂の一部を切り離し、小さな刃に変え振る剣圧で吹き飛ばし飛ばす。

 

 「小細工を! 男だったら正々堂々戦わんかい!」


 顔面に命中何本か突き刺さるがおっさんはそれをむしるように取り払った。次は刀の形状、攻撃をよけながら様々な形に変形させる。


 「おちょくってからに!」

 

 おっさんの運人形の精神状態が困惑から激怒に変わった。

 どうやらこの能力はイメージ通り砂を変化させられるようだ。

 後は俺次第ってことか。

 次は切れ味だ。

 おっさんが上段で切りかかる動作を見てから体の体の芯をずらし、おっさんの一撃をギリギリ交わしおっさんの肩に一撃を浴びせる。

 少し力をいれたそれはいともたやすく、おっさんの肩から腕を切り裂きくるくるとおっさんの運人形の赤い装甲に守られた右腕は、中へ舞いボスンと鈍い音を立てた。

 おっさんの心理状態は数秒間唖然となっていたが、次に混乱に変わった。


 「ぐおおおおおおおおお!!?? ワシのワシの腕が!!!??」


 おっさんは地ベタをのけぞり回る、痛覚はないといっても腕を失うことは現実なら死に直結する大けがだ。

 そのため普通の人間の反応としては正しい。


 「終わりだおっさん!」


 そう宣言するとピクティが伝えてきた。

 天の目が発動したらしい。


 「なあ兄ちゃんかんねんや! あんなの冗談や! 寸止めで止めるきやったんや! それとも兄ちゃんこんな大怪我したワシを縊り殺すきか?」


 この野郎調子の良い事を言いくさりやがって。


 「分かった。見逃してやる消えろ!」


 そのままおっさんに俺は背を向けた。

 おっさんはそれを見て立ち上がり静かに俺の近づく。

 足音を立てないようにしているようだが、聞こえているし見えてもいる。


 「大甘や兄ちゃん! この距離なかわせんで! 死ねや!」


 おっさんは残った左手に大剣を持ち振りかぶる。

 そのまま俺は背を向けたまま飛び上がり体を空中で回転させた。

 

 「なんや一体――ガハ!?」


 そのまま地面に着地し、おっさんの方に振り返る。

 おっさんは地面にうつ伏せに倒れている。

 背中の中心には小さな穴が見える。

 痛みはないとはいえ運人形の核を打ち抜かれたのだ。

 動けないのは当然だろう。


 「一体何が……」


 「最底辺の人生に送られる前に教えてやる。お前は狙撃されたんだよ。ここから少し先にいるスナイパーにな」


 「卑怯や! 卑怯やど! 仲間を使うなんぞ!」


 「何いってんだ? 俺に仲間はいねーよ。スナイパーが俺を狙ってるから利用しただけだ」


 「何を言って……」


 「どうやら次弾を装填し始めたようだな。どうせ長くないだろ? 俺がとどめを刺してやる」


 「頼む止めてくれ! これで負ければワシはワシは」


 「俺だって同じだ! 思い知れ俺の人生の重みを体現した力を!」


 そうおっさんがさきほど得意げに言った言葉を言い放ち拳にまとった砂を尖らせおっさんの背中の弾痕に突き立てる。

 穴の開いた硬い装甲の下はそれほど固くなく、拳は運人形の背中を突き破り何かを破壊、核を壊したのだろう。

 おっさんの運人形は光に包まれ消えていった。

 これで一人撃破。

 俺は体を反転させた。


 「おっとあぶねぇ、ここから退散せねば」

 

 中々いい腕してる奴だな。

 天の目Sがなければ即脱落されてたぜ。

 交わした先の木々を見てみると丁度胸の核の位置に穴が開いていた。

 このまま戦うのもありだがリスクが高いし。

 最後まで残りそうな実力者と今はつぶし合う気はない。

 天の目Sは便利だが直接見ないと乗っている奴が分からないのが残念だ。

 それにしても一定距離の存在を自動認識し見ることができる能力か、確かに天から見ているようだ。

 これは乱戦に強いな。


 「ピクティ今の俺の状態は?」


 「目立った損傷は見受けられません。金運が一人倒したことで200%に変わっています」


 「感覚超活性はいつまでもつ?」


 「泉さんが能力を把握したため情報開示が許可されました。感覚超活性残り2分30秒になります。天の目Sと感覚超活性Sは5分を使い切りると使えません。回復は30分区切りで全回復となります。砂塵操作Sは戦闘時に限り使用に制限はありません」


 なるほどいざというとき戦闘に直接かかわる能力が使えないという拍子抜け展開はなしか。

 これなら単独でも十分戦える。


 「十分だ次は数値を表示してもらえれば助かる」


 「了解しました」


 「それにしても不親切だな最初に能力を説明してくれたり、時間を表示してくれればいいのに」


 「しかたありません。私どもはそう言われていますので」


 「まぁいいや、そこまで機転がきかなきゃ最後まで残れるわけないしな」


 「ピクティマップはあるか?」


 「存在しております。ご覧になりますか?」


復讐相手は3人ともssランク能力持ちです。

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