満月を見て! ほんとにオオカミになった少年。
僕が子供の頃、友達にね、、、?
こんな事を言われたんだ!
『満月の日に、、、月を30秒以上見るなよ! もし見てしまったら、、、?
オオカミになっちゃうんだぜ~!』
『えぇ!? 本当なの、、、?』
『あぁ、だから絶対に見るなよ! いいな!』
『ううん、わかったよ、』
もちろん、それはね、、、?
僕を怖がらせる為の作り話だったはずなのに、、、、!?
僕は、中学2年生の夏休みの暑い夜の日、、、。
見てしまった!
▽
その日は、夏休みで家族みんなで田舎のおじいちゃんとおばあちゃんの家に
遊びに来ていた! 物凄く山奥にある田舎の家でね、、、?
みんなが寝静まった頃、僕だけ寝付けなくて、、、。
だから、僕は2階にあるベランダから起きて月を見ていた。
たまたまだったのか、、、その日は、【満月の日】だったんだ!
僕はすっかり忘れていた。
30秒以上見たら、、、オオカミになる事を、、、!
*
そしたら、、、?
突然! 体がモコモコと大きくなって、毛がモシャモシャと生えてきて
僕の目は真っ赤かで、途中で意識が【プチッ』と飛んでしまった。
気がついたら朝、僕は2階の部屋で寝ていたんだけど、、、?
足はドロドロに汚れていて、着ていたパジャマも泥まみれになっていた!
僕は昨日の夜の事を、まったく覚えていなくて、、、。
起きて下に行くと、、、?
お母さんが僕に言う。
『文哉! なに、その恰好は、、、!?』
『僕もわからないんだ! 朝起きたら、こうなってて、、、!』
『寝ぼけて、何かしていたのかしらね、、、?』
『そう言えば、、、? 昨日の夜、大きなオオカミが出たらしいわよ~!』
『先も、ニュースやテレビで言っておった!』
『おじいちゃん? この辺じゃ、オオカミって出ないの、、、?』
『日本オオカミは絶滅しているからな~ 何故、オオカミが出たのか、、、?』
『ひょっとしたら? 大きな犬だったんじゃないかしらねぇ~』
『どうかの~ ワシにもわからん!』
『朝ご飯ができたから、文哉も顔を洗っておいで~』
『うん、おばあちゃん!』
『文哉! 夏休みの宿題終わったの?』
『うーん、まだだよ! お母さん!』
『早く、やっちゃいなさい!』
『ううん、わかったよ~!』
▼
僕は、昨日の事は夢でも見ていたんだと軽く思っていた。
まさか、、、!?
ニュースになっていたオオカミが僕だとは思ってもみなかったからだ!
いろんな偶然が重なって、僕がオオカミになってしまったんだろう。
*
次に僕がオオカミになったのは、、、?
大人になってからだった。
36歳の夏、この日も暑かったな~
本当に不思議な事に、、、偶然って重なるし、、、!
僕は自分の家族と田舎暮らしをはじめた頃だった!
田舎の古い家をタダ同然で買い取って、奥さんと一人息子と暮らしていた。
あんまりにも寝苦しくて、冷蔵庫から麦茶をコップに入れて、縁側で涼んで
いたら、、、?
その日も【満月の日】で僕はまた、あの時の感覚になっていく。
モコモコと体が大きくなり、毛がモシャモシャと生えてきて、、、。
...その時だった!
3歳の息子が僕の姿を見ている!
『お.お父さんなの、、、?』
『うぅ、あぁ、、、見るな! 向こうに、、うっ、ワワォーーー!!!』
『......』
僕はとうとう、息子の前でオオカミになってしまった!
息子に見られてしまった。
そう思った瞬間、僕はオオカミから元の姿に戻る事が出来た、、、!
でも、、、すべての力を使い切ったのか、、、?
そこから動く事が出来なかった。
朝起きると、、、?
3歳の息子が僕に寄り添うように一緒に寝ていた。
そして妻が僕にこう言う。
『こんなところで、寝ていたら風邪引くわよ~』
『あぁ、文人! 起きろ~! 朝ごはんを一緒に食べよう~!』
『ううん、お父さん! 昨日、オオカミ見たよ~』
『そうか! こんな田舎だからオオカミもいるのかもしれないね!』
『アナタ! 気を付けてね! 文人が何かあったら、、、。』
『あぁ、わかってるよ!』
*
それから、僕はオオカミになることはなくなった。
もう、オオカミを見られることもないし!
オオカミに変身することもない!
『オオカミはいなくなったんだ!』
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