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004

そんなわけで開幕です

「なんでしょうか?」


 「おうじつはわな。おちゃん仲間集めたんだけど。兄ちゃん仲間にならへん?」


 つまり共闘の誘いかだが。


 「そういうのいらないので他を当たってください」


 「なんでまた? 組んだ方が有利やろ?」


 はっきり言ってこの場で組むメリットは俺には少ない。

 高ランクのスキルを三つの持っていると知られれば真っ先に狙われるか。

 すり寄られるかのどちらかだ。

 だったら個人で戦う方がトラブルは少ない。

 それに皆すぐに自身のスキルの詳細を把握は出来ないだろう。

 開始時に距離さえとってしまえばスキルの詳細を確認する時間は取れるだろうしな。

 自分が足でまとにいになったり足手まといを抱える戦うリスクは避けた方が賢明だろう。

 それに同盟を組んでも同じ場所に飛ばされるか言及されていない。

 これは聞くべきだったな。


 「能力の事は知られたくないです」


 「なんだ兄ちゃん。外れでも引きおったんか? まあせやろなワシの精霊とかいうかわい子ちゃんによると、能力のランクは受けた苦しみによりらしいからな。まだ若いあんちゃんが高レベルの能力を得るのはむりっちゅーもんやな!」


 はげたおっさんのわかったような口調に顔面を殴りたくなるが。

 ここは我慢だ。

 暴力沙汰で失格でもしたら目も当てられない。


 「まぁ安心せいワシはAランク能力もちや! なんでも切れる魔法の剣や! 兄ちゃんくらい守ってやるからな?」


 Aランク……俺より格下の接近戦タイプの能力か……余計組む理由はなくなったな。


 「いいです。人と組む気はありません。後能力の事は言わない方がいいですよ。知られてしまえば対策をされるので」


 「なんやお前! 下手に出てりゃあ調子乗りおってからに! 人生の苦労もしらん若造が! 決めたワシは真っ先にお前を潰すからな! 覚悟しとけボウズ!」


 急に切れだすおっさんに思わす熱くなり言い返す。


 「覚悟すんのはてめーだはげ! 苦労してなきゃこんなところに来るか! 自分が一番可哀そうだと思ってんか!」


 「何だとこらー! ワシは嫁と子供にも逃げられるんねん!」


 「だからどうした! 俺だってすべて失ってんだ! 家族も友人一人すら残ってね-んだぞ!」


 「嘘こけ! ボウズみたいな若造がワシ以上の苦労をするか!」


 こいつすぐかっとなるタイプだな。

 ついつられて熱くなってしまった。

 すると。


 「泉さん。これ以上揉めると退場の可能性が」


 ピクティがそう制止する。

 おっさんの方も精霊が止めに入っているようだ。


 「ちっワシのかわいこちゃんとそっちのかわい子ちゃんに免じて許したるが、一番最初に潰すのはお前だからな!」


 そういっておっさんはすたすたと歩いてほかの参加者に声をかけ始めた。


 「よろしかったのですが?}


 「何がだピクティ」


 「先ほどの方です」


 「別に組むメリットはないからな、それに自分が一番不幸だと思い込んで俺を下に見てるみたいだし、人を下に見る奴と組んだってロクな事がないだろ」


 「確かにあの方は泉さんを対等には見てはいないですね。怒りの感情が高ぶっているようです。先ほどの言葉は本気のようです。ご注意を泉さん」


 「それは読心術か何かなのか?」


 「それと似たものです。私達精霊は心の状態を見る事が出来ます」


 「それは俺の運人形に付加できるか?」


 「可能です」


 「じゃあ付加してくれ」


 「了解しました」


 よしこれで心理状況を読み取れるってわけだ。

 だがまだ能力の謎は解けていない。

感覚超活性はわかるが、あとの二つの詳細は予想できないからな。

 少し考えようとした時だ。


 「事前に同盟を組まれた方はお互いが近隣に転移されますので、戦う方の戦いを回避される方ご注意ください。ではゴールドラック開幕です!」


 とラックが宣言した。

 これも演出か,あえてそのことを言わない事で組みにくくするわけかとなるとさっきのおっさんの考えはいいとこ行ってんだな。

 まぁあんな野郎と組む気にはならんが。

 白く染まった。

 でもまぶしくはない。

 暫く白の光景が続き。

 次に見えてきたのは緑色の何か何だと目を凝らすと木々が見えてきた。

 そのまますとんと足に軽い衝撃。

 まず手を見た。

 白銀の装甲に流線形のフォルム。

 関節には金属らしきものが見えふさがれていない。

 アニメのロボットの関節だ。

 俺の能力次第ではこれは使えそうだな。

 当たりを見回すが俺以外の姿は見えない。

 すぐ近くに泉があったので水面を覗き込んだ。


 「完全にリアルロボットだなこれ」


 そうとしか言えない姿だった。

 銀色の流線形の顔立ちは西洋の鎧を彷彿とさせるが、目に嵌る光る緑の両眼が実のロボットぽい。


 「ようお前さっきの兄ちゃんやろ?」


 その言葉に声の反対側に飛んで距離を取るが力を入れすぎて木々にあたってしまった。


 「いててていや痛くない。そういうや痛感は通ってないのか。でも触感はあるな」


 「許さんで! 兄ちゃんともめたせいで誰とも組めなかったやないか!」


 そう息巻くおっさんの運人形は真っ赤な機体で気の短いすぐかっとなる人間性を体現しているかのようだ。

 その手には俗にバスターソードと言われるタイプの大剣を一振り。

 おっさんの機体の心理状態は激怒と出ている。

 個体名はさきほどのおっさん……分かりやすい名前が分からくなくても分かるってのは本当だな。

 少し手抜きに感じなくないが。

 そして100%とでている体力とかの表示だろうか?


 「覚悟せーよ! ワシの有利に戦えるチャンスを潰した兄ちゃんに思い知らせたるわ! ワシの手にした力の人生の重みってやつをな!」


 「勝手にいってろ! ただの不幸自慢の糞爺!」


 「何やと! 格の違いを思い知らせたるわ!」


 おっさんは剣を両手に構える。

 さっきのおっさんの話が本当なら剣に何か能力があるぼいだろう。

 単純に考えれば切れ味を増すとか、だろうが。


 「全くワシは運がいいわ! 兄ちゃんを最初に潰せるチャンスが回ってくるんやから! 獲物なしにワシの剣を防げんやろ!」


 さてどうする。

 計画はいきなり破たんした。

 もう少し時間を稼げると思ったが仕方ない。

 少々危険はあるがぶっつけ本番で理解するしかない。


 「こいおっさん! 感覚超活性S(オーバーフロー)!」

早いとこ無双せんと

そのあとに強い敵を

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